友情伝説リターン・乙女ドラえもんズ(4/21)縦書き表示RDF


声は元のままと記していますが、私の脳内イメージではドラズの皆は劇場主演時の声優の声です。ドラえもんは……古い人間である私は大山の〇代、です。といいますのもドラえもんズがテレビに登場していたときのドラえもん、オール大山の〇代の声ですから(H・20・4月現在)
友情伝説リターン・乙女ドラえもんズ
作:雪子



第三話 ベストをつくそうとしたら、どんとこい、超常現象!


ロボット養成学校。
一人前のお手伝いロボになるために今日も多くの生徒が学び、そして汗を流す。
お手伝いロボットコンテストで優勝したり、数々の難事件を解決したり、そして新しい物好きでおちゃめな個性派校長先生がいることでも有名である。
そして今日その学校を卒業した名物生徒がレポート提出のために来ていた。
彼はタイムパトロール警備隊の一員として、開拓時代の西部に駐在していることが多いのだが、母校からその日々の活躍を在校生の勉強の一環のために二二世紀に戻ってきた。相棒のエドとともに。

「そこまでは、いい……、そこまでは」
天然パーマなのか、緩やかなカーブを描く艶やかな金髪を白い手で掻き揚げるネコ耳の女性が校長室でぶつぶつと呟く。
「納得できるかは、別として」
目の覚めるような美人だ。しかも青の短パンのジーンズに黒いブーツとウェスタンルック。黒いハットにアメリカの国旗、星条旗を模した上着を着用。豊満な胸は白い布をさらしにし、隠している。


「あんさん……」
白い、馬型のロボットは困り果てていた。
この無鉄砲に付き合わされて今までいろいろと大変な目にあった、ピンチに陥ったこともある、そのたびに、あんさん、ほんま馬使いあらいわ、とぼやいたことも数知らず。



しかし、直面している問題とは違う次元だ。
こんなときノリが軽いここの校長先生の偉大さを感じている。
自分の相方がこんなに変わっても、面白そうじゃな、と軽く言っていろいろ検査し、今はそれらのデータを鼻歌交じりでまとめている。
そこまで自分は適応できない。
エドは隣にいる突然変異した相方にため息交じりでこういうしかなかった。
「これからわてらどうなるんやろな……」
幸せが逃げていってしまう。

「こっちが聞きたいわい!」
彼女の閉じられた瞼が開くと、太陽に輝く海のような青い瞳が顕になった。
金髪碧眼の成熟したこの若い女性は数時間前黄色いネコ型ロボットだった。
名前はドラ・ザ・キッド。
愛称はキッド。
おやっさんの影響で江戸っ子節が入っているが西部開拓アメリカン魂は不滅である。
さらし以外の服は元のまま。
ベルトでウエストが調節できたことがキッドスタイルを変えずに済んだ秘訣だという。
この姿になった訳などはただいま寺尾台校長からの返答待ち。
「しっかし、あんさん。よく待っていられるわぁ」
キッド本来の性格を考えるといくら学校内にいたからといっても校長のいうとおりにここに留まっているとは思えなかった。
「ここが一番人の目に付きにくんだ」
姿が変わってしまってから男性にただ歩くたびに振り向かれていた。
今のキッド……バンキュバンのイケイケの完璧な美貌のおねぇたまに振り向かないのは茄子か胡瓜ぐらいだ。
エドにも最初は例外なくじろじろと見られた。
「まったく! どうなっているんだよー!」
この世の中〜♪

「これでも飲んで落ち着いてください、キッド先輩」
五月の男の子のお祝いに飾られる仮面つきの鎧武者が入れた前茶がキッドとエドの前に出される。
「おう、気が利くじゃねぇか。バンパイアサイボーグ」
「これでもお手伝いロボを目指していますから」
バンパイアサイボーグ――かつてドラえもんズと敵対した、人の精気をエネルギーにする戦闘兵器――あまりにも危険なので廃棄処分となってしまったロボットシリーズであった。
彼の心無い科学者に自分たちを否定された恨みや憎しみは彼を戦乱の時代にまで遡り、時間犯罪者にしたてようとした。
しかし、彼は戦いに敗れ、首だけとなった。エネルギーがなくなって死を覚悟した己を救ったのは敵であるはずのドラえもんとドラニコフだった――やさしさに目覚めて彼は、心から尊敬するドラえもんズと同じ学校に行くこと希望し、特別クラスで日々勉学に勤しんでいる。
「うまいな」
程よいお湯加減がおもてなし。
「それにしても、お前、グリーンティーとは……日本が好きなのか」
ドラえもんの出身だからかもしれないが。
「ええ。ついこの間和菓子の特集が組まれた雑誌を眺めていたらドラニコフ先輩に今度ここの和菓子を買ってこようかと言われたときは嬉しかったですね」
急にドラニコフに背後から覗き込まれたときはびっくりしたと付け加えた。
「まぁ、あいつはそういうやつだからな……」
野獣になりきっていなくても普段からドラニコフは気配を断っている。
感知するにはそれ相応の注意力が必要となる。
好きなものの雑誌を読んでいたのならば気がつかないのは道理である。

「まさか、ドラえもん先輩も、ドラニコフ先輩も……今はキッド先輩のように!」
「よせやい、そんなわけないだろ?」
そんなわけがないと、キッドは思いたかった。
こんなわけのわからない現状に悩まされているのは自分だけだと思いたかった。
「では、なぜ親友テレカで連絡を取り合わないのですか、キッド先輩……」
バンパイアサイボーグの言葉が詰まる。
彼が続けたい言葉はわかる。
おそらくは怖いのかもしれない、ということ。
ドラえもんズ全員が、女の子に変わってしまっているかもしれないという事実を知るのを躊躇っているのかもしれないということか。
キッドとて考えたことはなかったわけではない。
女性に変わるとき四次元ハットが光ったような気がした。まるで、自分たちの意思で親友テレカを輝かせるような感覚もあった。だが、誰かがピンチに陥っている気はしない。親友テレカの自分たちは元のネコ型ロボット姿のまま。
青いドラえもんのときは変わったのに。
考えたところこの姿は仮初……幻術にでもかかったのではないかとキッドは疑っている。
「心配するな。こんな姿になったのは俺だけかもしれねぇし。そう、知り合いに見せられねぇだけだよ」
花嫁の振りしてヤマタノオロチ退治したとき、ドラニコフには笑われ、ちゃっかり写真を撮られていた(つい最近知った)という苦い思い出がある。
女装した自分の姿にも抵抗があるのに、ましてや今の形状は完璧な女……ネタにされること間違いなしである。
(それにあのへちゃむくれには絶対見られたくない……)

しかしキッドの願いと裏腹に無常にも校長室の自動ドアが開いた。
ドアの向こうにいたのは、黄色いからだで耳の変わりにある大きな赤いリボンがチャームポイントの笑顔が可愛い親友の妹。
「校長先生、この書類に判子を……」
きちんと持っていた書類が地面に落ちる音がする。
彼女の小さい体が小刻みに動き出す。


「ちっ」
この瞬間キッドは――もし、神がいるならば――この運命の悪戯に損害賠償を請求したくなった。

STUDY ドラミちゃんの職業は大学教授である。
























ちなみに、ドラえもんの肩書きは特定意志薄弱児童監視指導員。
豆知識にどうぞ。
「疲れた〜」
「……」
「おつかれさま、ドラえもん、ドラニコフ」
所変わってのび太の部屋。
しずかにさんざんリアル着せ替え人形として一時間弱のファッションショーを成し遂げた二人にのび太は拍手を送っていた。

しずかブランドにより、ドラえもんもドラニコフもすっかり可愛らしいちょっと個性的な女の子の服装になっている。

ドラえもんは薄い桜色の袖の着物に青い袴姿。大正ロマンの香りが漂いつつもお腹にはドラえもんの証でもある四次元ポケットがくっついてあり、黄色い鈴は彼女の胸元にある。

グデっとしているドラえもんに、常温ですっかりぬるくなった麦茶ではあるものの疲れを癒すには水分補給が一番だろうと、のび太はコップにそそいだ。

「がう……」
自分にもお願いといわんばかりに、ドラニコフも青いマフラーからコップを取り出す。
四次元マフラーなので取り外すわけがなかったのでこれは変わらないのだが、白いブラウスにチャックのミニスカートに黒いソックスという、元の服から一転した服装になっている。
ドラニコフの元の服はしずかが洗って返すといっているのだから仕方がないとはいえ、難儀である。足元がスースーして落ち着かないらしく時折ドラニコフは足の組み方を変えてはそわそわしている。

(それにしても……)
新旧日本の女学生の制服におちついてしまった二人に同情しながらも、のび太は眼福をちゃっかり頂いていた。
すこしだけカメラ小僧の気持ちがわかったという。
鼻の先が伸びているのに彼女たちが気づかれないようにのび太は前かがみになりながら机に寄りかかった。

「お兄ちゃん!」
声とともにいきなり机の引き出しが勢いよく開く。
その一撃はのび太のあごにクリティカルヒット!
のび太の目に星が集う。星々は回転し、ちかちかとのび太の頭にくるくると円を描きながら踊る。
「のび太くーん!」
「がう!」
レスキュー隊も真っ青になるぐらいの予測できない事故であった。
「ご、ごめんなさい。のび太さん……でも、でも……」
今にも泣き出しそうなドラミ。

「落ち着け、ドラミ。お前らしくもない」
ドラえもんは自分の姿が変わってしまっているというのを忘れて、ドラミをいつものようにたしなめる。
兄として。
「お、お兄ちゃん……」
ドラミは変貌してしまった兄の姿に驚愕した。
「まさかお兄ちゃんも!」
「え、お兄ちゃんもって……まぁ……そうだけど……」
隣のドラニコフもすっかり女の子になってしまっていることを指しているとドラえもんは思っていた。
「ところで何が大変、なの? まさかセワシ君に何か……」



「いいや、それはちがうぞ、ドラえもん。原因は俺たちだ」
ドラミのすぐ隣から、ネコ耳金髪美女がスリッと現われた。むっちりとした太ももに胸は成人指定の。
聞き覚えのあるその声に反応したドラえもんにドラニコフ。
「ドラ・ザ・キッド!」
ぶっきらぼうのこの喋り方で一瞬正体がわかった。
どうやら変装には向かないことだけはここで明らかになった。
「ああ。お前らも……」
キッドは自分の姿をじろじろ見られないことにだけは安穏の声を上げるが、顔が渋る。
「どうやら、大変なことが起きちまっている……ことだけはたしか、だな」
周りは緊迫した雰囲気に呑まれようする。
彼女たちとなってしまったドラえもんズはこれからどうしていくのか。





とにかく、元の姿に戻るために、原因を突き止めるために、彼女たちはそれぞれの解決策を検討する。
ドラミとキッドは未来に帰って校長先生の出方を待つ。
ドラえもんとドラニコフはドラメット三世のところに向かう。
ドラメットの水晶玉だと原因を突き止められるかもしれないと睨んだからだ。
変わってしまった体を見せるのは恥ずかしいのだが。


「おれは……女性ガンマンに転向する気はねぇぞ」
「がう、がう、がうぅ(ぼくだって女優で再デビューする気はない)」




……考えられる最悪な結果だけは阻止するために動く。
















そしてここにのびている野比のび太の存在は記憶の彼方に吹き飛んでいた。


次回やっと冒頭で出てきたドラメットに会いに行きます。ここで敵の正体を明らかにするのか、しないのかは……第四話で明らかに!
ちなみにドラえもんの肩書き、ドラミの職業の豆知識はネットの掲示板で知りました。原作で確認していません。間違っていたら、ごめんなさい

春崎やよいさん、一週間もかかってすみませんでした。そして応援ありがとうございます。ゴールデンウィーク中、頑張ります。











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