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夜を越える

作者:霧島ノラ(藤夜アキ)
 夜のとばりは優しげに 痩せ細る心を慰めた
 他人ひとの見えない暗闇は 孤独な彼にはちょうど良い
 閉じられた狭い世界で 過去うしろばかり振り返って見ては
 朝が来ても明けない夜を 疎ましくも抱きかかえていた

 積み重なる吐く息溜め息 うずたかく積み上がるは「違う」
「間違ってばかりの人生」 評する度覚えるは痛み
 灯りを消した部屋の色と 彼の日々を彩る色は
 夜色のチューブから出ていた 君を知るまで、君を知るまでは

 君が手を差し伸べたわけじゃない 君が背中を押したわけじゃない
 君も夜色の部屋にいたから 君の日々も夜色だったから
 彼は夜を越えようと思った 君と踏み出したいと決意した

 夜のとばりは柔らかく 傷付いた心を包み込む
 敵の見えない暗闇は 独りでいるにはちょうど良い
 けれど君と歩くのには 君を守りながら歩くのには
 朝が来ても明けない夜じゃ 「ダメなんだ」心が叫んでいた

 積み重なる吐く息溜め息 こんなにも弱いと気付かされる
「間違ってばかりの人生」 だけどそれこそが彼らしさ
 君も同じ口癖だった だから彼じゃなきゃダメだった
 彼は夜の隙間を探した 君を愛して、君の手を取って

 確信なんてどこにも無かった むしろ不安の方が強かった
 けれど君が隣にいてくれた 何も言わず信じてくれたから
 彼は夜を越えようと思った 君と笑い合う朝を欲した

 独りなら気付きそうにもない あまりに小さな隙間だった 
 どっちが見つけたんだっけか そんなことはどうでも良いか
 必死に必死に穴を広げた 傷む手も同じなら愛おしい
 通じ合ったなんて感じた時 長い長い夜を越えていた

 初めてまともに見た君の顔 思っていた通りの君の顔
 朝陽に包まれた君の前で 最初に言う言葉は決めていた
「君を誰より愛しているんだ 君となら夜を越えられるんだ」
「歌い手カレシと絵師なカノジョ」内で颯斗が歌った歌の歌詞です。

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