第二十五話:士気
何があってもTEAMに降り注ぐ災厄を振り払うのが社長の務め。
それが八年前の自分の失態を実の息子に拭わせることになってもだ。
「今回の任務、やっぱり快には荷が重過ぎると思うわ」
夢乃の言うことは正論だった。
TEAMは殺しを認めない掃除屋であるが、
その精神を貫くことと自分の身を守ることの狭間に高校生バスター達は置かれるのである。
しかも気にしていたであろう、生まれるはずだった弟を始末させようというのだから・・・・
「夢乃、俺は全てが終わった後、快に伝えるつもりだ。
クローンのことも細胞バンクのことも、
そして風野博士の研究がどのようなものだったのかもな」
夢乃の表情が曇る。
快は強い子に育ってはくれた。
しかし、まだ高校一年生だ。
本当に全てを受け入れられるか心配ではある。
「快に全てを話してあげなくちゃだめなの?」
「いつかはたどり着く真実だ。
それにあいつはわかってくれるからな」
義臣は夢乃の手に自分の手を重ねた。
しかし、それでも夢乃は不安だった。
今まで築き上げて来た平和が、
一瞬のうちに消える気がしたからだ。
「あいつは全て乗り越えてくれるよ。
それに奇跡が起こる可能性がありそうだしな」
義臣は微笑んだ。
そしてもう一つの問題がTEAMの食堂で起きていた。
「龍二、十三年ぶりに帰って来たんだから少しぐらい話すこともあるだろう。
チームメイトの事とか剣道の調子とか、咲ちゃんとどこまでの関係になったとか」
「ウルセェ!! 十三年もおふくろほったらかしにして親父づらすんな!!」
周りにいた社員達が二人に注目する。
龍二のいうことは最も。
普通ならここで殴るかうなだれるかが父親の定番なんだろうが、
「スマン! 確かに母さんはいい女なんだが、俺は遺跡の誘惑に弱くてな。
おもいっきり浮気していた!」
軽く謝り、理由まで分かりやすく答える父親が果たしてこの世に何人いるだろう。
「ふざけんな!!」
「ふざけてない!! 俺は常にやりたいことには本気だ」
威圧した。龍二が何も言い返せないほどの覇気で。
「・・・・龍二、影にいるならいつか分かるときが来る。
今回の任務、お前が考えてるほど甘くはないぞ」
そして龍一はすっと立ち上がると、
「全員に伝えておく。
俺はこれよりTEAMの戦闘指揮官となる。
今回の案件、心してかかれ」
TEAM全体が引き締まった。
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