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第22章
~出歩いて…落っこちて・第22章~





物事は時として予想外の方向に向かう事があると思う。
何を考えたか、気が付けばそうなっていたなんて事は良くあることだ。

「あいたたた…」
「床が抜けるって…どうなんだよソレ」

今回も恐らく、そういった事のカテゴリーに治まるのではないかと思う。
現在僕たちが居るのは、ネテのちょっち外れにある主無き錬金術師の屋敷と言われる場所である。
で、何が何でこうなったのか?ソレはちょいと前に遡る――――――








~1時間前~

「「薬がない~?」」
「ひっく…う、うん、この袋に入れておいたんだけど…えく」

僕の財布を盗んだスリの子―――ルアリス…通称リア。
言葉遣いといい服装も男物だったから解らなかったけど、女の子だったらしい。
で、彼女は病気の弟の為に、スリをしてまで薬を買っていたのだが……

「その薬を落としたと?」
「そう…だよ…エック…落しちまったんだよ」

――――-だそうで…。

話を聞いていくと、落したのは昼間にギルド(彼女も一応この町のギルドに所属していた)の仕事で、
探索依頼を受けて、探索を行っていた町外れの屋敷で落したんだそうな。
で、その屋敷の奥の方で魔獣らしき影か何かを見つけ逃げ帰ったんだって。
ちなみにその後に、もうチョイ小金を稼ごうと、僕の財布を狙ったんだそうな。

「でも、どうやれば袋から落せるんだよ…」
「ヒク…穴開いてた」
「あー…そうなん…」

良く見ると、巾着袋よかやや小さめの袋の横に、穴があいている。
………まぁそれなら仕方無いしねウン。

「ところでお前何時まで泣いてんだよ?」
「そ、それは手前が力いっぱい…うく…叩いたからだろうッ!!」

さて、みんなも気になっていただろうが、彼女先ほどから彼女泣きっぱなしなのだ。
どうも紅が強くやり過ぎたらしい。叩かれたお尻を未だにさすっている。

「どうしよう…あの薬が無いと弟が…トールが…ヒック、ウワーン!!」
「だー!!泣くんじゃねぇ!!お前女だろうが!!」
「関係ねぇ…やい!!ウエーンエーン」
「ああもう鬱っとしい!俺達が薬探してきてやるから泣くな!!」




――――――――はい?




「あ、あの紅さん?!」
「良いだろう別に?これも何かの縁だ。」
「…ひぅ、本当?兄ちゃん?」

ええと、自分としてはもう用は無いから早々に立ち去ろうと思っていたんですけど…。

「うぅ~」
「ぐ…そんな目で見られたら断れないじゃないか…」

泣き顔で心配そうに見つめられたら…断れんでしょう?
特に相手が自分よりも年下の子供だとしたら余計に…さ。
これで断ろうものなら――――僕悪人じゃん。

「―――――はぁ~わかったよ…探しに行こう」
「ホントか?!兄ちゃん!!」
「とりあえず地図をくれないかな?行き先わかんないし」
「良かったな?リア?」

―――――――とまぁ、こう言う訳でしてハイ。
で、探索に来て屋敷に入ったところで、床板が腐っていたらしく落下…冒頭のシーンに戻るのだ。

「しっかし、随分と落ちたなぁ…」
「ざっと俺6人分ってとこか?」

紅の身長は約1,4mだから……約8~9mくらいか。
とりあえず怪我は無し、レベルが高くて助かったよホント。

「ふーむ、大体3、4階層分落ちたのね」
「しかも道が続いてやがる…コリャ屋敷じゃなくてダンジョンだな」
「…………しかも、どうやら何か居るっていうのも本当みたいだね」
「だな…どうするかなめ?」
「どうするもこうするも…」


――――――とりあえず落ちて来た穴からは出られそうもないし…。


「……とりあえず進もう、というかソレしかないと思うし」
「剣も無事だったみたいだから俺は大丈夫だぜ?」
「僕は魔法使うから元から問題無しだね。空間が狭いからポールアックスは使えなさそうだね」
「確かに、こう狭っくちゃ振ったが最後、壁にささっちまうよ」
「じゃあ、ポールアックスは僕が持つよ。紅はいつも通り前衛頼むよ?」
「そいじゃ、かなめもいつも通りに援護頼むぜ?」

紅が拳を出してきたので、僕も拳を出してお互いにぶつけあう。
ちょっとしたおまじないみたいなものかな?ウン。

僕たちはさっさと役割とこれからどうするかを決め、警戒をしながら奥に進む事にした。
しかし、通路の方は明かりが無い為、所謂真っ暗な状態…どうしよう?

「とりあえず明かりが居るなぁ…良しIT(イマジンツール)懐中電灯(ポケットライト)
「おお明るいな。これで進めるぜ」

魔力を込め過ぎると、レーザーみたいになっちゃうから、ほどほどにしてっと…。
よし、周囲を見渡す程度ならこのくらいで良いだろう…という訳でレッツゴー!!




―――――さて、光源も確保したので、歩みを進めたんだけど…。




「―――――下り坂…だと?」
「道は…この一本しか無かったよね?」

少し歩いたところで、何故か道は下り坂になりつつあった。
だけど、落っこちたアノ場所から伸びている通路はココしかなかったし、途中に分岐もない。

「ふむ、進むしか…無いよね」
「俺、じめじめした空間はキライなんだがな」

しょうがないよ、コレしか道が無いんだもん。
まぁそういう訳で下り坂になっている通路を歩いて行った。

更に進んでいくと、徐々に道幅が広くなっていった。
おまけに通路の壁際には、壊れてはいるモノの、何かの実験器具の様な残骸が散らばっている。
成程、確かにココの主は錬金術師だったんだね。フラスコだとかビーカーが残っているしさ。

「へ~ほ~」
「かなめ、よそ見しながら歩くと危ないぞ?」
≪ガツン≫

思わず珍しさでキョロキョロしてたら、壁から伸びていた出っ張りに頭を強打してしまった。

「いった~…」
「言わんこっちゃねぇ…」

呆れたように溜息をつく紅…だってここ珍しかったんだもんよ。
注意もおろそかになるって。

「しっかしまぁ随分とゴチャゴチャ色々落ちてやがるなぁ?」
「人が居なくなって随分と時間が立っているみたいだけどね。埃かぶってるし」
「だな…もっともいなくなったのは」
「…人間だけだったみたいだね」

まだちょっと遠いけど、ゆっくりながらも真っ直ぐこちらに接近してくる気配を感じた。
――――――というか、随分と広いのね…この地下空間。

「どうやらこの一本道は随分と遠くにのびてるみたいだな」
「確かにね。敵さんの気配の感じからするとそうみたい」

おおよそ1kmくらいだろうか?流石にこの距離だと明かりが届かないから見る事は出来ない。
でも、確かにこの道の先に感じる事が出来る。

「まぁとりあえず、小手調べってねッ!!」

僕は以前から練習していたあの魔力球を生成する。
ちょうど良い機会だし、コレが戦いで役に立つのか実験してみようと思う。
とりあえず込めた魔力は、だいたいグレネード一発分程度。
流石にそれ以上だと、この長年放置された通路が耐えきれるか心配だからね。


「……行けッ!」


指先に浮いていた光の玉は、そのまま一気に加速し、通路を真っ直ぐ飛んでいった。
そしてわずか数秒後に爆発音がココにまで響き、辺りの機材を揺らした。

「……どうだ、かなめ?」
「ダメみたい、直線だったから命中はしたッポイんだけど…気配が消えて無いからまだ生きてる」

かと言ってこれ以上、威力をあげるのもねぇ…ココの通路がどれだけ頑丈なのかわかんないしさ。
しかし、ラジャニさんとこの魔導書に書かれていたこの魔法、結構完成系に近づいた筈だけど…
いまだに習得の音がならないなぁ……という事はどこかまだ完成して無いってとこなのかな?

一応魔導書に書かれていた内容だと、これで完成のハズなんだけど……。
むぅ、僕の魔法習得における手帳の基準が良くわかんないよ。

もしかして何かアレンジでも加えろとでも言うのだろうか?
いっその事属性付けたり、カマイタチみたいに斬撃出来る様にしてみようかな?
それともあえて趣向を変えて、回復効果を追加したりとか?

ふぅ、考えていても仕方ないか…
今のところ遠距離ならマニュアルで十分使えるから問題ないしね。
使っている内になんとかなるでしょウン。

「さてと、しかたねぇから直接叩きつぶしに行くしかねぇか」
「そうみたい、準備だけはしておこう」

紅は剣を鞘から抜き、僕もIT(イマジンツール)で盾と短めの剣を生成して装備する。
そして、そのまま薄暗くてどこか不気味な感じがする通路の奥に向かっていった。

***

「うわぁ…イヤ確かにココは錬金術師の屋敷だけどさぁ…何であんな魔獣が居るのさ」
「俺に聞くな!つーか動け!!」

ドンドン奥に進んでいき、道幅が5mくらいになった辺りに、その魔獣はいた。
頭は獅子、胴は山羊、尾は蛇で、ライオンの頭の両サイドにこれまた山羊の頭が付属した――――

「合成獣…キマイラか…よっぽどココの以前の所有者は優秀な錬金術師だったみたいだね」

RPGでも良く敵キャラとして登場するモンスター…キマイラがそこに居た。
――――というか今現在進行形で襲われてます。ライブでピンチですハイ。

「ぬぅ、なんつー毛皮してやがんだ!堅くて中まで刃が通らねぇ!!」
「くっ!まぁグレネードに耐えられる身体は伊達じゃないか!!」

金剛石…とまではいかないモノの、その毛は大分堅いらしく、ミスリス製の剣ですら弾いてしまう。
一応先ほどのグレネードみたいな魔力球による攻撃で、傷つけてはいたモノの致命傷とは程遠い。

そして何よりもキマイラは素早く動き回り、重たい一撃を放っては引いて行くを繰り返す。
所謂ヒット&アウェイってヤツで単純な戦法だけど、キマイラの持つパワーはその戦法を必殺に変えていた。

「グルルルル…」
「なんだ?いきなり後退していく…?」

キマイラは先ほどから行っている一撃離脱戦法よりも遠くに後退した。
おかしい、何で下がるんだろう?いきなりの奇行に戸惑いを見せてしまう。

そんな事はお構いなしに、キマイラは大きく息を吸い込み始めた。
う~ん?さがって息を吸い込む?……………あ!

「紅!さがれ!!」
「ぐ…!」

奴の意図に気付いた僕がそう言うか早いか、キマイラの口から火炎が伸び紅を覆い尽くす。
かなりの火力があるらしく、床に転がっていたビーカーが飴細工のように解けるほどだった。

「―――っ!?べ、紅?」

燃えてゆく人影…ま、まさかホントに?――――思わずそう思ったけど…。

「や、やばかったぁ~」
「無事だった!!よかったぁぁ~。」

何とか回避できたらしい。少しだけやけどを負っているけど軽傷だし、後で魔法で回復出来る。
燃えていたのは良く見ると、この旅に来る前に紅に渡した外套だった。
どうやら、あの火炎を避ける際に邪魔だったので脱ぎ捨てたらしい。

「ケッ!安モンだったけど、勿体ねぇ事しやがって!」
「いや紅が無事だったからいいよ…うん。」

一瞬本当に燃やされちゃったんじゃないかって思っちゃったよ本当。
しかし、この火炎は強力だ…奴さんパワーも紅と同程度、もしくは上。
おまけに速さもかなりある……一人だったら危なかったかも知んない。

「紅、あの火炎に燃やされる前に倒すよ」
「応!」

でも、こっちは2人…単純計算でも負けはしない!……と思う。
キマイラと再び対峙する僕達、僕は紅の前に出ると彼女に話しかける。

「紅、今度は僕がひきつけるよ」
「……出来んのか?」
「おいおい、僕だって戦えるよ?兎に角引き付けておくからその間に頼むよ?」
「わぁった…すぐに終わらせてやるさ」

簡単に、お互いがそれぞれどう動くかを確認し、それを行動に移す。
わずか十数秒の作戦会議、それでもお互いにどう動けばいいかなんて感覚で解っている。

「さぁ、来いよバケモン!肉塊に変えてやるからよ」
「うわぁ…紅怖い」
「なッ!相手にコウジョウを述べるのは、作法だろうが!」
「ソレは口上じゃなくて挑発だよ?というかどこで身に付けたの?そんな知識」

軽口をたたきながらも、目線はそらさず油断せず…
この身体は…目の前の敵を倒す事だけを考え、全力をもって行動する。
先ほどからこちらの行動を伺っていたキマイラも、紅の挑発に乗ったのか唸り声をあげた。
それを合図に僕は盾を構えて、そのままキマイラへ真っ直ぐ、突っ込んだ。

「ぜぁぁぁーーーッ!!!」

それに反応して、キマイラも僕の頭ほどのサイズがあるその掌で叩きつぶそうとする。
だが、こちらとてソレを甘んじて受ける訳にもいかない。

「IT大盾!」

以前、ギガースにやった様に、キマイラの攻撃の瞬間、目の前に大盾を展開した。
空中に固定された大盾に攻撃を止められ、動きが停まったキマイラの懐に素早く潜り込む!

「のびろぉ!!」

そしてそのまま、手にしていた短かめの剣に魔力を送り、ゼロ距離で一気に剣のリーチを伸ばす。
剣は比較的軟らかい腹に突き刺さり、ダメージを与える事に成功した。

「ぐるぉぉぉ!!」
「ひやッ!あとは頼んだよッ!!」

そう言ってキマイラが攻撃する前に、身体能力をフル活用して、その場から離脱した。
そして紅が跳びあがり、キマイラの背中に斬撃を繰り出した!!……だが。

「キャッ!」
「紅っ!!」

紅の進行方向に突如として現れた尾っぽに“噛みつかれた”のだ!
そう、キマイラは合成獣の名が表す通り、複数の生き物が合成されている。
尾っぽの方も例外では無く、大蛇で出来ていたのだ。

大蛇に噛まれた紅は、あまりの激痛に顔を歪ませた。
そして大蛇はそのまま紅をこちらへと投げ捨てた。
僕は彼女が床に衝突する寸前に、何とかキャッチする事に成功した。

「紅ッ!おいッ大丈夫なの!?」
「……クソイテェぞ…こん畜生が」

見れば尻尾の蛇にかまれた辺りが、どす黒く変色している。
毒蛇だったのか、あの蛇は…。

「紅、あんまり動かないでよ?毒が回っちゃうから!!」
「わあってる…」

本当ならキュアウィンドでもかけて治療したいところなんだけど…

「ぐるるる―――」

どうにも、逃がしては貰えないッポイよねぇ…どうするよ僕?

「―――ッ…IT(イマジンツール)大盾(ビッグシールド)

とりあえず、僕達を覆う様にシールドを展開して時間を稼ぐ事にした。
そして、シールドが攻撃を防いでいる間に紅に魔法をかけようと思ったんだけど…。
予想外にキマイラの力が強くて、集中していないといつ破られるか解らない。
マズイ…コレはまずいよ…このままじゃヤバい…どうする?

「おい…かなめ」
「なに?今ちょっと話しかけられると辛いんだけど…」

もうね、ガンガン殴ってくんの…魔力を多めに送って壊れない様にするので精いっぱいなんよ?

「いいから聞け…俺が囮になるからその間に倒せ」
「……冗談はやめて欲しいな紅、死ぬ気なの?」

この状況でソレは本当に笑えないよ紅。

「ちげぇよ…一応まだ身体が動くからな。このまま俺が毒で死ぬ前にとっとと倒しちまおうぜ?」
「いやでも…」
「生憎だけどよぉ…しぶってる時間は無いんだぜ?」

じーとこちらを見つめる紅……解った。

「解った…でも紅囮はいいから逃げてくれない?」
「そいつはできねぇ…俺達はいつも一緒…だろ?」
「言うと思ったよ――――5数えたら守りを解く、合わせて」
「―――応」

今だ続くキマイラの攻撃、解いた途端どうなるかわかんないけど…でもかけてみよう

「5、」
うわっ少しヒビが入って来た!?

「4、」
ぐぬぬぬぬ…もうちょっとだけ持ってぇ~!!

「3、」
い、以外と5秒って長い!?

「2、」
あと少し!あと少し!

「「1ッ!≪バリン≫あ!!」」


―――――いざ解除しようと思ったその瞬間、ガラスが砕ける様な音と共にシールドが破られた。


僕は咄嗟に紅をかばい―――――この世界にきて初めての激痛が身体を駆け巡る。
その衝撃で、僕は通路の壁に激突し、その壁をぶち抜いて部屋みたいなところに叩きこまれた。

その部屋は何かの保管庫らしく、巨大な試験管が所狭しと並んでいる部屋だった。
だが、こちらはそれどころでは無い。

「ぎ…あ」

息をするだけで走る激痛…さっきので肋骨をやられたっぽい。
おまけにどうやら背中を爪で抉らている…意外と冷静なのは戦う事に慣れたからなのかな?

キマイラはどうやら一番厄介な僕に狙いを定めた様で、壁を壊してゆっくりこっちに迫ってくる。
僕は動きたいのに身体が動いてくれない……そして何よりも痛かった。
意識がもうろうとしていき、徐々に瞼が重くなっていった。



そして、頭の中……いや身体の中から声が聞こえてきた。



―――――いたい…



痛い



―――――イタイ?



カラダが冷たくなる?シヌの?



――――――こんなトコロで?



嫌だ…イヤだ…イヤダ。



イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ……。



まだ…死にたく…ないよぉ…。



『お前は…死にたくない…のか?』



誰かの声がする…ウン、死にたく…ない。



『じゃあ…契約するか?ちょうど暇だった』



いいよ…死なないなら…でも君…誰?



『私か?私は―――――』



――――――痛みの中で誰かの声を来たような気がした…。
その途端現実に引き戻される…どうやら一瞬意識が飛んでいたらしい。
だが、目の前には厳しい現実が絶望を届けに来るところだった。

―――――迫りくるキマイラの爪…流石にもうダメだと頭では理解した…。
だがその瞬間、死にたくないと心が叫んだ…そして望んだ―――。


「死にたく…ない」


途端、膨大な魔力が身体から溢れだしていく…。

痛みの中で、理性も思考も定まらないモノの…

まるで一番最初にこの世界に来た時のように…。

頭の中に…スペルが響いた…。




「召喚…」




その瞬間、僕の意識は完全に光に飲み込まれた…。











【ピロリン♪new魔法、召喚を覚えました】




・ども作者のQOLです。
何時の間にかお気に入りに90件も登録されていて嬉しい限りです。
さて、今回はなんか最強君のテンプレらしくなりました。
一度はやってみたかったシュチュなんですよねコレ。
ではまた次回に会いましょう。作者からでした。


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