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黒猫のタンゴ
作:池田コント



第7回:魔女の集会


 土曜にユーワとタンゴは集会に行った。

 毎週土曜は魔女が集まる日だというのは昔から言われていることである。
 それは現代でも情報交換や交流の場として残っていた。
 もっとも魔女の集会と聞いて多くの人が思い描くような、かつて黒魔女が行っていたような色欲に満ちた淫猥なサバトは影も形もなく、今の集会と言えば最寄の公共施設にお茶菓子を持ち寄ってかしましく歓談するといったもの。
 だから、タンゴは素直に集会の日はつまり、美味しいケーキが食べられる日だと喜んでいた。

 B級魔女のパメラおばさんはお菓子作りが得意だ。
 フランスでお菓子作りを学んだことがあるらしく、その腕は近隣の魔女がみんな認めるほど。ユーワもなんどかお菓子作りを教えてもらったことがある。
 タンゴがパメラのチョコレートケーキに見境なくかぶりついていると、先輩ネコの一匹が声をかけてきた。
 嫌なやつにみつかった、と思った。
 あまりケーキばかりを食べていると、ユーワにたしなめられてしまう。パメラさんと話に夢中になっている今が絶好のチャンスだ。と、そう思っていた時だったからタンゴはあまりケーキから口を離したくなかった。けれど、その先輩ネコは特別偉いネコだったからタンゴはケーキが逃げやしないか意識しながら振りむいた。無視したいのは本当はそんな理由じゃないけれど。

「やぁやぁ、薄黒いタンゴ。偽黒タンゴ。元気だったかい」

 毛が芯から真っ黒な烏ネコのジェラスだ。
 使い魔は黒いほど良い、というのはネコの間では常識で、ジェラスは自分の毛色が真っ黒なものだから、それをことあるごとに口に出す。
 腹の中まで真っ黒いとこの辺のネコ達には言われているけど、この辺で一番偉い魔女のグローリアの使い魔だからみんな気をつかって本人には言わないでいるのだ。

「やぁ、ジェラス」
 タンゴはジェラスが苦手だった。
 というのも、ジェラスが生粋の烏ネコで、しかも口が悪いからだ。
 そんなジェラスに、タンゴは日本にやってきて早々目をつけられてしまって、ジェラスはことあるごとにタンゴに話しかけに来た。












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