日々、テレビや新聞などから情報を得る今日この頃、
豊かであろう先進国でさえ、なぜ争いが絶えないのだろう、
本当に世界中の人々が幸せになる日は来るのだろうか、
ボランティア活動や宗教活動を広めた所で世界はたいして変わらない、
ましてや宗教戦争まである位だ。
一部の人が幸せになる為に多くの人が犠牲をこうむる。
私はもうこんな世界は見たくない。
今、私は決心した
「世界中を幸せに」
そう決心したのは今から10年前だ。
それからと言うものあらゆる方法を模索する日々が続いた。
しかし、なかなか行動には移せず現在、歴史の教師をしている。
ある日、生徒が私に質問してきた
「先生、歴史の中には革命や戦争、事件なんかしか出て来ませんよね」
「そうだな、何も無かった時期は歴史に書き残す事は無いからな」
「でも、世界に1つ位この国は法律も権力も無いけど、みんな幸せに
暮らしています、見たいな国はどうして無いんでしょう」
むかし、私が考えていた様な事を考える子だな。
「それは、人は幸せを手に入れると回りが見えなくなるからだよ、
幸せな人と言うのは誰かに支えられて幸せでいる事が出来る」
「自分一人では幸せになれないのですか。」
「もちろんだ、もし仲の良い家族だけで出来た国家があったとしよう、
その国では、一切、輸入に頼らず、衣食住さらに資源まで採れたとしよう
その国は末永く繁栄すると思うかね」
「もちろん、皆知り合いでその人の為に働くのですから」
「それが無理なんだ現代人のDNAを調べると20万年前の一人の女性にたどり着く
らしい、他の原人から進化した人もいるだろうが、必ずここ20万年の間に
この女性の子孫のDNAが混じっている、すなわち人=家族なんだよ」
「じゃあ、子孫を増やさなかったらいいんですよね」
「でもいつか死ぬだろ、そうすると悲しいしどんどん仕事も増えていく」
「じゃ永遠に幸せな国なんか作れないじゃないですか」
「そうだな、所詮人は人の為の事しか考えられん、この問題を解くには
人類以外の未知のテクノロジーが必要だな」
「でも、僕あきらめませんから」
最近の生徒にして見れば珍しい、まあ挫折する事無く頑張ってほしいな。
私の最近の見解はこうだ。
マウスの飼育をしているとよく解る。
閉鎖空間で飼育を始める、マウスは餌を食べ水を飲み繁殖する。
これが、この世界の全てだ、子孫を残す事が生きる意味なのだ。
そして数は増え続ける。やがて密度が臨界点に達すると喧嘩が始まり
強い物だけが生き残り、また子孫を増やす。
こうして見ると人間はマウス以下だ、憎しみや恨みの感情がある分
必要以上に自分を大事にしてしまう。
そして悪賢い人だけが権力を持つ、このままだと人類が滅びるのもそう遠く無い。
考えるだけ馬鹿らしい、私は小さな幸せを手に入れ、ささやかにくらそう。
学校帰り山道を快適に車で下る。
今日も平凡な一日だったな、まあこれが幸せか。
あれ!一瞬前に光る物が
「あ!車!あぶない….」
あれ、助かったのか、なぜか道路の上に座っているんだ。
「まさかここが天国じゃ無いよな、いつもの帰り道だし」
突然、空から音も無く黒い物体が
「UFOか」
何らかの重力に反発する力で吸い込まれる。
これはまずいな、でもさっきも相当まずかったはずだが、
もうどうしょうも無い、なる様になるか。
ついに中に入ってしまった。
見回すと、明らかに人類とはかけ離れた人が数人、日本人と思われる人が二人いる
男が話しかけてきた。
「残念ながらここは天国ではありません、見ての通り宇宙人の宇宙船の中です」
「私とした事が、頭がパニックになってしまって」
「解ります、私は人間でここにいる宇宙人も危害は加えないので安心して下さい」
「落ち着く様、努力します」
「ゆっくり話していきますね」
「お願いします」
「ここは、あなたの居た所とそっくりですが違う世界です」
「違う世界って」
「まず、彼らは未知と言う意味のUnknown略してUNと呼んでいます
彼らに言語は無いので意思の疎通は彼らの道具を使いイメージでおこないます
そしてこの世界はUNが作り出した多次元宇宙やら分岐宇宙と言ったもう一つの
世界らしいんです、私も気が付いたらここにいました」
「それでは彼らUNは全宇宙すら作ってしまう技術を持っていると」
「そうなのです私もしばらく信じられませんでした、そして私の様にこの世界に
来た人が世界中にいます、UNにして見れば世界制服などまるで意味を持たない」
「それでは何の為にここに」
「ここは実験施設にすぎません、発展途上惑星である地球人を絶滅させない為に
あらゆる実験やシュミレーションを行う所なのです」
「なんの為に、彼らUNに見返りは」
「UNによると、この150光年足らずの宇宙の外には大宇宙がありさらに、
その外も有るらしいのです、そして彼らと同じ宇宙に生まれた地球人は
彼らと同じ元素から出来ていると、すなわち家族だと言うのです」
「家族だから絶滅しない様に助けに来たと」
まったく、スケールと言うか次元が違いすぎる。
本当なら、まさに神様以上の存在だな、やはり人間では絶滅しても、
そんな事すら考えられんだろうな。
「その通りです、しかし今の人類のDNA情報では何度シュミレーションしても
上手くいかない、全人類のDNA情報を書き換える事は簡単らしいのですが、
それでは自然に逆らうと言うのです、あくまでも今のままで新たなテクノロジー
を人類が発見したかの様に植え付け、進化させるのが望ましいと言うのです」
「それでは、最近の実験結果は」
「人類にDNAを完全解明させ実現させる不老不死です」
「それで結果は」
「まず人類はあらゆる病気や怪我が完治出来るようになり、次にアポトーシス、自滅細胞
を無くし老いる事無く生き続け、記憶を外部記憶装置に常にリンクする様になり
一のDNAから完全なるもとの個人に戻す事が可能となります」
「完全に死が無くなるのですね」
「そうです、そして人口制限しますが、新たに新天地を宇宙に向け増殖し続けます
多くの惑星は資源を食い尽くされ、他の惑星の生命体にも侵略を加え、遊びで
発展途上惑星の生命体をハンティングする者も出てきます、そうです
不老不死プロジェクトは失敗です」
「人類は死なない事をいい事に暴力武人ぶりを発揮するのですね」
「その通りです、確かに人類は幸せになります、ですが人は何かの上に立つ
と言う事で自分の存在意義を得て幸せを実感するのです」
「皆が幸せだと自分の幸せにも気が付かないのですね」
「全ての実験がこれと同じような結果になりました」
「もはや、人類に生存し続ける術はないと」
「いや、最新の実験結果だけはかなり満足のいく結果が出ました、しかし」
「しかしとは」
「それは、地球に向けて人類より少し技術レベルの高い生命体に侵略させる事です」
「人類と宇宙人を戦わせる、何て事を」
「疑問は解ります、結果、人類は戦闘種族なのです、戦う事により幸せをえる、そう言う
進化をとげ今に至ります、人類は今までに無い共通の敵に遭遇することになり、
内戦、戦争、テロ、喧嘩、あらゆる争いが無くなります、生き残るために
皆が歴史上初めて協力するのです、そしてわずかに残った人類は生存し続ける」
「なんて事だ!我々は歴史上、争う事により発展して来た、しかしそれを維持
する為にには争い続けなければならない」
「しかたありません、これがこの世界にいる我々管理者の役目なのですから」
「私は認めん、元の世界へ返してくれ、お願いだ」
「ここにいるほうが幸せだと思いますが、全てを知ってしまった今では」
「それでもいい、苦しくてもいい帰りたい」
「解りました、ここでの記憶はどうします、消せますが、消さずに人に話すと
精神がおかしいと誤解を受けたりすることも、もっとも苦痛な人生を歩む事に
なりかねません、あなたの判断で」
「記憶はこのままで、この事は誰にも話しません、この事を踏まえた上で
私の生徒たちに、人はどう生きるべきか真実を教えて生きたいのです」
「解りました、我々は強制しません、あなたが少しでも世界を変えられたら
我々も最悪の事態の時まで行動を起こしません、あなたの生徒に世界を変える
人材が生まれるといいですね」
「精一杯生きて見せます」
なんだ、この感じは、今まで寝ていたのか、
あたりは真っ白だ。何処だここ
あれ、体が重い、夢、現実
誰か近づいてくる。
妻だ!なにをそんなに驚いている、間抜けな顔するなよ
後で聞いた話した私は交通事故で2週間意識不明だったらしい
自分では3時間ほど寝ていただけに思えたが。
妻にとっては私の目覚めが、人生でもっとも幸せだったとか。
今では、数ヶ月入院して退院後、また教師の仕事に復帰した。
今までとは、歴史の意味する所の解釈が全く違う。
歴史は繰り返す、しかしその中には必ず幸せがあると
そう信じ、新たに若者を戦場へと送り出す。
私は信じる、皆が幸せを求めると、必ず実現できると。
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