慧眼
※7月12日改訂
※※※※の先にエロいシーンがあります
ネザードと奴隷のアマリがチョメってるだけなので苦手な方はスルーお願いします。
ネザートはとある報告を受け、歩いていた。
ファリが盗賊に破れて逃げ帰ったらしい。
小娘が余計な事をしたものだ。これは大きな問題になる。
あの娘は自分が、戦人が、この国の民にとって、どれほど大きな存在か。いまいち良く理解出来ていない節があるようだ。
たかが盗賊に国家の要が破れたのだ。
この国にとってはゆゆしき事態と言えた。
ネザードは目を細めた。
そろそろ潮時か。
ネザードは王が居る謁見の間を訪れた。
「やれやれ、上手くやられているようだな」
「ね、ネザード!どういうことだ??」
ネザードは酷く冷めた目で目の前に居る男を見つめた。
愚かしい男だ。王の威厳はどこにもない。
ただ、痩せ老いていながら、目には異様な光を灯している。
邪悪な執念を感じる。
それがせめてまともに見れる部分か。
「ネ、ネザード」
「ご安心ください。順調です。王よ」
ネザードの男は憤った。
「ふざけるな!何が順調だ!!聖人を2人抱えているとはいえ、我が方は戦人や魔人を含めて5人以上の数がいた。あの蛇人を動かせた!それでこの体たらくは何だ!!」
しかし、こっちは順調なのだ。
お前たちの事など知らぬさ。
ネザードは笑みを浮かべると言った。
「いやいや、聖団に50を越える祝福者がいるのですよ?その気になれば、10や20ぐらいをこの国に動員するぐらいは訳が無いでしょう。このぐらいは当然想定内です」
想定通りに負けかけている。
この国が大国に勝てる目など最初からないのだ。
ネザードの言葉をどういう風に解釈したのか王は笑みを浮かべた。
「そ、そうか!大丈夫なのだな!」
「ええ」
ネザードはそう言った後で小さく呟いた。
「例の物が完成しました」
「なんだと」
王のさっきまでの不安げな様子が一変した。
目が血走り、ぎらぎらと輝いている。
異常な固着、妄執。
この男が唯一望んでいること。
不老不死の法。
「そうです。これで貴方は永遠の命と神に等しき力を得ます」
「ふ、ふひひ!よ、ようやく余が神に!神に!!」
神などと大それた男だ。
永遠にその愚かしさを振りまきたいらしい。
ネザードは侮蔑をたっぷりと塗り込んだ笑みを浮かべると王に囁いた。
「ええ、直ぐに処置に入りましょう。偉大な王よ」
「ふひ、ひひ、ついに、ついに!」
異様な喜びを示す王の前でネザートは笑った。
この愚かな男も最後に良い余興になりそうだ。
◇◇◇◇◇
謁見の間を退出したネザードは自室に戻ると自らの奴隷を呼びつけた。
「アマリ、きなさい」
「はい、ここに」
ネザードは自らの奴隷に笑いかけた。
「海人に例の件の話をお願いします」
「はい」
それぐらいのお返しは良いだろう。
さて、彼はどう対応するだろうか。
「それと並行してお引っ越しの準備をしましょう」
「この国をお見捨てになるのですか?」
面白いことを聞く。
ネザードはアマリの顔を見た。
その表情はいつもの無表情に見える。
「戦いと言う物は勝つときに戦うから勝てるのです。今の状況では彼は未知数過ぎる」
「そうですか」
わずかに残念な声音に聞こえた。
その言葉にネザードはアマリに近づくと囁いた。
「まるで私が戦い、敗れないことが残念な様ですね?アマリ?」
ネザードの言葉にアマリの体が一瞬、緊張した。
おそらくはネザードにしか分からないであろうその変化に思わず笑みがこぼれる。
実に可愛い反応をする奴隷の少女だ。
ネザードは笑みを浮かべると言った。
「後で部屋に来なさい。アマリ」
「・・・・・・はい」
◇◇◇◇◇
僕は忙しい仕事の合間に孤児院を訪れていた。
僕が姿を見せると一人の子供が飛び出してくる。
「パパだぁ♪」
その無邪気な声に僕は応じる。
「おう、元気にしてたか?」
僕(をパパだと勝手に思っている)の娘のミルカだ。
僕に懐いている孤児の子供。
「うん♪」
ミルカにはカウンセリングをかねて週一ぐらいは会いに来てる。
と言っても、お土産を渡して、一時間程度会話するだけだが。
「あのね、パパの絵をかいたの」
「おお、そうか。偉いなぁ」
紐人間の絵だ。
つか、ただの紐やん。
これが僕なのか。
・・・。だ、大丈夫。
子供の絵だもん。そういうこともある、ある。
ああ、なんて良い子なんだ!
僕はミルカの頭を撫でた。
なでなで。
「えへへ」
「え、と・・・ユノウスさん、そういう性格だったですか?」
「シスター黙れ」
「扱い酷いです・・・・・・」
こっちはストレスが溜まってるんだ。
幼女とか、ようじょとか、幼女とかな!
幼女で溜めた鬱憤は幼女で晴らす!
ふふふ。
「怖いです」
「ミルカは子供で可愛いなぁ」
僕がそう呟くと耳敏いシスターが言った。
「そうですか?意外に賢いですよ?ミルカちゃん」
なんだ。
邪魔しないでほしいなぁ。
「なに?シスターの心が病んでるからそういう風に見えるだけだろ」
「な、なんで、子供を誉めると心が病んでる事になるんですか。あ、あんまりです」
ミルカがそんなに賢いわけないだろ。
よし、動かぬ証拠をだな。
「パパ?」
「ちょっと、見せてね。ミルカ」
「なんか、発言が危ういですね」
やっぱり病んでるやん、このシスター。
そういう妄想をしすぎだ。
不健全妄想シスターめ。
良いか!僕は健全だ!ようじょに欲情したりはしない!!
いったぞ!いってやったぞ!!
「ふははは!!」
「なんで突然、笑い出すんですか!?」
「パパ、大丈夫?どこか痛いの?」
「は・・・だ、大丈夫、パパはせいじょうだよー」
危ない。危ない。
最近、自重が残念になってきた。
自重しよう。自重が大事だ。
自重がなきゃ駄目。うん。
と、とにかく。今は確認してみよう。
「サーチ」
「ほえ?」
ミルカのステータスを確認する。
LV1
生命力 32
精神力 9
筋力 4
速力 3
知力 2
魔力 8
な、なんだこの低スペックは。
風が吹けば消し飛ぶんじゃないか、これ?
見てて、もやもやする。ぞくぞくする。
我が子がピンチだ。
たいへん、はやく、はやくれべるあげないと・・・。
「どうしたの、パパ?」
「な、なんでもないよ」
というか知力2って低すぎだろ。
将来が不安だ。不安すぎる。
通信簿で電柱が並んでるのを目撃した親の気分だ。
こんなことで親の気持ちが分かるなんて。
僕はステータス画面を下げていく。
スキルは。
ん?
なんだこれ。
スキル「慧眼」:物事の真贋を見抜く瞳。
・・・。
物事の本質を見抜く??
どういう意味だ?
「なぁ、ミルカ。ミルカにはパパはどんな風に写ってるんだ?」
僕の質問にミルカは首を捻る。
ちょっと難しかったか。
「ん、んー、見たまんまだよ」
見たまんまか。
いや、どう見えているか
「そうだな。ちょっと例えて見て」
「んーんー」
ミルカは必死に言葉を絞り出した。
「んー、あのね。おとなのひとで、おかねもちで」
お、お金持ち。
ほほう。まずそこか。
「ちからがつよくて、あたまがすごくよくて」
「う、うん」
なんか、ステータスを見られてる系?
「たよったらまもってくれる?ような?」
お、おう。
そうか。よく分かっているような気がする。
僕は重ねて聞いた。
「パパはどうしてパパなの?」
「んー?パパはおかねもちで」
おい。
「ちょっと待った!」
「どうしたの?パパ??」
「ミルカ。パパはどうしてパパなんだい?」
「パパはパパだよ。ミルカを守ってくれるの!」
……。
なるほど。
つまり、パパ=保護者か。
あ、あれ?
これって。
僕、利用されてるっぽい?
ミルカのかしこさは低い。
本人はよく分かっていないようだが。
慧眼が教えてくれる情報を無意識に判断をしているようだ。
要するに僕の庇護下に入ることがあの時点でもっとも優位な選択肢だったから僕を機械的状況判断でパパに選んだ。
そういうことか。
・・・。
・・・ま、まぁ、良いか。
この子がどんな子に育つか若干不安だが。
別に僕も困らないし。
「パパ♪」
うん。
まぁ、子猫と一緒だな。
自己を愛玩動物にして庇護欲を誘う。
それで庇護を得る。
別に問題ない。
オール、クリアだ。
ミルカは保護者がほしい。
僕は癒しがほしい。
つまり、利害が一致している。
「ミルカたん、かわいいなぁ♪」
「えへへ、パパ♪」
僕の様子にシスターが白い目を向けている。
無視だ。
キャバクラようじょだって?
これは俺の娘だ!そうだ!的外れな批判は止せ!!
え、円光じゃないもん。
「そうそう、実はこの孤児院、移転するんです」
「ん?どこに??」
「はい、フィリア教団の新本部がべオルググラードに出来るのでそこに誘われているんです」
孤児院移転するのか。
「へー、そうかい」
ってことはミルカもうちに来るのか。
そうだな。
親として出来る限りの支援をしておくか。
「よーし、ミルカ。パパの知り合いの学校行くか」
「行くー」
よしよし。
撫で撫で。
アホな子の育成はユフィやユリアたちに任せよう。
まぁ、なんとかなるだろ。
たぶん。
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暗い部屋。
其処には私、アマリと主人であるネザードの二人だけだった。
「ふふ」
ネザードの口から笑みがこぼれた。
「脱ぎなさい」
そう命じられ、私は服を脱いだ。
白い肢体が冷たい外気に触れる。
ああ、寒い。
すぐに私は服が恋しくなった。
男は私に触れるとその手をゆっくりと動かした。
まるで舌で、舐めまわすように。
やがて、ソレは下に向かった。
「あ」
思わず小さく声が漏れる。
その反応に男は満足した様に目を細めた。
男の手は執拗に私を責める。
息が乱れる。
断続的な息切れの音が暗い部屋に微かに響いた。
私は、決して彼のことが好きではない。
好きでは無いがこういう行為を続けていて、一つわかったことがある。
所詮、人間も動物なのだ。
彼の行為に私の躯は反応し、白い肌は発汗し、はっきりと紅潮していく。
男は暫し、私の反応を悦しんでいたようだった。
私は男のなすがままに委ねている。
私は揺らぐ意識の中ですこしだけ、考えた。
この後、どうなるのか。
彼の気分次第では酷く暴力的に扱われるだろう。
それは望ましいことでは無い。
躯が何度か強く、跳ねた。
その反応に男は満足し、告げた。
「自分で開きなさい」
ああ。良かった。
どうやら、今日は優しい日らしい。
私が素直に従うと男の躯が私に覆い被さってきた。
◇◇◇◇◇
やがて、男が一回目を果たした。
同時に私は自分の雌の部分が深く熱く満たされるのを感じた。
まだ終わりではない。
夜は長いのだ。
それは執拗に行われる行為のたった一回目に過ぎない。
躯を離し、男が私の耳元で言った。
「さぁ、次の準備だ。きれいにしなさい」
その囁きに。
自虐的な暗い喜びを覚え、私の躯が微かに震えた。
「はい」
命じられるまま、私は頭を下げると男の躯の方へ、ゆっくりと顔を近づけた・・・・・・。