20☆あの方は蘭さんだった..
“私は組織のあの方“
蘭さんは、そう言っていた。
さりげなく私の目の前で・・・
そのたった一言で
すべてのものが信じられなくなった。
お姉ちゃんが亡くなって
私は何もかも失った。
そんな絶望的な私を
救ってくれたのは蘭さんの存在だった。
彼女はお姉ちゃんに似ている。
蘭さんといるとお姉ちゃんが
まだ生きているように見える。
お姉ちゃんが傍にいるような感じだった。
蘭さんはお姉ちゃんの代わり
お姉ちゃんのように
純白な心を持っていると思っていた。
しかしそれは、違っていた。
蘭さんは……
蘭さんは……“組織のあの方“
たった六文字のその言葉は
私は信じられなかった。
今自分はどうすればいいのか
わからない…。
声も出ない。
ただショックで硬直している。
これは現実だとは受け止められない・・・
いや…、受けとめたくない。
『運命から逃げるじゃねぇよ..』
ねぇ…‥工藤君
私、蘭さんが組織のあの方だという現実から
逃げているのかしら…‥
この真実は
受けとめなければいけないの?
私は真実を受け止めることが怖いの?
そりゃ蘭さんがあの方だなんて、
信じたくない。
でも、真実を受けとめなければ
一歩も前には進めないまま・・・
蘭さんと私は
組織のあの方と裏切り者の関係だった。
そんな2人が今こうして
話すことができるのは
運命かしら…。
そして蘭さんがあの方だという事実を
告白することも
最初から決まっていたんだ。
私が普通の生活で過ごした時から、
蘭さんはあの方だった。
その時からすでに私たちの運命は、
決まっていた・・・
蘭さんは泣いている。
なぜあなたが泣いているの?
私のほうが泣きたいわよ・・・
蘭さん…教えて
どうしてあなたはあの方なの?
どうしてお姉ちゃんを殺す人がいる組織なんて
作ったの・・・?
「どうして・・・」
途切れた声。
それは灰原の声だ。
「どうして・・・
蘭さんは組織を作ったの?
組織なんてなければ、お姉ちゃんは
ジンに殺されなかったのよ…。
私だって・・・・
こんな薬の研究を受け継がなくても
良かったのに・・・」
今の哀ちゃんは
私が知っているいつもの哀ちゃんじゃなかった。
あまりの悲しさに
冷静じゃなくなっていた。
これは哀ちゃんの本音だろう・・
ごめんね…‥哀ちゃんいや、志保ちゃん
今までつらい思いばかりさせてしまって・・・
長い間つらかったんだよね。
でも私が組織のあの方になったのは、
あの人が私を求めて
いたから..
私があの方になった理由
それは・・・
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