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ついにその姿を現したトップ2
その実力はいかほどか……?
と、予告風にいかせてもらいます(笑)
第9話「トップクラスからの誘い」
~SIDE:流菜~
「は、早くしないと遅れますよ!」
「ま、待ってください……流菜さん……!」
 現在、私たち二人は教室へ向かって全速力で走っています。
 本来ならこんなに急ぐほど、遅く寮から出る事はないのですが――昨夜の事件の所為で寝るのが遅くなり、その結果盛大に寝坊してしまい、現在の状況にいたるわけです。
「はぁはぁ……ところで一つ聞きたいことが……」
「何かしら?」
「あの……僕はこれからどうなるんでしょうか?」
 と、若十分心配そうな顔をして冥君が尋ねてきます。
 彼が心配している事――それは彼の姉が起こした事件、通称『メイド仮面事件』と呼ばれる事件で、夜な夜なその姉がメイド服に仮面を付けた格好でデュエルを行い、対戦相手が負けたらその対戦相手に惨い事を合わせるという内容でした。
 何が問題か? と言うと実はその姉と言うのが……冥に憑依した幽霊みたいな存在であり、彼女自身を処罰することがやり辛いからなのです。
 ならば憑依してある肉体、冥君自身を処罰そればいいかと言えばこちらも簡単にはいかない理由があるのです。
 その理由は、彼自身はこの事件の事を昨夜のカミングアウトまで何も知らず、さらに彼自身も被害者――被害にあった人達から酷いいじめを受けていた事実――である事も手伝い、こちらもなかなか一筋縄ではいかない事ではないのです。
「とりあえずは……しばらくは様子見ですね、一応こっちには先生もついているし、悪い事にはならないと思います」
 ですので、今のところはこの様な気休めの言葉しかかけられないのです。
「だと良いのですが……で流菜さん、前、前!」
 そう言われ、急いで前を振り向いた瞬間――
「えっ? あっ……!」
――廊下の角から突然現れた人物に正面からぶつかり、派手に尻餅をついてしまいました。
「……ッ! 大丈夫ですか?」
 その状態でも私はぶつかった人物――金髪のドリルツインテールにブルーの制服を着た女性――に気を使い、声をかけます。
「うん……大丈夫よ……心配ない……わ」
 そう言って、その女性はヨロヨロと足をふら付かせながら立ち上がっていきます。
 何か大丈夫じゃないと思うのは私の気のせいでしょうね……そう言わせてください!
「はぁはぁ……それより、早く教室に行かないと……遅刻するわよ……?」
 女性のほうは嘔吐しそうな口を必死に押さえながら言ってきます。
「そ、そうでした……早く行かないと……」
 目の前の衝撃的な出来事で忘れかけていましたが現在急がなければ確実に遅刻してしまうという状態です。
 気づいた瞬間、私は猛スピードで教室の方へとダッシュして行きます。
 ある程度女性との距離が開いた時、走りながら振り返り。
「あ、ありがとうございました……あのお体大事にしてくださいね」
 と、その女性に声を掛け、再び向きを直して走っていくのでした。

(ど、どうにか間に合いました……)
 あの後、私達が教室へ到着した丁度その時、授業開始のチャイムがなったのです。
 とりあえず遅刻する事態は免れた事にほっと胸をなでおろしますが幾分か落ち着きを取り戻したところでひとつの疑問が頭を過ぎります。
(あの人はいったい誰だったんでしょうか?)
 着ている制服からするとブルーであるのは間違えありません。
 しかし、ブルーが座っている席にはその人はおらず、欠席や早退だとしても廊下で出くわしてしまった説明には遠いです。
「え~、それでは今日の授業を始める――」
 と、私が悩んでいる内に出席確認を終えたのか壇上にいる教師――二階堂 高尾先生――は授業の開始を――
「――前に、今日は特別ゲストを呼んで来てある」
――告げる前に、その手が教室の隅の方に存在する小さな扉に向けられます。
 向けられた時、その扉が小さく開き中から一人の女性が現れてきました。
 その姿を見た瞬間、驚きで口を開いて叫びそうになります。
 なぜならその姿は――廊下でぶつかった女性その人なのです。
「こちらはこの学園のトップ2の霧島きりしま ゆかりだ」
 私が驚きで身を固めている間にも二階堂先生は言葉を続けていきます。
「彼女は体が弱いため、外に長く出ることはできず普段は寮内の自室で通信教育を行っている――そんな彼女だが今日はわざわざこの教室まで出向いている、その理由は霧島、説明をよろしく頼む」
 ここで先生の言葉が一旦途切れ、代わりに霧島さんの口が開かれます。
「おっほん……今日、私が……ここに出向いた理由……それは――」
 今にも息が切れそうな声ですが、それでも静かに霧島さんは言葉を続けていきます。
「――今回の実技の相手は……この私が……務めさせていただく……からよ……ゴホッ、ゴホッ!」
 激しく咳きこもると一旦その言葉が途切れ、同時に一斉にして教室内が騒がしくなります。
 教室内がここまで騒がしくなる理由としてはなんとなくですが、トップ2である――それも病気がちであまり教室には来れない――霧島さんとデュエル出来るというのは貴重な経験であり、是が非にでもデュエルをしたいという思いが強いんでしょう。
 かく言う私もチャンスがあれば是非デュエルをしたいと思っていました。
 そう考えていた矢先、調子を取り戻した彼女の口が開かれます。
「言い忘れていたけど……対戦相手はもう決めているわ……その相手は――」
 そう言ってゆっくりと指を上げ――
「――オシリスレッドの……小原 流菜……あなたがその……対戦相手よ」
――その指を私に向けて、指名してきたのでした。
「は、はい……がんばらせていただきます!」
 突然の事でしどろもどろになりつつも、それでも元気よく大きな声で返事を返します。
「よろしい……後で……デュエルスペースに来て頂戴……全力で相手になってあげるから……」

――っと言う事で現在私はデュエルスペースの方まで移動していますが……
(うう~、久々に緊張してきたかも……)
 今更ながらトップ2からの指名に若干ながらプレッシャーを感じてきます。
 なぜなら、私は実力がある方とはいえ現在はオシリスレッド、オベリスクブルーのそれもトップクラスに名を連ねる霧島さんに指名されるなんて夢のまた夢(詩音さんの時は水無月先生からの勧めが大きかったので除外)、本来ならありえない状況です。
 しかし、実際にはこうやって指名され今まさにデュエルをすることになったのです。
 私としては本来は嬉しいはずなのですが、反面もしも私のデュエルで失望させてしまったりしたらレッドの皆様に迷惑をかけてしまうのでは? と言う心配をしてしまいます。
(恥ずかしい試合をするわけにもいかないし……かといって手を抜いて戦うと相手には失礼ですし)
『何を考えているのよ~、マスター』
 悩んでいる私の隣から声――私の精霊・ライナ――がします。
「今日の試合――霧島さんからの――の事よ……」
『まさか、また心配事?』
「うん……そのまさかよ……」
 そう言いながら、少ししょんぼりした様な表情を浮かべながら答えてしまいます。
 私のその態度に少々癪に触ったのか顔をぷっくりと膨らませながらライナが興奮気味に言ってきます。
『むう~、マスターは心配性なのです! こう言う時は当たって砕けろ、玉砕精神なのです!』
「(……玉砕はだめでしょう)……うん、そうねウジウジなんてしていられません」
『そう、そのいきです! マスター、行きましょう!』

「来たようね……準備、できてるわよ……」
 デュエルスペースにいたのは、すでにデュエルディスクをその腕につけて、やる気十分な霧島さんの姿がありました。
「私もバッチリです! すぐに始めましょう」
「(何か少しハッスルしてるわね……うらやましい)それじゃあ……デュエルスタートよ……」

「先攻は私のターンね……ドロー!」
 そう言って私はデッキから一枚カードをドローします。
「私はカード一枚を裏守備表示でセット、さらにカードを2枚セットしてターンエンドです」
 特に最初のターンなのでこれと言った行動はせずにそのまま、ターンエンドの宣言をします。

「私のターン……ドロー……」
 私がエンド宣言を行うと同時に霧島さんのターンに移り、ゆっくりと落ち着いた動作でカードを引いていきます。
「私は手札から『召喚僧サモンプリースト』を召喚……このカードは召喚時に守備表示になります……」
 彼女の場に呼び出されたのは紺色のローブを身に纏った一人の僧侶です。
「そして効果を使用……手札から魔法カードを一枚墓地に送ることでデッキからレベル4のモンスターを一体特殊召喚します……私は手札から『マジックブラスト』を墓地に送り、デッキから『王立魔法図書館』を守備表示で特殊召喚します……」
 次に現れたのは紫色のローブを身に纏った魔法使いの団体です。
「続けます……私はフィールド魔法『魔法都市 エンデュミオン』を発動……魔法が発動されたことにより『王立魔法図書館』に一つ魔力カウンターを乗せるわ」
王立:0→1
 そして霧島さんがフィールド魔法を発動させると周りの風景――様々な本が所狭しと立ち並ぶ魔本の城――に変わります。
「そして手札から『トゥーンのもくじ』を発動……このカードはデッキから『トゥーン』と名のつくカード手札に加えることができる……私は『トゥーンのもくじ』を手札に加えます……また魔法カードが発動したので『王立魔法図書館』と『魔法都市 エンデュミオン』に魔力カウンターを乗せる」
王立:1→2 都市:0→1
「さらに手札に加えた『トゥーンのもくじ』を使用……『トゥーンのもくじ』を手札に加えます……そしてこれにより2枚に魔力カウンターを乗せる」
王立:2→3 都市:1→2
「『王立魔法図書館』の効果を使用……このカードに乗っている魔力カウンターを3個取り除きカード一枚をドローします」
王立:3→0 都市:2
「さらに手札から『トゥーンのもくじ』を使用……これにより『トゥーン・ヂェミナイエルフ』を手札に加えます……そして二枚に魔力カウンターが乗ります」
王立:0→1 都市:2→3
「魔力カウンターを取り除く効果を使用するときこのカードに乗っている魔力カウンターを代わりに使用できるわ……この効果により『王立魔法図書館』の効果を肩代わりして魔力カウンターを3つ取り除き1枚ドロー」
王立:1 都市:3→0
「さらに手札から魔法カード『魔力掌握』の効果を発動……自分のフィールド上の魔力カウンターを乗せることができるカードに魔力カウンターを一つ乗せます……私は『王立魔法図書館』に魔力カウンターを一つ乗せ……その後同名カードをデッキから手札に加えるわ……ここで魔法カードが発動したので2枚に魔力カウンターを一つ乗せます」
王立:1→2→3 都市:1→2
「そして『王立魔法図書館』の効果で一枚ドロー……私は手札を一枚伏せてターンエンドです」
王立:3→0 都市:2

流菜 LP4000 手札3
モンスター:???(裏守備)
魔法・罠:???(伏せ)×2

霧島 LP4000 手札5
モンスター:サモンプリースト(DEF:1600) 王立(DEF:2000)
魔法・罠:???(伏せ)

「私のターン……ドロー!」
(やっぱりトップ2だけあってかなり手強いです……)
 先程のターン霧島さんは2体のモンスターを召喚し、それだけではなく驚異的なドローで気が付けば手札が5枚と言う状態に持っていきました。
 手札の数が多いと言う事はそれだけで取れる戦術の幅が広がると言うもので、すごいプレッシャーが掛かってきます。
(一筋縄でいきそうにありませんね)
「私は伏せてある2枚のカードを発動――一つ目は永続罠『精霊術「和」』です――これは場に「霊使い」と名の付くモンスターがいる時、そのモンスターは戦闘で破壊されず、さらに同じ属性でレベル2以下のモンスターを1ターンに一度だけ特殊召喚できます」
 ですがここで引く様なやわな精神はこれっぽっちもあらず。
「二つ目は永続罠『霊術結界』でこのカードが場にある限り召喚に成功したリバースモンスターのリバース効果はそのまま発動できます」
 逆にそれをどう攻略していこうかと意気込んでしまいます。
「私は伏せてあるモンスター――『光霊使い ライナ』――を攻撃表示に変更します」
『やっと出番が参りましたよ~! マスター!』
 私のフィールドに精霊であるライナが元気の良い声をあげながら現れます。
「ここで『光霊使い ライナ』のリバース効果を発動、あなたの場の光属性モンスター――ここでは『王立魔法図書館』のコントロールを得ます」
 と、ライナが何やら呪文を唱えると彼女の場にいた『王立魔法図書館』が私の場に移動していきます。
「さらに永続罠『精霊術「和」』の効果を発動しデッキから『精霊の欠片』を守備表示で特殊召喚します」
 今度はモコモコした毛で覆われた光輝く可愛らしい生物が現れます。
「さらに手札から『闇霊使い ダルク』を召喚します」
『やれやれ……やっと僕の出番か……』
 そして次に現れたのは暗めの印象を受ける少年――ダルク――が召喚されます。
「ここで永続罠『霊術結界』の効果でダルクのリバース効果を発動! あなたの場の『召喚僧 サモンプリースト』のコントロールを得ます」
 現れたダルクはライナと同じ様な呪文を唱えると彼女の場にいたはずの『召喚僧 サモンプリースト』は私の場に移動していきます。
「そして、手札から『融合』を発動! 私の場のライナと光属性の『王立魔法図書館』を融合!」
 手札から発動した融合により次元の渦が巻き起こりそれにライナと『王立魔法図書館』が飲み込まれ――
「私の場に『光霊騎士(こうれいきし) ライナ』を融合召喚!」
――代わりに背中から白い羽を生やし、白銀の鎧にその身に身を包み、手には杖の代わりにレイピアを装備した騎士――ライナ――がその姿を現します。
「魔法カードを発動したので……『魔法都市 エンディミオン』に……魔力カウンターを一つ乗せるわわ……」
都市:1→2
「続けます、私は『光霊使い ライナ』で直接攻撃!」
『いっけ~!』
 ライナはその手にしたレイピアで霧島さんに鋭い一閃を加えます。
「くっ……!」
 霧島:LP4000→1500
 一瞬ダメージを受けたことにより霧島さんの体勢が崩れていきます。
「まだです、今度はダルクで直接攻撃です」
『追撃させてもらうよ……』
 そこにダルクが彼の使い魔――D・ナポレオン――を飛ばして攻撃を加えます。
「……やるね」
霧島:LP1500→1000
 ダメージは微々たるものですがそれでもライフポイントの差を広げることに貢献してるのでよしとしましょう。
「最後にカードを一枚伏せてターンエンドです」

「私のターンね……」
 と、彼女のターンに回った瞬間、人の悪そうな笑みを私に向けます。
 その笑み――まるで狩人が狙った獲物を仕留める様な――に何か薄気味悪いものを感じ思わず体が震えてしまいます。
「私は墓地の『マジックブラスト』の効果を使用……このターンのドローフェイズをスキップする事でこのカードを手札に加えます……私はドローフェイズをスキップし……『マジックブラスト』を回収……」
 私の心配を余所に霧島さんはさらにデュエルを続けていきます。
「そして手札から……『魔導獣 ケルベロス』を召喚するわ」
 彼女の場に白く美しい毛並みに、青いたてがみを生やした獰猛な番犬が姿を見せます。
「……さらに手札から魔法『死者への供物』を発動……次のターンのドローフェイズをスキップする事でフィールド上のモンスターを破壊できるわ……私はあなたの場の『闇霊使い ダルク』を破壊……」
 するとダルクの周りに包帯のような物が現れ、それが彼の体に巻き付きます。
 そして包帯が取れるとダルクの姿が消え去っていました。
「魔法カードが発動したので……『魔導獣 ケルベロス』と『魔法都市 エンディミオン』に魔力カウンターが乗るわ……」
 都市:2→3 ケル:0→1
「ダルクが破壊された事で……私の場に『召喚僧 サモンプリースト』が戻ります……」
 と、ダルクからの呪縛から開放された『召喚僧 サモンプリースト』が彼女の場に戻っていきます。
「そして手札から魔法カード『おろかな埋葬』を発動……デッキからモンスター――『闇・道化師 ペーテン』――を墓地に送ります……ここで『闇・道化師 ペーテン』の効果を使用……墓地に送られた時このカードを除外する事で……デッキから同名モンスターを一体特殊召喚できます……私は墓地のペーテンを除外して……同名モンスターを守備表示で特殊召喚……」
 そして、彼女の場に怪しい仮面を被った道化師が姿を現してきます。
「……魔法カードが発動したので2枚に魔力カウンターを一つ乗せます」
都市:3→4 ケル:1→2
「手札から魔法カード『魔力掌握』を発動……『魔導獣 ケルベロス』に魔力カウンターを1個乗せます……そして魔法カードが発動したので魔力カウンターを乗せる」
都市:4→5 ケル:2→3→4
「ここで『召喚僧 サモンプリースト』の効果を使用……手札から『マジックブラスター』を墓地に送り……デッキから『フレムベル・マジカル』を特殊召喚」
 さらに『召喚僧 サモンプリースト』が呪文を唱え、それに引き寄せられる様に魔術師――赤い弁髪頭をした厳ついおっさんの姿をした――が召喚されます。
「準備が整ったわ……見せてあげる……新しき召喚……シンクロ召喚をね」
「シンクロ召喚……ですって!?」
 私は先程の霧島さんが言った言葉――シンクロ召喚――に驚きを覚えてしまいました。
 シンクロ召喚――それはここ最近になって現れた召喚方法で、チューナーモンスターと呼ばれるモンスターとそれ以外のモンスターとのレベルの合計が召喚するモンスター――シンクロモンスター――と同じになる様に墓地に送る事でエクストラデッキからそのモンスターを呼び出すと言う召喚方法です。
 ここ最近出たため関連カードはあまり出回っておらず――特にシンクロモンスターは――さらに知名度は高くありません。
 しかしシンクロモンスターはいずれも強力なモンスターばかりだと言う事を聞いた事があります。
「続けるわ……私はレベル4チューナーモンスター『フレムベル・マジカル』と……レベル3の『闇・道化師 ペーテン』をチューニング!」
 と、『フレムベル・マジカル』と『闇・道化師 ペーテン』の姿は七つの光の球と一つの光輝く輪となり、それらが同調します。
「壮大なる魔力を秘めし……白銀の魔術師よ……その力を我が前に指し示せ……」
☆3+☆4=☆7
「シンクロ召喚……! 解き放て……、『アーカナイト・マジシャン』!」
 そして、同調した光の輪から白銀に輝く衣を身に纏った一人の魔術師が償還されます。
「このモンスターはシンクロ召喚された時……このモンスターに魔力カウンターを二つ乗せる……」
アーカナイト:0→2
「さらに、このカードは自分に乗っている魔力カウンター一つに付き……攻撃力を1000ポイントアップする……」
アーカナイト:ATK400→2400
「そして『アーカナイト・マジシャン』の効果を使用……フィールド上の魔力カウンターを一つ取り除くことで……フィールド上のカードを一枚破壊することが出来ます……、私はこの効果で……『魔法都市 エンディミオン』の魔力カウンターを五つ取り除き……」
 と彼女が言った間、『アーカナイト・マジシャン』の周りに五つの光弾が現れます。
「まず……その伏せカード3枚……」
 そして、その手に持った杖を私に向けると、それに反応して五つの光弾の内、三つの光弾は私の伏せカードに――
「さらに……永続罠『精霊術「和」』……」
 残りの光弾の内一つは『精霊術「和」』へ――
「最後に……『光霊騎士 ライナ』を……破壊」
 そして最後の一つは『光霊騎士 ライナ』へと向かい、それぞれが命中と同時に爆散します。
『すみません~……マスター、退場させていただきます』
(ごめんね、ライナ……)
 そうライナに心の中で謝罪している内にもデュエルは続けられます。
「今更だけど……伏せてあったのは『炸裂装甲リアクティブアーマー』に『くず鉄のかかし』……とどめに『聖なるバリア ミラーフォース』……そのまま攻撃していたら大惨事ね――フフフ、でも今はそんな事関係ないわ……私は『アーカナイト・マジシャン』で『精霊の欠片』に攻撃!」
 と『アーカナイト・マジシャン』が向けていた杖から一筋の光線が放たれ、その光線が『精霊の欠片』を貫き破壊します。
「……まだよ伏せてある罠カード『バスター・モード』発動……このカードは私の場にいるシンクロモンスターをリリースし……そのモンスター名が含まれる『/バスター』と名のついたモンスターを一体デッキから攻撃表示で特殊召喚出来る……私は『アーカナイト・マジシャン』をリリースし……デッキから『アーカナイト・マジシャン/バスター』を攻撃表示で特殊召喚するわ」
 今度は『アーカナイト・マジシャン』の足元から包み込むように光の柱が伸びていきます。
 そして光が晴れるとそこにいたのは『アーカナイト・マジシャン』と姿はよく似ていますが、その身を包む衣が白銀ではなく漆黒の衣に変化した魔術師です。
「……『アーカナイト・マジシャン/バスター』は召喚時に魔力カウンターを2つ乗せる……さらに『アーカナイト・マジシャン』と同じ様に乗っている魔力カウンターの個数×1000ポイント攻撃力が上がるわ」
バスター:0→2 ATK900→2900
「……『アーカナイト・マジシャン/バスター』で攻撃よ……」
 そう言われると同時に『アーカナイト・マジシャン/バスター』の杖から光線――『アーカナイト・マジシャン』のそれよりも太い――が放たれ私の体を貫きます。
「くっ……!?」
流奈:LP4000→1100
「とどめよ……私は『魔導獣 ケルベロス』で攻撃……」
 霧島さんのその命を受けて『魔導獣 ケルベロス』の口が大きく広がり。
「……ついでに、このモンスターは攻撃時、自分に乗っている魔力カウンター×500だけ攻撃力が……上がるわ……」
ケルベロス:ATK1400→3400
 『魔導獣 ケロベロス』の口に膨大なまでの光が集まり、咆哮と共にその光を私に向けて放ちます。
 そして、その光に私は飲み込まれ――
「うぁぁぁぁぁぁ……」
流菜:LP1100→-2300
 私のライフを一気に削られていくのでした。

「くぅ……あっ……」
 私は体に残るダメージに耐えながらも、立ちながら霧島さんを見つめています。
(さすがトップ2……強いです……)
 私のプレイングは控え目に見てもミスはしていないと思います。
 しかし、彼女のプレイングは私のそれよりも上であり、改めてトップクラスの実力を見せ付けられたような気がします。
「大丈夫……かしら?」
 そんな私に霧島さんがゆっくりと近づいていきます。
「大丈夫です……えっと私に何か用ですか?」
「用ね……確かにあるけど……今すぐに……と言う訳じゃないわ……」
 と、一旦言葉を切って霧島さんは私を見つめます。
「だから……また明日……私の部屋に来てくれないかしら……? そこで詳しい話をしましょ……あそこなら比較的ゆっくり話せるし……」
 そう言って胸のポケットからおもむろに紙を取り出すと私に手渡します。
「その紙には……私の部屋の番号が書いてあるわ……明日の授業が終わった時にでも……来てちょうだい……それじゃまた明日」
 と、霧島さんは言い終えた後、クルリと向きを変えてデュエルスペースからその姿を消して行くのでした。

~SIDE:霧島~
「……フゥ……久々に緊張するデュエルだったわね……」
 と、私はほっと胸を撫で下ろしながら自分の自分部屋まで歩いている最中、ボソリと独り言の様に呟やいたわ。
『確かに……あのターンで決着を付けなかったら危い所だったぞ? マスターよ』
 その呟きにいつの間にやら私のそばから一匹の手乗りサイズの犬――私の精霊『魔導獣 ケルベロス』――が答えてきたわ。
「そうね……ライフ的にも体力的にもあのターンで決着をつけれない場合、負けたかも」
『……まったく、無茶しないでくれたまへマスター…、あ奴――流菜――はアレの鍵となるのか?』
 そう『魔導獣 ケルベロス』が真剣(犬の顔なので良く分からないけど)な顔で尋ねてきたわ。
「その点は問題ないわ……あの子にはその『素質』があるのは……確信できたわ」
 それに対して、言って私はニヤリと笑みを浮べ答えます。
 私の予測が正しければ彼女が彼女が後に手に入れるモノを巡り必ずこの学園を中心として事件が起きるでしょう――それこそ昨夜の事件とは比にならない位。
 私にはその事件から得られる『経験』が楽しみで、ワクワクしちゃうわ。
『まったく……相変わらずマスターの趣味は悪いと言うか……』
「ケロ(注:『魔導獣 ケルベロス』の事です)、本音でもマスターの前で言うのはいけないわ――それより」
 でも今一番、私に必要なのは――
「早く部屋に戻りましょう……このままだと……廊下で気絶しそうよ……」
――ベットの上の安眠、タダそれだけよ。
という訳で第9話終わりました
なんというか異常ですね特にドロー関係が
でも使用しているのがほとんどOCGばかりという罠
それでは、今回のオリカ紹介

光霊騎士こうれいきし ライナ
光霊使い ライナ+光属性モンスター一体
ATK2500 DEF1500 LV6 魔法使い族 光属性
融合・効果:このカードがフィールド上に存在するときこのカード以外の自分フィールド上の光属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。
1ターンに一度手札からモンスターを一枚墓地に送ることで自分の墓地からレベル4以下で光属性のモンスターを一体特殊召喚できる。


+注意+
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