わたしのクズでステキな王子様へ
よろしくお願いします
裏切り者め
あんたなんか
消えちゃえばいいのに
本当に
いなくなっちゃえばいいのに
わたしは
信じていたのに
あなたを
信じていたのに
――――――――と
信じていたのに
―――――――だと
思っていたのに
うらぎりもの
わたしとね
仲良くしていたあの時
実は内心不快に思っていたの?
わたしとね
付き合っている時
実は内心嘲笑っていたの?
わたしとね
デートをしていた時
実はわたしを壊す準備をしていたの?
そう思ってしまうくらい
あなたは
さいていね
今までわたしに言ってくれたことは何だったの?
今までわたしにしてくれたことは何だったの?
今までわたしとしてきたことは何だったの?
今までわたしに――――――――――は何だったの?
今までのあなたは偽物だったんだね
そう思ってしまうほど
ざんねんだ
わたしをね
うらぎって
おとしめて
わらって
こわして
とじこめて
すてて・・・
そこまでしてあなたはあの子を手に入れたいんだね
そこまでするほどあなたはあの子に惚れちゃったんだね・・不器用なのに
そこまでしてしまうほどわたしは邪魔だったんだね
あはは
ごうよくだね
だからあなたは
にんげんをひとり
かんせつてきであるけれど
ころしてしまった
あーあ
わたしはね
あなたとね
はじめてあったとき
あなたにね
告白されたとき
あなたがね
とても眩しかったんだ
それでね
わたしはあなたを王子さまだと思ったんだよ
本当だよ?
まあ、あなたは貴族だから農民の私にとってある意味そうなのかもしれないけれども
わたしが感じていたものはそういうものとは違う
そんな名前とか身分とかでできた飾りというものではない
顔がイケメンとか体格がいいとか男らしいとか
そんなことでもない
ただあなたが纏っている雰囲気が
とてもね
潔くて
きれいで
美しくて
まぶしかったんだ
何を言いたいのかわからないって?
つまり
あなたといるとね
とても安心するんだよ
あなたがわたしを連れて
あなたのお父様を説得しているときも
わたしの両親を説得しているときも
わたしは抵抗しなかったでしょ?
わたしは何も言わなかったでしょ?
わたしは落ち着いていたでしょ?
あれはね
あなたがとてもたくましいのもあったけれどね
安心していたからなんだよ
あなたがいたから
だからわたしは
あなたを愛したの
あなたの愛を受け止めたの
あなたが特別だと思ったから
そうしたの
でも
結局期待外れ
あなたもただの
人の皮をかぶった
欲望の塊だったんだね
ほんとうにざんねんだ
一番残念なのは
あなたの心が
変なプライドで歪んでたこと
裏切り者
わたしがそれを嫌っているって知っていて
隠していたんだね
だから
わたしを振るために
ただ一言
「ごめん」
なり
普通に
「別に好きな子ができたんだ」
なり
言えばよかったのに
変なプライドを持っているから
それが素直にできなくて
こんなことをしたんじゃないの?
そんなふうに
プライドで凝り固まった頭で
おかしな恋の熱でのぼせ上がるから
だから
あなたはこれから
一人殺すんだよ
あはっ
あはは
ああ
今気づいちゃった
私もあなたたちと同類だってこと
気づいちゃった
一番嫌いなものなのに
自分がそうだって気づいちゃった
皮肉だよね
だってわたしはこれから
わたしの憎悪と怒りをこもった遺書で
あなたを苦しめようとしているんだもの
一番意地で歪んでいるのは私じゃないか
それはそれは
何て滑稽な話だろうか
あはは
さあ、あなたはこれから
わたしとおなじように
何人裏切るのかな?
何人――すのかな?
自らの欲望で
つまらない維持の上の欲望で
あはは
この女たらしめ
そしてあの子も――すのかな?
ねえ?
わたしの
正直で
仮面をかぶった
正義感あふれて
強欲で
強く
くずで
頼りになり
ばかで
頭が良く
もの移りが激しくて
一途で
すてきなすてきな
王子様
おっとそろそろ紙が足りなくなってきたみたい
ここらへんで筆をおくことにするよ
ステキな素敵なわたしの王子様
今までありがとう
本当にありがとう
病気には気を付けてね
わたしは地のそこであなたを待っているよ
あなたが持ってくる
素敵なお土産話を
楽しみに待っているよ
それじゃあ
さようなら
また会いましょう
裏切り者め
ここまで読んでくださってありがとうございました。
正直、この子怖いです。