第十話:人捜し(3)
新幹線が青森に向かう中で俺達は色々な話しをしていた。
「好きな食い物なに?」
「アイドルで誰が好き?」
数学の時間に近くに居る友達と話す内容で、とても人の命が掛かっているとは思えない内容だった。
そして、意味の無い話しに華を咲かせていると、新幹線が青森に着いた。
「じゃあ花見に行くか」
俺が言うと、二人は目が点になっていた。
「花見ってお前・・・今は6月だぞ」
桜木が言うと、山本も同感した。
「まぁ今から花見に行くのも結構良いぞ」
俺はそう言うと、歩き始めた。
俺が歩き始めると、二人も渋々着いてきた。
「なぁ、何処に向かってるんだ?」
桜木が俺に聞く。
「う〜ん・・・何処だろうな」
二人の顔が一気に怒りの表情になった。
「お前いい加減にしろよ」
桜木がマジでキレた。
「キレるのは分かるけど、今は俺に着いてきてくれ。頼む!」
俺は自分が考えている事にかなりの自信があった。
「分かったよ」
俺の熱意に押されて、桜木は怒りを沈めた。
そして、俺は黙々と歩き続けた。
「あった!」
俺はボンヤリと見える山の頂点にある大きな木を指指した。
「お前・・・あそこまでって、軽く10キロあるぞ」
桜木は飽きれた表情をしていた。
「10キロあるなら10キロ歩けば良いじゃん」
俺は居るとか居ないとか関係無く、ただ行きたくて性が無かった。
「歩くって・・・」
二人は飽きれて、もう言い返す気力も無かった。
「じゃあ行くべ」
そう言うと、俺は歩き始めた。
「しょうがねぇな。バカに付き合うか」
桜木が言うと山本も同感し、二人も歩き始めた。
そして、俺達3人は山に向かった。
「これで何も無かったら、キン玉潰すからな」
桜木が言うと、俺と何故か山本の背筋がゾットした
『怖ぇ〜』
俺と山本は軽く震えながら小さい声で言った。
すると桜木は大爆笑していた。
そしてくだらない話しをしながら歩き続けた。
それから4時間ぐらい経過した頃、俺達3人は山を目の前にした。
『すげぇな』
俺達3人は山の迫力に、ただ呆然としていた。
そして、山の迫力に魅入っていると、俺達3人は一緒に我に帰った。
「あの・・・登ります?」
山本が言うと、俺と桜木は一旦考えた。
(こりゃあヤバいなぁ)
3人一緒の考えだった。
「とりあえず、明日にしないか?」
桜木が言うと、俺と山本もうなずいた。
そして、俺達は泊まる所を探すために来た道を戻り始めた。
そして、あるホテルを見つけた。
「ココにするか」
俺が言うと、二人も笑顔でうなずく。
そして、ホテルの中に入る。
「1つ開いてますか?」
俺はぎこちなく聞いた。
「1つでよろしいでしょうか?」
ホテルの人が言うと、俺は黙り込んだ。
「いいえ。2つで」
桜木が言うと、ホテルの人が申し訳なさそうな表情になった。
「すいません。只今、一部屋しか開いていないのですが・・・」
ホテルの人が言うと、桜木は嫌な顔をした。
「別に大丈夫ですよ」
俺が言うと、ホテルの人が鍵を渡した。
「お前はバカか?何で一部屋で良いんだよ」
桜木がキレている。
「はぁ?」
俺は何でキレてるか、分からなかった。
「お前にはデリカシーが無いのか」
桜木は顔を真っ赤にしている。
「お前もしかして、覗くとか思ってんのか?」
俺は桜木に聞いた。
「当たり前だろ」
桜木は恥ずかしがりながら言った。
「そんな事なら大丈夫。見る気はまんざら無いから。お前も無いだろ山本?」
山本に聞くと、山本がうなずく。
「じゃあ大丈夫だな」
桜木に言うと、桜木は恥ずかしがりながら、納得した。
そして、3人して部屋に着いた。
「お前ら、こっから来んなよ」
桜木がそう言うと、俺と山本はうなずく。
そして俺と山本は桜木に気を使いずつ、風呂に入ったりして、速めに寝った。
「なぁお前ら、もう少し何か騒がないのか?」
桜木は俺達に聞くが、疲れていたので軽く喋って又寝ようとした。
「なぁ・・・」
桜木は恥ずかしがりながら何か言いたそうだった。
「何かしたか?」
俺は桜木に聞いた。
「何か淋しい」
桜木はモジモジしながらようやく言った。
「じゃあ隣で寝るか?」
俺は桜木の異変に気付き優しく言った。
すると、桜木は何も言わずにこっちに来た。
「お前何かしたらキン玉潰すからな」
桜木は恥ずかしがりながら言った。
「あぁ分かってるよ」
俺がそう言うと、やっと全員が眠りに着いた。 |