みなさん、はじめまして。
はじめてじゃない人もこんにちは(*^∀^*)
かつて一部の中学生の間で一世を風靡した(?)伝説の美少女小説、
天才少女エステル・アシュケナージのネット版ができました!(^^)!
バルディ邸を舞台にくりひろげられるヲタク教授と天才少女の悲しい冒険、
どっぷりとお楽しみくださいね☆彡
第1話 心霊学のヲタク教授
「大学教授――やってみませんか」
その言葉が全ての始まりだった。
「大学教授といっても、特別な資格がいるわけではありません。他の教授からして、教育概論すら学んでいないのが実情なのですから」
私の恩師――飢野教授はそう言った。
「それにこの講座は、他の学部教育の科目とは違います。あなたに引き継いでいただきたいのは特任教授―――あなたならではの才能を見込んでのお願いなのです」
そう、飢野教授もまた、特任教授としてこの大学に招聘された。
彼が担当していたのは『悪魔学』―――正確には『悪魔論』というらしいのだが、私にはその区別がわからない。
「教授になるためには資格も試験もいりません。その大学が必要と認めた人物が教授に選ばれるのです。過去にもSF作家の瀬名秀明という人が、東北大学のSF機械工学企画担当の特任教授として招かれた例があります。ほら、『パラサイト・イヴ』の原作者――もっとも、読んだことのない私が言うのもなんですが」
「はあ……でも……」
私は二の足を踏んだ。
私はまだ28歳。今年の4月でようやく29。いくらなんでも、大学教授は早すぎる……
「大学はいいですよ?」
飢野教授は続けた。
「休みも多いし、若い学生とふれあうことで、逆に教えられることも多いものです。人材を育てるということは楽しい仕事ですよ」
「でも……」
私は訊き返した。
「私なんかが、いったい何を教えるっていうんですか?」
私は一介のホラー作家。
けどまあ、そこそこの売れっ子だし(自慢じゃなくて)、恐怖を語らせたら、ちょっとしたものだけど……。
実際、ホラーがらみのムダ知識は売るほどあった。
中学時代からあやしげな小説を読みあさっていたせいか、霊だの悪魔だのはいうに及ばず、民俗学だの文化人類学だの、あとは神話学に宗教学……。
それとそう、ユング心理学、これは外せないわね。
大学の学部まで自分の趣味で決めてしまった私。
まあ、それなりに今の商売に結びついているのだから文句はないけれど、そうでなければただの虚学よねぇ、ああいうのって。
この飢野教授という人ももとはホラー作家で、ドロドロのゴシック小説で一世を風靡し、それがハリウッド映画にまでなったという、その道の大家(どういう道かしら?)。
その実績を評価され、彼は今、世田谷の聖処女純霊女子大学で教鞭を取っている。
私はその後継者に指名されたのだ。
この先生の担当は、前にも書いたとおり、通称「悪魔学」――確かに魅惑的なテーマだ。
でも、もし私がそれを講義で語り出した日には……
ああ、とんでもないことになるのは目に見えている。
だって私はヲタク――
池袋の『乙女ロード』に日参しまくった筋金入りの腐女子なんだから。
私に悪魔だのエクソシストだのを語らせたら、ヲタク的ファンタジーになることは絶対確実、自信をもって断言できる。
そこに悪魔と神父のBLとか…ううっ。
そんなのでいいの、先生?
「あなたは作家です。作家の目からホラーを語ればいいのです」
飢野教授は言った。
「期待していますよ、みらのさん。あなたの教え子の中から、将来の大先生が出るかもしれないのだから」
「そんなあ」
私は思わず悲鳴をあげた。
しょうがない……こうなったら、いちかばちかやってみよう――私は腹を決めた。
講義のテーマはそう……「心霊学」なんてのはどうかしら?
これまた「いかにも」って感じのネーミングがヲタっぽいわね……。
本物の心霊学者から怒られないかしら?
あと、早稲田の大槻教授(現・名誉)とかからクレームが……。
ま、いーわよね、フッ。世の中、科学だけがすべてじゃないわよね。
こう見えても私、心霊現象とか都市伝説には詳しいんだから。
なんせ、それをネタにしておまんまにありついてるよーなもんだから。
あ、そうか――私はひらめいた。
それを講義すればいいんだ。
どうしたらヲタな知識を職業に活かせるか――これって他ではあまり教えないわよね。
そんなことを想像してみると、大学教授という仕事もなかなか楽しそうだ。
きっとヲタな学生がいっぱい集まるんだろうな――それはそれで思わず盛り上がってしまうかも♪
こういうネタをテーマにしたヲタなファンタジーってたくさんあるし……小説でもアニメでも。
楽しげな妄想にどっぷりと浸かる私を見つめながら、飢野教授は呆れたように嘆息した。
「あなたも全然変わりませんね、神野みらのさん――」
2019年春――こうして私は、特任心霊学教授として聖処女純霊女子大学に赴任することになった。
これから一体どんな出会いが待っているのか――
たくさんの不安と、ちょっぴりの期待に胸をときめかせながら。
第1話 終
どう考えても疑似科学っぽい「心霊学」の教授になってしまった、みらの。
初回の授業は「オカルトゲーム総論」…だそうです。
受けてみたいようなみたくないような…。「こっくりさん」とか、「ウィジャ」とか……
みなさんはどうですか(?∀?)
下記ブログに小説の背景や裏話、設定がたくさん書いてあるので、どうぞ<(_ _)>
というか、私自身、工学部の教授とお茶のついでにオカルトを語ってる日々……キャー☆
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