僕は昼飯に簡単に食べられるツナサンドを作っている。
ちょうどツナをマヨネーズで和えようと思っていたら、電話がなった。
「もしもし。覚えてる?私よ。」
綺麗な女の声だ。
僕は人の声を覚えるのは病的に得意としていたけど、まったく聞き覚えがない声でそう言われた。
「悪いけど、まるで君の声に聞き覚えはない」
正直に答えた。
「そう。まぁいいわ。あなたが私を知らなくても私はあなたを知っているもの。
それで十分じゃない?」
確かにある意味ではそれは十分である。
しかし、僕の立場ならば、それはとても不十分である。
諦めて。
「まぁいい。それで君の用件はなんだい?」
ボールでツナをマヨネーズで和えながら聞く。
隠し味に七味を入れる。
「あなたは本当に環境適応能力が高いわね。いいわ。用件を話しましょう。
あなた、私と入れ替わるきないかしら?」
理解できずに聞き返す
「どういう意味?」
「言葉どうりの意味よ」
間髪入れずに答えてくる。
僕は微塵切りにした玉葱をツナの入ったボールの中に入れた。
「君の言うとうりだとすると、君が僕になって、僕が君になるってことだろ。
そんなことは物理的に不可能だ。
できて生活を入れ替えるぐらいなものだろう。」
僕はボールの中にある食材達を一つにまとめた。
「それが可能なのよ」
食パンの耳を切り落とす。
「どうして僕なんだい?
他にも沢山人なんているだろ。」
食パンにバターを塗り、ツナベースの具をパンに塗る。
「理由をあげたらきりがないくらいあるわよ。
全部聞きたい?」
「聞きたくない」
興味があったが、そう言って、電話を切った。
食パンを重ねて、綺麗に三角に、四等分にした。
また電話がリンリン僕を呼んでるけど、もうでたくなくなった。
なぜなら、サンドイッチが美味いから。
いつか、僕が暇なときなら電話にでるよ。 |