表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生…されてねぇ!  作者: タンサン
第二章「異能編」
22/133

20話「緊急家族かーいぎ!」




『本日未明。気絶した国籍不明の男女3名がJRタワー屋上で見つかり……』

「あ!」


 ニュースを見てたら、幼女にチャンネルを変えられた。

 まぁいいか、そんなに気になるニュースじゃなかったし。


「そういえば、伝え忘れていた。昨夜、泥棒が家に入ろうとしていたぞ?」

「泥棒!?」


 なにそのニュース!?テレビより気になるんですけど?


「まったく気づかなかった、何か盗られたりしてないよな?」

「大丈夫だ。結界のお陰で、敷地内に侵入すら出来ていなかった」

「おお!ということは、結界の調整は成功してたんだな」


 クロが念のためにと言うので、神前試合の時に見た結界を真似して家の敷地を覆っていたのだ。

 しかし、ただ結界を張ってしまうと、誰も帰ってこられなくなる。そこで、クロ経由で委員長のお父さんから結界の調整方法を教わり、試していたのである。

 今張っている結界は、『悪意と攻撃』に反応するように調整してある。泥棒には悪意があったから、入ってこられなかったんだな。


「というか。そんな大切な事、もっと早く言ってくれよ」

「すまん、忘れていた」


 クロさんは、ちょくちょく忘れることが……あ!そういえば、俺も忘れてた。今日はやりたいことがあったんだ。


「緊急家族かーいぎ!」

「ん?なんだ?」

「カー?」


 前々から気になっていたことがあるので、今回はその問題を解消しようと思います。それはーーー


「ーーーカラスと幼女の名前を決めようと思います」

「ほう」

「カー!」

「……!」


 名前については必要になった時で良いかと思っていたのだが、そんな事も言っていられなくなった。カラスもそうだが、幼女には早急に名前をつける必要がある。

 なぜなら、お隣のイサさんや近所のママさん達が幼女の事をいたく気に入り、名前を聞かれる場面が多々あるためだ。

 その度に話をそらしてはいるのだが、もう限界なのである。


「ま、会議と言いつつも、名前はすでに決めてるんだけどね」

「カ!?」

「……!!」


 カラスと幼女が、期待に満ちた目でこちらを見てくる。いやいや、そんなに期待しないでくれ。結構安直な名前なんだから……。


「まずは、カラス。お前の名前は、『シロ』だ。クロと仲良いから対になるようにと思いつつ、陰陽と掛けつつ……ま、理由は色々だ」

「カー!カー!」


 うおっ!?これは、喜んでいるって事で良いんだよな?まぁいいか。


「次は、幼女。お前の名前は、『リン』だ。忘れもしない、つどーむ崩落。その時、刀を納刀した音が鈴の音色に聞こえたから。この名前にした」

「………ん!」


 おお!?今、喋った?なぜこのタイミングで?……まだ、何か話しそうだな。


「………お…おやつ」

「お、おやつ?」


 おお!?おやつ?なぜこのタイミングで?

 というか、最初に話した単語がおやつとは……相変わらずマイペースだな。


 シロとリンの名前が決まったり、リンが話せるようになったりと……なんとなく始めた家族会議だったが、ちょっとした記念日になったな。


「お祝いでもするか」


 おやつ用に買っておいたお菓子を取り出し、コタツで横になりながら、ダラダラとみんなでお祝いした。


 









 札幌市内にあるビルの一室では、頭を抱える女性と、能天気に外の景色を眺める大男がいた。


結城幸助(ゆうき・こうすけ)……彼は一体、何者なのでしょうね」

「さぁ?俺は顔を見ることすら出来ずに負けたんで、分かりませんね。そもそも、倒された記憶すら無いですし。気づいたら留置所にいた時は、夢かと思いましたよ」


 女性の疑問に、大男はケラケラと笑いながら答える。


 女性の名は『チエ』。

 彼女は、『神へ至る』という目的のために結成された異能組織『ディヴァイン』において、到達点まで異能を昇華させた者にのみ与えられる『ランクA』という地位を所有している。

 そして、大男の名は『ディエス』。その能力の強さから、チエと同じくランクAの地位を持つ異能者だ。

 そんな彼は、頭を抱えるチエを見兼ね、声をかける。


「チエさんの異能で、何かわからなかったんですか?」


 チエの保有する異能は『感知』。半径数十キロ圏内で起こる事象を感じ取れるという異能である。

 密室に居ながらでも効果範囲内の映像や音を感じ取ることができるその異能は、戦闘向きでは無いものの、汎用性と効果範囲の広さからランクAに認定されているのだ。


「戦闘は、黒い猫が3人を瞬殺して終わったわ。だから、ターゲットである結城幸助が現れることすらなかったのよ。家には透明な防壁が張られていて、内部は感知できないし……謎は深まるばかりよ」

「ユイさんかトウリさんが居れば、その防壁の中も覗けたんすかね?ネットは繋がってそうですし……」


 その言葉を聞いたチエは、空気が凍るほど冷たい視線をディエスへ向けた。


「何を言っているの?彼らは死んだわ。そもそも、彼らのせいで『寒熱』『付与』『結合』の3人が逃げ出したのよ?裏切り者の話はよしなさい」

「す、すいません」

「それと、本部が結城幸助(ゆうき・こうすけ)の家のパソコンにハッキングを仕掛けているけど、成功はしていないそうよ。だから、彼らがいた所で結果は変わらないわ」


 冷たい怒りをぶつけながらも、チエはディエスの疑問に答えた。


「そ、そうなんですか。その、すいません」


 組織を裏切り、始末された過去の仲間達。その話を思わず出してしまったディエスは、チエに向き直り、静かに反省する。

 ディエスの思いがわからないでもない彼女は、それ以上何も言わず、話題を戻すことにした。


「とりあえず。結城幸助の件については、本部も驚愕していたわ。ランクAの異能者1人とランクBの異能者2人を瞬殺できる仲間がいることは、さすがに予想していなかったみたいね。本部では、今も徹夜で会議が行われているそうよ」

「……うわぁ、本部もお疲れ様ですね」


 気を取り直し、他人事のような態度を貫き直したディエスをチエは睨むが、外を眺めているディエスは気づかない。


「はぁ……」


 そんなディエスの様子に一際大きなため息を発した後、チエは今後の展開を語りはじめた。


「とりあえず今は、セフェク、トイ、メルトの釈放と本部からの指令を待つしかないわ。おそらくだけど、『寒熱』『付与』『結合』の捕獲を優先しろという指令がくるはずよ。その時に備えて、今は休んでおきなさい」

「了解です」


 幸助の平穏を乱すべく、異能組織は静かに動き出した。






 名前付きとなったシロとリンの活躍を、これからも見守っていただけると嬉しいです。


 そして……評価が、35000を超えました!本当にありがとうございます!

 ブックマークや評価をしてくださった方々一人一人にお礼を言うことはできないので、できるだけ面白い作品を描くことで恩返ししていけたらと思います。


 みなさんの暇つぶしを充実させられるよう、これからも更新頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 「名」を貰った事で性能が上がったのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ