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ARCADIA
作:Wiz Craft



 S5 講習を終えて


 講習を終えた頃、辺りは美しい赤焼けの夕暮れに染まっていた。
 エルツ達はギルド前でクリケットとコーザに今講習の終わりを告げられようとしていた。

「全く、まさか初心者ルーキーに膝付かされるなんて夢にも思わなかったですよ」
「あの動き見事だったデシ。久々にいいもの見たデシ」

 クリケットは耳をひらひらさせて喜ぶと、小さな股でトテトテとエルツ達の元に駆け寄り、三枚のカードを差し出してきた。

「講習を終えたご褒美デシ。受け取るといいデシ」

 三人に手渡された一枚のカード。

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〆カード名
初心者講習卒業の証

〆分類
防具-アクセサリ

〆説明
初心者講習を卒業した者に与えられる履修の証。

〆装備効果
物理攻撃力・物理防御力+1

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 『初心者講習卒業の証』と記されたそのカード。そこには兔の形をした銅の細工に紅い宝石の眼が添えられたペンダントが描かれていた。

「これが講習最後の説明デシ」

 講習最後の説明という言葉に三人はクリケットの顔を見つめた。

「この世界でアイテムは皆カードという形で取引されるデシ。PBを開くデシ」

 クリケットの言葉に三人はPBを開いた。

「パーソナルブックの『所持品』という見出し(インデックス)がついたページを開くデシ」

 パーソナルブックにはクリケットの言う通り冊子に幾つかの見出し(インデックス)がついていた。その中に確かに『所持品』という項目が存在した。

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〆所持品一覧

分類:武器/防具/アイテム
詳細絞込み:
キーワード検索:
並び替え:種類>名前

▽表示結果(総アイテム品種:4)

●銅の短剣
●旅人の服
●旅人のズボン
●旅人の靴

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 ページを開いてみると、そこにはアイテム一覧という文字が。現在所持しているアイテムがそこには箇条書きにされており、武器・防具・アイテムといった分類ソートも付いていた。

「所持品リストか、こんな機能もついてるんだ」

 その次の頁からはカードケースのようになっていた。頁にはカードを嵌めこむくぼみのようなものが、一頁につき四つずつ。その頁が数えてみると二十五枚。つまり総計百枚のカードが保存できる仕組みのようだ。
 そうしてクリケットは説明を続けた。

「カードをその頁に嵌め込む事で初めて所持アイテムとして認識されるデシ」

 エルツ達はクリケットに言われた通りカードをPBに嵌め込んだ。

「そしたらアイテムの所持品一覧アイテムリストに戻るデシ」

 すると、そこにはたった今PBに嵌め込んだアイテムが追加されていた。

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〆所持品一覧

分類:武器/防具/アイテム
詳細絞込み:
キーワード検索:
並び替え:種類>名前

▽表示結果(総アイテム品種:5)

●銅の短剣
●旅人の服
●旅人のズボン
●旅人の靴
●初心者講習卒業の証 New Item!!

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 丁寧な事に新しく追加されたアイテムには「New Item」というマークが付けられていた。

「本当だ、追加されてる」
「追加されてるのを確認したら早速装備デシ。装備する方法は色々あるデシが、ここでは所持品一覧アイテムリストから装備する方法を教えるデシ」

 装備方法には幾つかの方法がある。エルツは逐一クリケットの言葉は頭の中で反復していた。

「それじゃ、さっき渡したアイテムを選択するデシ」

 クリケットの指示通りにアイテムを選択する。すると、そこから二つの項目が派生した。

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●銅の短剣
●旅人の服
●旅人のズボン
●旅人の靴
●初心者講習卒業の証 New Item!!
→装備する
 装備しない

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「選択したデシか?そうすると装備するかしないか聞かれると思うデシ。それで装備するを選択するデシ」

 三人が「装備する」を選択したその時、三人の首周りに真白なエフェクトが薄っすらと現れた。光の中から現れたのはあのカードに描かれていた兔形のペンダントだった。

「これで装備完了デシ。簡単デシ。とっても似合ってるデシよ」

 三人はお互いの姿を確認する。今三人の首元では兔の眼が優しい輝きを放っていた。
 それは講習を終えた三人へのクリケットからのささやかなプレゼントだった。

 それから三人はクリケットとコーザに別れを告げた。

「色々ありがとうクリケット。コーザ」

 エルツの言葉にクリケットとコーザは笑顔を送る。

「頑張るデシよ」

 その言葉に三人もまた笑顔で頷いた。
 旅立ち行く三人の冒険者。
 ギルドから下る緩やかな坂の下に消えてゆくその三人の背中をクリケットとコーザはその姿が見えなくなるまで見つめていた。

 三人の姿が消えると、クリケットは静かにギルドへと戻る。
 そして、一言呟いた。

「しまったデシ。パーティの組み方教えるの忘れたデシ」

 派手にずっこけるコーザを野放しにしてクリケットはギルドの中へ。

「こういう事もあるデシ。弘法も筆の誤りデシ」

 コーザはゆっくりと立ち上がり、何も言わずにギルドへと戻る。
 それもまた彼等の日常なのだ。







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