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§エルツのメモ帳§
「あれ、エルツ何やってるの?」
「ああ、スウィフト。うん、ちょっと今までの情報を整理してたんだ」
「今までの情報?」

 エルツのパーソナルブックを覗き込むスウィフト。

「へぇ、すごい。これって今までの情報全部載ってるの?」
「うん、あと自分でCITY BBSの攻略掲示板に書かれてた情報とか調べてそれも追記してるよ。今まで、無関心と言っていいくらいこの世界の事何も知らなかったからさ。少し自分で調べてみようと思って」

 ページを見ながらふと呟くスウィフト。

「このモンスターのページの『Clotmit』って何?こんなの居たっけ?」
「エルムの島の上空にさ、真っ白な翼に黒の斑点を持ったカモメみたいな鳥飛んでたの覚えてる?」
「ああ、なんか居たような」
「あれ、実は倒せたんだって。Lv3〜4で、弓が必須らしいんだけど」

 ウィスキーのグラスを口に含むエルツ。

「ふぅん、そうだったんだ。流石廃……いやその精神は僕も見習わないとな。データ出来上がったらこっちにも送ってよ」
「いいよ、でも走り書きだから、読めるかは保証しないよ」
「読めるって、代わりと言っちゃなんだけど今度DIFOREでディナー奢るからさ」

 その言葉に微笑むエルツ。

「下手な約束は身を滅ぼすぞ。こっちも手抜けなくなっちゃうじゃんか」
「それを狙ってるんだけどね」

 微笑み合う二人。
 エルツは静かにパーソナルブックを閉じた。
 今までこの世界で体験した貴重な経験の記録。

 ただの走り書きでも、それは書き捨てられた文字とは違う。
 エルツにとっては貴重な財産なのだ。
 走り書きの頭にエルツが綴る言葉。
 それは、この世界で得た大切な記憶の欠片。

――思い出よ――永遠に――
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