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 S26 『Lv上げ』 or 『金策』!?
 ペルシアとトマと別れたエルツは昼食後、午後は一人マンドラゴラの居る東エイビスの森へと出かけていた。セパレイトパーティでのコカ狩りを経験して分かった事が一つある。
 昨日は午後に三時間弱の狩りで、七匹のコカトリスを倒したところでパーティは解散となった。ドロップ品は「コカトリスの羽毛:45ELK」が一枚。今日は正午まで約二時間強で十一匹コカトリスを倒し、ドロップは同じく「コカトリスの羽毛」が二枚。
 つまり、昨日と合わせて狩り時間は五時間。十八匹で三枚のドロップ品を得た事になる。狩り効率は昨日と今日で大きな差があるのでパーティ次第といったところだが、ドロップに関してはおそらくコカトリスは「コカトリスの羽毛」を15〜20%の確率でドロップするのみだろう。これが何を意味するのか。

 コカトリスの討伐は通常の狩りよりも体力を消耗するのはこの二日間の経験でよく分かった。コカトリスの討伐は長くて三時間くらいが限度だろう。狩り時間が三時間でも街からの片道四十分という移動を考えると、時間的には四時間半とられる事になる。それを考えると、たとえ昨日のように一時間で五匹という驚異的なスピードで狩ったとしても一日三時間の狩りで一五匹。ドロップの期待値は三枚(売却額:45×3=135ELK)という事になる。これをさらにパーティ人数で分配するのである。
 スティアルーフでの一日の生活費が約120ELKかかる事を考えると、これは完全に赤字と言える。つまり、ここで何を言いたいのかというと、それはコカ狩りにおいては「Lv上げ」と「金策」が完全に分離する必要があるのだ。
 コカ狩りだけでは生活は苦しい。なので、コカ狩りをやるために、別に金策を行う必要がある。
 その事実に気づいたエルツは単身マンドラゴラを狩りに来たのだった。

 午前の狩りで、疲労は蓄積していたが今日の生活費を最低限稼ぐためにエルツは森でマンドラゴラを探し始める。だが、この日に限ってマンドラゴラが見当たらない。

「あれ……参ったな。全然見当たらないな」

 そして彷徨うエルツは森の中で人影を発見する。それはマンドラゴラに向かって火球ファイアボールを放つと一撃の元に葬りさった。次々とマンドラゴラを見つけては圧倒的な力で搾取していく冒険者。
 パーソナルブックで確認すると、どうやらLv11の冒険者のようだった。

 マンドラゴラの根は高値で取引されるため、高Lv者が小遣い稼ぎのために、圧倒的な殲滅速度でいわゆる「乱獲」を行う事も少なくない。今、エルツが目にしているのはまさにそれだった。

――乱獲か、しょうがない――しょうがない別の場所を探そう――

 そうして、エルツは一人、マンドラゴラを求めて別の森へと足を運ぶのだった。
 不運が重なり、どこの森でも何かしら冒険者の姿が見受けられたこの日、エルツは確たる収穫も無く、スティアルーフへと帰還するのであった。
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