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ARCADIA ver.openβ≪Playing by Elz≫ 作者:Wiz Craft

〆 第五章 『双華祭』

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 S21 VS Magician of Blue★Take2

 オートマタイベントに集う冒険者達。その様子は以前にも増して盛況だった。
 移り変わる視界の中で、エルツは自らの拳をぐっと握り締める。ホワイトアウトする視界をそっと閉じ、ここに来るまでに繰り返してきた自らの動きを再シミューレートする。
 そして、再び瞳を開いたその時、エルツは星々が煌くバトルフィールドの中に立っていた。
 フィールド中央で頭を垂れた青鼻のオートマタの姿。その姿を見つめながらふとエルツは初戦のあの悪夢を思い出す。
 何も出来ずにただただ圧倒された初戦。その記憶を塗り替えるためにもエルツは今ここに立っている。
 ただ、その場に立ち精神統一を図るエルツ。重ねて言うが、ここへ来るまでにやれる事は全てもうやってきたのだ。 
 そして、空中から現れたぜんまいが今オートマタの腰へと吸着する。幾度と無く見てきたその光景を前に、エルツはゆっくりとロッドを今振り翳す。
 発動時間の五秒という時間は既に完全に身体に叩き込んでいる。初撃を叩き込む上で気をつける事は、後はあのぜんまいが巻かれ終われ、敵のダメージ判定が有効になるそのタイミングの見極めだ。
 だが、そのタイミングのシミューレートもここへ来るまでに充分にこなしている。

――狙うは顔が上げられるその直前――

 そして、そのタイミングと同時にエルツは印言の詠唱を開始する。

「Water Sphere」

 形成され行く水球に合わせて、視界の中でオートマタが顔を上げる。
 視線と視線が合わさった時と同時に、エルツは水球を発動。
 そのタイミングはまさに完璧だった。放たれた水球はオートマタ目掛けて正確に飛び、有無を言わさずその直撃を受けたオートマタの身体が一瞬大きくよろける。
 短時間とはいえ練習の成果ははっきりと表れていた。先制攻撃の成功を確認したエルツは敵との距離五メートルをキープしながら再詠唱時間の十秒間を数え待つ。ここからが真の成果が問われる戦いとなる。
 再詠唱が可能となったエルツは再び印言を唱え始める。それとほぼ同時に、オートマタもまたエルツの詠唱に反応して水球の生成を始める。このまま魔法を発動すれば敵のカウンターは確実と見られる。だが、エルツはそんな状況下でも慌てなかった。冷静に敵の反応リアクションを見つめながらエルツは一言こう宣言する。

Cancel(キャンセル)

 エルツのその宣言と共に生成されていた水球が消滅する。これこそがエルツが何度も練習を重ねシミュレーションしていた詠唱キャンセルだった。Magician of Blueはプレーヤーの詠唱に反応し、自らの詠唱を重ねてくるのでこの性質を利用し詠唱キャンセルする事で敵の攻撃を誘導する事が出来る。
 エルツのウォータースフィアへのカウンターを狙っていた青鼻はここでターゲットを失いその対象をエルツ本人へと変更する。無作為に放たれた水球にエルツは冷静に対処すると、敵の再詠唱が可能になるまでのこの十秒間という隙を狙って再び詠唱を開始する。

「Water Sphere」

 そして形成された水球を、練習通りに青鼻のオートマタ目掛けて正確に叩き込む。それはまさに教本に書いてあるような理想的な流れだった。
 ここで攻撃のパターンが一巡した事でエルツは自らの勝利を確信する。あとは余程のミスをしない限りはまず勝利は間違いないだろう。
 詠唱キャンセルを使い冷静に敵の攻撃を誘導して捌くエルツの前に青鼻のオートマタは為す術なくただ機械的な動きを続ける。
 もはや初戦と完全に立場は逆転していた。攻略は不可能だと思われた相手でも、きちんと理論立てて攻略を進めればこのイベントはクリアが出来るようになっている。
 戦いながらエルツはふと奇妙な感覚に陥っていた。まるで、それは魔法の使い方を指南されているような不思議な感覚。

「Water Sphere」

 それはエルツの最後の詠唱となった。正確無比にクリーンヒットを奪うエルツを相手に、再び水球の直撃を受けたオートマタは今静かに膝を着く。
 倒れ行く青鼻のオートマタにエルツは無言で辞儀をすると、光と共に消え行くオートマタの姿を見守っていた。そして、そこには前回と同様に一枚のカードが残される。

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〆カード名
ピエロブーツ

〆分類
防具−足

〆説明
オートマタが装備していたピエロの靴。装備したら何かいい事起きるかな?

〆装備効果
????????

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 カードを手にしたエルツは静止した世界で輝ける星々を見つめていた。目まぐるしく変遷してゆく世界。
 これで二人目の魔術師が沈んだ。一体次の相手はどんな戦術を持ったオートマタなのか。
 そう、この戦いはまだ終わらない。
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