碧い月へ(16/36)縦書き表示RDF


ある人の文章を読んで、聞き流していた大切な言葉を思い出しました。ありがとう。
碧い月へ
作:フレーズ



好き以上



『ずっと前から好き』

貴方が、たった一度だけ言ってくれた愛の言葉。

私の一番大切な宝物。

今まで、この言葉を支えに生きてきた。

でもね…

私、やっと気付いたの。

この言葉は大切だけど、一番じゃない。

一番は普段の何気ない会話の中にあった。

「いつか、一緒に暮らしたいね。」

『そう?』

「結婚する気はないんでしょう?」

『心も体も自由が一番。』

「ふーん」

『何だ?その不満そうなアンパンマンみたいな顔は?』

「分からないならいいよ。」

『分からないなぁ。』

「嘘つき!」

『そうやって何かを言わせようとしても無駄だよ。』

「何だか虚しいなぁ…」

『何が?』

「だって、いつ終わるか分からないんだよ?一年後か二年後には終わってるかも知れない。」

『毎日スリルがあっていいじゃない。』

「スリルじゃなくて、毎日が不安だよ。貴方に会えなくなったらって想像するだけで恐い。そしたら、私はどうなってしまうんだろう?」

『相変わらず心配性だな。そんな有りもしないことを恐がってどうする。』

「そんなの分からないじゃない。結婚していれば、ずっと一緒にいようって約束したことになるけど、そうじゃないなら、せめて約束くらいは欲しいじゃない?私たちはずっと変わらないって…」

『そんなの俺たちには必要ないだろ?』

「えっ?何が言いたいの?」

『将来、俺たちが会わなくなるなんてことは絶対ありえないよ。そうだろう?もっとも、君が俺のことを大嫌いになって会いたくないって思えば別だけど…』

「そんなことあるはずないじゃない!」

『俺もない!だからそんな心配もない。一番いい関係だろ?結婚よりずっと確かで自由だ!』

「結局、自由でいたいだけじゃない。まぁーいいや。一生嫌いにならないでいてくれるなら。」

『それだけは約束出来る!なぜなら、既に嫌なところを全部知っていても嫌いにならなかったから!』

「もっと嫌なところがあるかもよ?本当は悪い人間だし…。」

『本当も何も、お前は悪い人間だから!他人に気を遣って、言いたいことも言えなくて。なのにいつまでももグチグチと気にしてて…。そういうのが一番始末の悪い人間なんだぞ?ただ、どんなに嫌なお前だろうと嫌いにはなれないんだよ。それは、俺とお前が共通するものを持っているから。俺も悪い人間だからな!』

「ふん!そんなの知ってるよ。」
            『それでも好きなんだろう?悔しいけど好きなんだろう?』

「別に悔しくないから。」

『あっそう?俺は悔しいねぇ〜。何でありさちゃんのような人を好きにならなかったんだろうなぁ。俺の最大の欠点知ってるか?』

「女の趣味が悪いこと!」
『女の趣味が悪いこと!』

『ばれてたか…』

「ばれてるよ!失礼なヤツだ。でも、さっき好きって感じのことを言ったよね?」

『気のせいだ!』

「言い方が違ってたけど、そんな内容だったじゃない。」

『勘違いだ!俺はあんたを好きじゃない。』

「君でもお前でもあんたでもいいけど、それじゃ何?」

『それ以上の存在ってことだ。』

「それは愛?」

『愛?図々しいヤツだなぁ。』

「じゃー何?」

『安心感とでもいうか、お前だけは俺のもとから離れていかない、何があっても見捨てないという安心感。例え俺が人殺しになって何十年も刑務所に入っていてもお前だけは待っててくれてる気がする。自分でもそんな気がしない?』

「すごい自惚れー!」

『どうなんだよ?ちゃんと質問に答えろよ!好きとか愛してるとかどうでもいいんだよ。俺はそれだけが聞きたいんだ。待ってるのか?待ってないのか?』

「最低10年、最高50年待てるかな?」

『素直に死ぬまで待ってると言えばいいのに…可愛くないなぁ。』

私の頭をグシャグシャにしたあと、苦しいくらいに抱き寄せた貴方。

自分が理由じゃなく、大切な人に二度去られてるからなんだよね?

私は大丈夫。

ずっとそばにいるよ。

貴方がそれを望むならね。

「ねぇ、私のことも待っていていてくれる?」

『仕方ない、一生待っててやるよ!他の女と遣りながら……ハハハ』

「……やっぱり、最高10年ね!」












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう