ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
14
「マキ、っは、ちょ、ッ、救急車!!ケンスケ救急車ッ!!!!」
「今してるから落ち着け!!とりあえず横にして気道確保しとけ!!あと意識あるか?!」
「わかんな……マキ!!マキちょっと起きてる?!ちょ、起きてって!!」

 横たえたマキの肩を強く揺するが、反応は無い。
 エイコの肩口に付いたマキの血はわずかだったが、体温も顔色も悪すぎる。

「あんま揺すんなよ!!っち!!電波通んねぇ、エイコ電話どこだ!!」
「う、ぁ、下、居間!!」

 聞くなり飛び出したケンスケに、何が起きたか分からないままただ身体が震える。
 

 ついさっきまで普通だったのに。
 強引で、人の言うこと聞かないで訳の分かんないこと言って、勝手に怒って。
 ああもう、かなり腹が立った、のに。
 
 なのに、いきなり。
 
 マキが……


『消えちゃうけどね』


「でもあれは、……ッ!!!?」 

 言いかけ、急に震えだしたジンズのポケットに慌てて中身を取り出す。
 相手を確認せずに通話ボタンを押し、エイコはそれを耳に押し付けた。

『エイコ、――っマキは?!』

 叫び声に近い音量で聞こえた声に、昂っていた感情の堰が崩れる気配がする。
 目に、溢れる。
 
「サキ!!マキが、血、吐いて――っ起きない!!どうしよう、わたし、ああ今ケンスケが!!」
『おち、つけ、はぁ――口、開けられる?』
「うぁ、た、たぶん!!――んっ、開けたけど!?」

 電波が悪いせいか途切れ途切れに聞こえるサキの声に、何か違和感を覚える。
 しかし構う余裕はなく、エイコはサキの指示に従い、マキの口を開かせた。
 ケンスケも気道確保とか言っていたし、おそらくこういった事態の常道なのだろう。

「サキ姉どうす……」
『して、キス……っ、』
「……は」
『キス!!ぐだぐだしてないでとっとと口!して早く!!』
「いやいやいやいや……なんで?!へ?!」

 エイコはマキの唇に指を添えたまま、固まった。
 乾き切らずに残った血が、皮膚に滲む。

 真面目に、真剣に、冗談じゃない状況だ。なのになんで、キス?
 え、吐血にキス?人工呼吸じゃなくて、キス??

 疑問を再び口にしようとした瞬間、耳に直接自分の手が触れた。
 今まで握っていたケータイは、ストラップの音で背後にその存在がある事を主張する。

「――え」


「人のこと構ってる場合じゃないだろう?お前もツライんじゃないの、サキ?」


 振り向いた先には、エイコのケータイを眼前に掲げて愉しそうに笑む姿。
 それは本当に、記憶と何一つ変わらない姿。


「――言わない。言いたくないし。ふふ、こっちもそんな顔してる……ひさしぶり、エイコ?」


 にこりと目を細め視線を交わして直ぐ、既に通話を切ったらしいそれを床に放った。
 丁度、今の腕のなかのイトコと同じ年頃の彼。

 ずっとずっと昔一度逢ったきりで、その存在を思い出したのもつい先ほど。
 その人がなぜ今、と思う間もなくエイコに掠めたのはまたひとつ、今まで思い出せなかった約束。

 幼さも何も、言い訳にならない。
 それは神に誓う、誓願。
 交わされるのは、相互の望。
 
 
 そして、自分は言うのだ。

 エイコはその願いを、あの時以来初めて口にした。
 
「マキを、助けて」

 それは突然現れた者にかけるにはそぐわないものだったけれど、その相手にはそれ以上のものは無く。
 事実、彼はその笑みをさらに深くして応えた。

「いいよ、もちろん、エイコがそう言うなら。だけど、わかってる?」
 
「――分ってる。から」

 エイコは頷き、彼に早くと視線で促す。
 それを満足そうに眺め、「そう」とエイコの頭を撫でた。
 避けるほど嫌悪する相手じゃなくて。それはこのイトコと似ているせいか、彼自身のまとう雰囲気のせいかは分らなかったけれど。

 これでマキが助かると安堵し、この懐かしい手に気が緩み、溢れた感情に瞼を閉じる。


 そしてもう一度目を開けた時に映るのは、穏やかに呼吸するマキだけ。
 
 階下からは、複数の気配。
 窓に光る赤い回転灯に、ケンスケの手配した救急車が到着したのだと気付く。


 彼はもう消えていたけど、今度は確かに覚えている。
 存在も、その意味も。

 もうひとつ。
 

『では、祭祀の時。迎えにくるよ――俺の瑛瑚エイコ


 ゆるゆると手をのばし、もう何の痛みも無いそこに却って悲しくなる。
 消せない約束は、エイコの首筋にも証を残していった。
 イヤホント!トロくてすみません!!
(最近職場でも使った真性トロ子な私(泣))

 一体何カ月かかってんだよってね……ていうか生きてたのかよってね……!
も、ホントお目汚しに勿体なくもお時間を下さっているあなた様には感謝しております……!!

 そろそろ改稿もしたいなと考えておりましたらハイ。月日は過客で私はのたれ寸前の旅人だったり……(泣)
 今現在ラストまで何となくしか見えてないトンデモさんなので、ちょっとまた練ります……!本当に、もし万が一、お通い下さっている御方が居られましたら……ああ舌打ちなんて謹んで頂戴申し上げますから!!

 今しばらくノロカメなまないをお許しくださいm(__)m!!
評価
ポイントを選んで「評価する」ボタンを押してください。

▼この作品の書き方はどうでしたか?(文法・文章評価)
1pt 2pt 3pt 4pt 5pt
▼物語(ストーリー)はどうでしたか?満足しましたか?(ストーリー評価)
1pt 2pt 3pt 4pt 5pt
  ※評価するにはログインしてください。
ついったーで読了宣言!
ついったー
― 感想を書く ―
⇒感想一覧を見る
名前:
▼良い点
▼悪い点
▼一言

1項目の入力から送信できます。
感想を書く場合の注意事項を必ずお読みください。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。