とある夫婦のももいろ日記
十六才上のボクの旦那は、オンナの目から見るとあんまり面白くないオトコだと思う。
お酒も煙草もギャンブルもやらないし、楽しいこと言ってまわりを和ませるようなこともしない。
どっちかというと、ぶっきらぼうで感情表現の苦手なタイプだ。
当然だけど、オンナの子にモテるようなキャラじゃない。
正直な話、ボクが結婚してあげなかったら一生独身だったんじゃないかと思う。
そんな旦那が、ある日、へべれけになって帰ってきたんだ。
今晩は飲み会があるからと言ってたから飲んで帰ってくるのはわかってたんだけど、まさかこんな深酒してくるとは予想してなかったんで、「珍しいこともあるもんだな~」と思いつつベッドに誘導。
で、コップに水用意して持ってったら、有無を言わせず押し倒された!
うわっ、うわっ、と旦那の腕の中でボク仰天。
「どーしたのッ? 何かあったのッ?」と尋ねるボクに、旦那はこんな風に切り出したのでした。
「眞琴ォ~、聞いてくれ~」
「はいはい」
「今日な同僚五人くらいと飲んだんだよ~、そしたらな、みんな結婚してるから嫁の話になってなァ~」
「うんうん」
「そいつらがな、ひどいんだよ。もう嫁は女として見れないとか、好きと嫌いの中間の存在だとか、ほかにいいひと出来たら別れる可能性ゼロではないなぁとかな」
「ふ~ん」
「でさ、俺はこう見えてもな、おまえのことが超好きなんだよ、もう愛してるんだよ!」
「うん(キャー!)」
「自分でもな、莫迦じゃないかって思うんだけどな。いまだにおまえとちゅーしたりぎゅーしたりするとだな、年甲斐もなくもうドキドキなんだよ。だからな、もうその会話に入りづらくて、生返事しながら飲んでたら一升瓶空けちゃってな」
「(どひゃー!)」
「俺はな、いまだにおまえの寝顔見ながらな、心の中で愛してるよって呟いてんだよ。キモイって思うかもしれないけどな。つーか、俺みたいなオッサンがキモイんだけどな」
「そ、そ、そんなことないよッ!」
「でな、また来週そいつらと飲むんだよ。やだなぁ、行きたくないなぁて愚痴でした。おやすみ~」
それ聞いたボクはもう激萌え!
いてもたってもいられなくなって、逆に旦那を襲っちゃった!
身体入れ替えて、上から思い切りフレンチキッス!
もうカラッカラになるまで喜ばせてあげるって感じで。
でも当の旦那は、そんなボクをひとり残して高いびき。
え~、ここまできてそれはないよ~ッ、と唖然とするボクを残して夢の世界へ旅立ってしまってたのでした。
まる。
で、次の日の朝。
いつもみたいに裸ん坊で目が覚めた旦那は、横で寝てるボクに向かって、「俺、いつのまに帰ってきてたんだ?」なんてとぼけたことを仰ってくれたのであります。
こいつ、さては昨日言ったこともおぼえてないな、なんてちょっとむかっときたボクは、そのままぎゅっと脇腹をつねってから旦那の耳元で囁いてあげたの。
「しらふの時にも言って欲しいな」って。
旦那はボクが何言ってるのかがわかってなかったみたいだけど、ボクはそれでも全然いい。
だって旦那の本音は、昨日のアレで十分にわかっちゃってたから。
旦那ッ!
今日のディナーは、旦那の好きなメニューでそろえとくからねッ!