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緊急クエスト



「こんにちは。ユウトさまのQRは7に昇格しています。本日から新たに受注が可能になったクエストをご覧になられますか?」


「……はい。お願いします」


 悠斗が肯定するとエミリアは分厚い冊子を捲る。



☆討伐系クエスト



●スケルトンの討伐


 必要QR:7

 成功条件:スケルトンを10匹討伐すること

 成功報酬:1000リア&40QP

 繰り返し:可



☆緊急クエスト



●大量発生したコボルトを討伐せよ


 必要QR:5

 成功条件:コボルトを10匹討伐すること

 成功報酬:4000リア&30QP

 繰り返し:可


 

 悠斗の眼に止まったのは緊急クエストの項目であった。



(たしか……コボルトの討伐クエストの報酬は800リアだったはずだよな……?)



 通常のクエストに比べて報酬額が5倍増しになっている。


「すいません。この緊急クエストというのは何でしょうか?」


「はい。こちらは国王が直々に冒険者ギルドに依頼したクエストになっています。ここのところコボルトが街の人間を襲う被害が急上昇しています。

 そこで事態を重く見た王政が、これ以上の被害が出る前に冒険者の方々にコボルトの討伐を依頼したという経緯になっています」


「はぁ……。それは何でまた?」


「一説によるとラグール山脈を支配していたオーク族のボス、ギルティア・メサイエティが、何者かの手により暗殺されていたことが関係しているのではないかと噂されています。

 コボルトたちにとってオークは天敵ですから、これを機会に勢力を伸ばそうとしているのではないか? というのが専門家たちの出した予想になっています」



(あれ……? もしかしてこれって……俺のせいなの……?)



 ギルティア・メサイエティというのは、悠斗をこの世界に召喚したオーク族のボスであった。


 場の成り行きで殺してしまったのだが、まさかそのことがコボルトの大量発生という余波を発生させているとは想定外の展開であった。



(いや。あくまで予想は予想! 俺とは無関係に決まっている!)



 悠斗は楽観的にそう決めつけると、頭の中を切り替える。

 

 現代日本とは何かと価値基準が違う異世界生活では割り切る気持ちが大切だろう。

 これくらいのことで罪の意識に苛まれていてはキリがない。



(それにしてもこれは……どう考えてもチャンスだよな……)



 シルフィアを落札するために悠斗は、少しでも資金を集めなければならないのである。

 経緯がどうであれ一攫千金のチャンスが巡ってきたことには変わりはなかった。



(コボルトの生息地の中でここから一番近い場所は……《岩山の洞窟》ってエリアか)



 地図に書いてある情報からそう判断すると悠斗は、コボルトたちの生息地である《岩山の洞窟》に向かうことにした。



 ~~~~~~~~~~~~



 けれども。

 このとき悠斗は知らなかった。


 岩山の洞窟は、《ネームドモンスター》と呼ばれる強力な魔物が存在しているため。

 事情を知る冒険者であれば、誰もが近づかない危険地帯であることを――。










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