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二人目の仲間



「こちらが現在、当店で最もオススメできる商品でございます」


 1人目にジルが連れてきたのは、身長180センチは超えようかという大柄な女であった。



 アカシア・ヴェルトレイ

 種族:ドラゴニュート

 職業:奴隷

 固有能力:なし



(……これはアカン)


 というのが悠斗の率直な感想である。

 悠斗は別に身長が高い女性が嫌いという訳ではない。


 むしろスタイルの良い女性は好みであった。


 けれども。

 アカシアの体は全身がボディビルダーのようにムキムキである。


 額には謎の斬撃痕。

 そのルックスは歴戦の戦士と言った雰囲気をした風貌であり、可愛いとかブサイクとかそういう次元の問題ですらなかった。


「どうでしょうか? 彼女はドラゴニュートという屈強な種族でしてウチの商品の中でも戦闘能力はピカ1かと存じます。

 更にこのアカシアは以前、冒険者として生計を立てていた経験もあり、戦闘用奴隷としては逸材だと考えています。こちらの商品は下限価格7万リアから取り扱っております」


「……下限価格というのは?」


「これは失礼致しました。説明がまだでございましたね。私共の店では基本的に競売によって商品をお客様に売っております。

 つまり下限価格とは最低入札額という認識で頂いて結構です。入札後、48時間以内に他に購入希望者が現れなかった場合にのみ、お客さまに奴隷を受け渡す手はずになっております」


「なるほど。分かりました」


 戦闘能力が高く、以前に冒険者として生計を立てていたという肩書は魅力的ではあるが、奴隷として買い取るならばルックスの良い女性を選びたい。


 値段や能力に関しては文句なしではあるが、アカシアは悠斗が思い描くハーレムメンバーの一員としては厳しいものがあった。


「他の候補を見せてくれないか?」


「承知致しました。少々お待ち下さい」


 紹介した奴隷が悠斗の気に召さなかったことを悟ったジルは、アカシアを連れて部屋の外に出る


 

 ~~~~~~~~~~~~



 それから2分後。

 次にジルが連れてきたのはスピカと同じライカンの少女であった。


(……うーん。有りか無しかで言うと有かな)


 歳の頃は17歳くらいだろうか。

 そのルックスは客観的に判断すると中の上。


 全体的に地味な雰囲気は拭えないものの、他の条件次第では奴隷として購入しても良いと悠斗は判断した。


「こちらの商品は下限価格8万リアになっております」


「……先程のドラゴニュートの女性よりも高いんですね」


「ええ。この程度の商品であれば普段なら5万リアを割る価格で提供させて頂いているのですが。

 先程もお話しした通り、さるお方が買い占めているため現在、性奴隷になりそうな美しい女性の価格が高騰しているのです」


「なるほど。悪くはないんですが……他の女性と比べてから考えたいです。別の候補を見せて貰えませんか?」


「左様でございますか。ただいまお持ちしますので少々お待ちください」


 ジルは一礼をするとライカンの少女を連れて席を立つ。



 ~~~~~~~~~~~~



 それから。  

 悠斗は5人の女性と面会をした。

 

 けれども。

 条件の面では1人目の女性を超えるものはなく、ルックスの面では2人目の女性を超えるものはいなかった。


「申し訳ございません。現在、当店で取り扱っている女性の奴隷は次で最後の1人になります。しかし、彼女には大きな問題がありまして……」


「と、言うと?」


「はい。こちらの商品には既に70万リアの入札が付いているのです。従ってお客様の予算によっては、面会する時間が無駄になってしまう可能性があるのですが……」


 ジルは遠まわしに悠斗の懐状況を窺うような言葉を述べる。


「いえ。ギリギリ手の届かない範囲ではないです」


 競売品の売却収入により悠斗の手持ちには72万8千50リアがある。

 生活費のことも考慮すると限度額スレスレと言った感じになってしまうが、背伸びをすれば入札することは出来なくもない。


「……!? 左様で御座いましたか。ただいま商品をお持ちいたしますので少々お待ちください」


 悠斗の言葉を受けたジルは驚きの表情を浮かべるが、冷静さを取り繕って部屋を出る。



(70万リアか……逆にこれは期待を持てそうだな……)



 ジルの話が真実であれば、これまでに面会した女性と比較して10倍近い値段が付いていることになる。


 一体どんな理由で、これほどの値打ちが付いているのだろうか?


 もしかしたら貴重な固有能力を持った人間という場合も考えられる。


 それから暫くして。


 悠斗の前に現れたのは、未だかつて出会ったことがない程の絶世の美少女であった――。





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