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奴隷ハーレムを拡大しよう

 


 冒険者ギルドから徒歩で5分ほどの距離のところにアドルフに教えられた奴隷商館があった。


(……普通こういう商売は人目に付かない場所でやるべきなのでは?)


 悠斗がそんな疑問を思うほどに奴隷商館は街の中心部に堂々と聳え立っていた。


「いらっしゃいませ。当店のご利用は初めてでしょうか?」



 ジル・アンダーソン

 種族:ヒューマ

 職業:奴隷商人

 固有能力:隷属契約



 悠斗が店内に足を踏み入れると、カイゼル髭を生やした小柄な中年男が声をかける。


「ああ。冒険者ギルドの紹介できたのだが」


「これはこれは……冒険者の方でしたか。当店は会員制になっております。何か身分を証明できるものをご提示の上、こちらに名前を記入して頂けないでしょうか?」


「了解しました」


 悠斗はギルドの登録証を見せると書類にサインをした。


「ありがとうございます。コノエ・ユウト様……でいらっしゃいましたか。

 当店では先日、屈強なドワーフの男衆を仕入れたばかりでして。討伐クエストに連れて行くにはうってつけの逸材だと思います。どうです? 遠征のお供にお1人、如何ですか?」


 悠斗が会員登録を済ませるや否や。

 ジルはさっそく営業トークに移る。

 

 ジルが指を指した先には、身長150センチ程度の小男たちがとぐろを巻くようにして屯していた。


 彼らはみな一様にして顎に長い髭をたくわえており、悠斗の姿を見るなり、敵意の籠った眼差しを向けていた。


 奴隷と言っても鎖で繋がれている訳ではなく、それぞれ好き勝手に動いているようである。


 悠斗は推測する。

 この辺りは隷属契約の効果によって『建物の中から出られない』よう命令が下されているのだろう。


「……いや。1人目に契約している奴隷が女性なので。出来れば二人目の奴隷も女性が良いと考えているのですが」


 悠斗が告げるとジルは苦い笑みを浮かべた。


「申し訳ございません。女奴隷となるとこの時期はオススメできませんね。2カ月ほど前でしょうか。実はさるお方がこの街の女奴隷を買い占められておりまして相場が跳ね上がっているのでございます」


「……さるお方?」


「私共も信頼商売ですが故。流石にお名前までは教えることが出来ませんが、高名な貴族の方でございます。しかし、そういった事情がある以上……この街で女奴隷を買うことをお客様にはオススメしておりません」


「なるほど。そうでしたか」


 どうやらタイミングが悪かったらしい。

 かといってジルが勧めるような――ドワーフの男衆を購入する気は全く沸かない。


 自分より年上の小さなオッサンたちを連れ歩くのは、悠斗にとって罰ゲームにも等しかった。

 

 けれども。

 このまま引き返すのも気が引ける。


「一応、どんな人がいるか見せて貰っても良いですか? 今後の参考にしたいので」


「了解致しました。ただいま商品をお持ちしますのでお客さまは、どうか向こうの部屋に入ってお待ち下さい」


 悠斗はジルの言葉に従って、指定された個室の中に入る。

 部屋の中はテーブルが1つと椅子が2脚並べられるだけの簡素な造りになっていた。



(もしかしたら今日にでも……二人目のハーレムメンバーを手に入れることになるかもしれないのか……)



 椅子の上に腰を下ろすと悠斗は、ソワソワした心持でジルの到着を待つのであった。




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