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魔力圧縮



「ユウトくん! この度は私の勝手な事情によりキミを危険な目に遭わせてしまった! 本当に申し訳ない!」



 それから。

 冒険者ギルドに戻った悠斗は局長のオスワンから今回の経緯について詳しい事情を聞くことにした。


 マモンの情報を入手した悠斗はオスワンから依頼を受けたコインを探していたのだが――。


 鉱山の奥に隠されていたのは、どういうわけかコインではなく人間の女の子であった。



「キミには娘の命まで助けてもらって……かける言葉が見当たらないよ」



 これは後にアマルダに問い詰めて判明した話であるのだが――。

 どうやら魔族たちは、悠斗と戦って勝利した者に攫った娘を食べさせるつもりであったらしい。


 偶然にも魔族たちがギャンブル好きであったことが、局長の娘の命を取り留めたのであった。



「せめてものお詫びと言ってはなんだが……私に罪滅ぼし出来ることがあれば何でも言ってくれ。私が差し出せるものがあればユウトくんに全てを奉げよう」


「…………」



 仮にオスマンが美少女であれば『エッチな命令も可能か?』というお約束の質問をするところなのだが――。


 流石の悠斗もビール腹の初老の男にまでは手を出すことは出来なかった。



「えーっと。そういうことなら1つだけお願いしてもいいですか?」


 

 悠斗はそこで自宅にて行っている『温泉作り』に必要な資財の調達をオスワンに申請する。


 以前に買い出しに行った際に大抵の素材は入手していたのだが――。

 一部の専門的過ぎる素材は、悠斗の力では入手することが出来なかったのである。



「分かった。事情は分からないが……これくらいのことはお安い御用だよ!」



 ギルド局長というポストについていることもあり、オスワンの交友関係は非常に広い。


 今回の件で悠斗に対して頭の上がらなくなったオスワンは、提示された素材の調達を快く引き受けるのであった。



 ~~~~~~~~~~~~



 それから。

 自宅に戻った悠斗はさっそくグレータデーモンから取得した固有能力を検証することにした。



 魔力圧縮 レア度@☆☆☆☆☆☆

(体内の魔力を圧縮するスキル)



 悠斗が魔力圧縮のスキルを使用した次の瞬間。

 体内の魔力が掌に向かって集まっていくのを感じた。



(なんだ……どんどん体が熱く……!?)



 魔力とは本来、体の隅々にまで浸透していなければならないものである。

 掌付近に魔力が圧縮されたことによって悠斗の体内は魔力が枯渇して、新しい魔力を生み出すためのエネルギーを消費していた。



(この状態で魔法を使ったら……どうなるんだろう……?)



 悠斗の脳裏に焼き付いて離れないのは、前に出会ったレジェンドブラッドのメンバー――ミカエルが使用した魔法の数々である。


 単純な威力で言うとミカエルの魔法は、悠斗の使用する魔法と比べて数十倍近い威力を誇っていた。


 あれくらい強力な魔法が使えれば討伐クエストも楽にはなるのではないか?


 と悠斗は以前から考えることがあったのである。



(よし……ここは限界まで魔力を圧縮して……)



 悠斗の指先に集まった魔力は、通常時と比較して10倍近い濃度になっていた。



(……ウォーター!)



 これ以上は魔力を圧縮できないと確信したところで悠斗は、庭の木に向かってウォーターの魔法を使用する。



 その直後。

 悠斗の指先からは氷の弾丸がショットガンのようにして射出された。



「うおっ……!?」



 その威力は通常のウォーターと比較して優に5倍以上のパワーは出ているだろう。


 氷の弾丸によって蜂の巣にされた木は、グギギギギという音を立てて大きく傾くことになった。



(流石にこれは……予想以上だな……)



 以前と比較して魔法の威力が格段に上がっている。


 1つ欠点を挙げるならこのスキルを使うと燃費効率が著しく悪化することだろうか。


 通常のウォーターなら100回使っても全く疲れを感じないが、今回の魔法は1回撃っただけでも足元がフラフラであった。


 だがしかし。

 これから訓練に時間を割くことでその辺りの問題は改善していくことになるかもしれない。


 そう判断した悠斗は、魔力圧縮を使った訓練を再開するのであった。



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