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ラッセンのデレ



 ピクシー&オークを討伐した悠斗はおもむろにステータスを確認する。



 近衛悠斗

 固有能力: 能力略奪 隷属契約 魔眼 透過 警鐘 成長促進 魔力精製 魂創造

 魔法  : 火魔法 LV4(12/40)

       水魔法 LV6(10/60)

       風魔法 LV5(4/50)

       聖魔法 LV2(8/20)

       呪魔法 LV6(3/60)

 特性  : 火耐性 LV3(19/30)

       水耐性 LV3(0/30)

       風耐性 LV4(6/40)



 悠斗の保有する《能力略奪》の固有能力が、隷属契約を結んだ仲間が倒しても効果を発揮することは以前に検証済みである。


 状況から推測するにピクシーから得られるスキルは聖魔法プラス3らしい。



(あれ……オークからは何もスキルを奪えないのか……)



 ステータス画面には聖魔法以外に上昇した数字は見られない。


 思い返してみると、悠斗がトライワイドに召喚された際にもオークを大量に討伐したのだが、何もスキルを得ることは出来なかった。


 魔物たちの中には、稀にそういう種類のものも存在するということなのだろう。


 戦果を確認した悠斗は気を取り直して鉱山の奥に歩みを進める。



 ~~~~~~~~~~~~



 それから。

 ラッセン&シルフィアの快進撃は続いた。


 前衛をオークたちはシルフィアの剣で、後衛のピクシーをラッセンの銃で――。

 それぞれ倒していく二人のコンビネーションは、鉱山の奥に進むにつれて輝きを増していく。



(……驚いた。彼女の実力はシルバーランクの冒険者と比較しても全く遜色がないだろう)


 

 戦闘を重ねるほどラッセンの中のシルフィアの評価は、上昇の一途を辿っていくことになる。



「シルフィアくん……と言ったか。1つ聞いても良いか?」



 無言で首肯するシルフィアを確認したラッセンは続ける。



「キミはそれほどの力がありながらどうして奴隷という立場に甘んじている? キミがその気になれば男に頼らずとも1人で生きていけると思うのだが」


「……愚問だな。私は何度も主君に命を救って頂いた身。私の命はユウト殿と共にあるのだ」


「…………」



 磨き上げた力を自分のために使いたいと考えるラッセンと、他人のために使いたいと考えるシルフィア。


 二人の価値観は正反対のものであった。


 何処か納得の行かない面持ちのラッセンを目の当たりにしてシルフィアは口を開く。



「それにこの強さも自分だけのものではない。私の剣は……誰よりも近くで主君のことを見ているから身に付けられたものなのだよ」



 元を正せばシルフィアの急成長を支えた自らの剣技に《風魔法》を活用するというアイデアは、悠斗の《飆脚》から着想を得たものであった。


 だがしかし。

 風魔法による高速移動技術である《飆脚》は、天性の動体視力を有する悠斗だから成立するものであり――。


 普通の人間には絶対に真似ができないものであった。


 単純に悠斗のアイデアを借りたというわけではない。


 シルフィアは女性ならではの『軽やかさ』に自身の風魔法を合わせることで、オリジナルの剣技を編み出したのであった。



「……シルフィアくん。どうやらアタシはキミに謝罪をしなければならないみたいだ」



 ラッセンは気まずそうにウェスタンハットのツバをいじりながらシルフィアの方を向く。



「前言を撤回しよう。アタシの目から見てもキミは立派な騎士だよ。先程は無礼な発言をしてすまなかった」



 シルフィアに対して手を差し伸べながらもラッセンは謝罪の言葉を口にする。



「……私の方こそムキになってすまない。無用な争いをしてしまったな。貴公の銃の腕前には目を見張るものがあったよ」



 ラッセンの言葉を受けたシルフィアは照れくさそうに握手に応じる。


 互いに実力を認め合った二人の間には、女同士の友情が芽生えていた。



「……ラッセンさん。そのデレを俺の方にも少し回してもらえませんかね?」







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