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戦いの後に



「びえっ。びええええええええっ!」


「主君! 主君……主君!!」


 戦いに決着がついたことを確認したスピカ&シルフィアは、勢いよく悠斗の体に抱き着いた。



「どわっ! その声は……スピカとシルフィアか!?」



 悠斗は《透明の実》と《消臭の実》を食べていた二人の姿を確認することが出来ずに動揺していた。


「怖い! お前ら怖いって!」


「ご主人さま……。ご無事で……ご無事で良かったです……」


「恐れ入ったぞ! あのような怪物を相手にして1人で打ち勝ってしまうとはな……」


 見えない相手に体を触れられるというのは、此処まで恐怖心を煽るものなのだろうか。


 悠斗は夜な夜な《透明人間プレイ》と称して屋敷の女の子の寝込みを襲うことがあるのだが――。


 今後は控える方針にしようと決意する。



(信じられません。あのタナトスを……たった1人で倒してしまうなんて……)



 拘束から解放されたルナは、未だに自分が夢の中にいるような錯覚に陥っていた。



「ユ、ユートさん……」



 けれども。

 何時までも浮かれていては仕方がない。


 そう判断したルナは意を決して以前から「言わなくてはならない」と思っていた言葉を口にすることにした。


「この度は数々の非礼……誠に申し訳ありませんでした。ユートさんには謝っても謝りきることはできませんし、感謝してもしきれません」


「いや。俺にも反省しないといけないこともあったし別に気にしないで……」


「そういうわけにはいきません! 私はユートさまから受けた恩を一生をかけて返して行くつもりでいます!」


 ルナは悠斗の言葉を遮って、ギュッとその手を握る。


 近くでルナの顔立ちを目にした悠斗は改めて思う。


吊り目がちなクリクリとした眼を持ったルナは、10人の男がいたら10人とついでに2、3人が振り返るような美少女である。


そんな美少女にこれだけ感謝をされるのは、男冥利に尽きるものがあった。


「ユートさん! 何か私に出来ることがあれば何でも申し付けて下さい。ケットシーは義理堅さを誇りとした種族なのです! 受けた恩をそのままにしておくことは私たちのプライドが許しません」


「なるほど。ちなみにその何でもっていうのは当然エッチな命令も含まれているんだよな?」


「……え? ……え?」


 悠斗から予想外の質問を受けたルナは、思わず言葉を詰まらせることになる。


 幼少期を同世代の男がいないケットシーの村で育ち、冒険者になってからは《武神》と呼ばれて恐れられてきたルナは異性に対する耐性がなかったのである。


「そ、それはその……私は別にそういう意味で言ったわけでは……」


「ご主人さま……」


「主君……」


 主人の下心に気付いたスピカ&シルフィアは、悠斗に対して呆れた視線を送る。


「……ゴホンッ。もちろん今の言葉は冗談だ! 忘れてくれ!」


「…………」


 その場の空気に居たたまれなくなった悠斗は場を濁す。


 だがしかし。

 ルナの脳裏には悠斗の言葉が焼き付くことになるのであった。



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