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魔法を使ってみよう

 


 討伐したバットの群れの解体作業は、なるべく見晴らしの良い場所で行うことにした。

 悠斗は常に周囲の警戒を怠らないようにしながらもバットの牙を剥ぎ取っていく。


(はぁ……ようやく終わったか)


 9体分の素材の剥ぎ取りは結構な重労働であった。

 戦闘が一瞬で終わってしまう分、地味で時間ばかり食うこの作業は悠斗にとってこたえるものがあった。



 近衛悠斗

 種族:ヒューマ

 職業:冒険者

 固有能力: 能力略奪(スキルテイカー) 隷属契約 魔眼

 魔法  : 風魔法 LV1(9/10)

 特性  : 火耐性 LV1(3/10)



 素材の剥ぎ取りが終われば、お待ちかねの時間である。

 どうやらバットを倒した時に得られるスキルは《風魔法》であるらしい。


 よもや自分が魔法を使用できる日が来るとは思いもしなかった。


 職業欄が《無職》から《冒険者》になっているのは、おそらくギルドで会員登録を済ませたからだろう。



 風魔法 LV1

 使用可能魔法 ウィンド


 ウィンド

(風属性の基本魔法)



 魔眼スキルによる説明によると風魔法のLV1では、ウィンドという魔法しか使うことが出来ないらしい。


 今後レベルを上げて行けば、使用可能な魔法が増えていくということだろうか?

 その辺りのことは後々、検証していくことにしよう。


「……ウィンド!」


 右手を翳しながらも呪文を唱える


 直後。

 ヒュルルルッと。

 

 悠斗の掌からは一陣の風が吹き抜ける。


「……え? これだけ?」


 その威力は想像していたよりもかなり低かった。


 この風量では強のボタンを押した扇風機に勝てるかどうかも怪しい。

 殺傷能力も何もあったものではない。


「うーん。スキルレベルが足りないということなのかな」


 そう判断した悠斗は、バットを探すことにした。

 何故なら、悠斗の推測が正しければ、あと1匹でもバットを討伐すれば、風魔法のレベルが2に上がるはずなのである。


 だがしかし。

 ゲームの世界と同様に探している時に限って目当ての魔物は出てこないものであった。


 どうやら物欲センサーという概念は異世界にも適用されるものであるらしい。



 ~~~~~~~~~~~~



 結局。

 悠斗が十匹目のバットを探し当てることに成功したのは、レッドスライム4匹とブルースライム二匹を討伐し終えた後のことであった。

 

 目当ての魔物を討伐した悠斗は、すかさずステータス画面を確認。



 近衛悠斗

 種族:ヒューマ

 職業:冒険者

 固有能力: 能力略奪(スキルテイカー) 隷属契約 魔眼

 魔法  : 風魔法 LV2(0/20)

 特性  : 火耐性 LV1(7/10)

       水耐性 LV1(2/10)



 風魔法のLVが2に上がっている。

 それと同時に数字が(0/20)に変化していた。


(……やはりそうか)


 悠斗はそこで自らの推測が正しかったことを確信する。


 つまりは左側の数字 = 現在の経験値

 右側の数値     = 次のレベルまでに必要な経験値


 という認識でほとんど間違いがないだろう。

 疑問が晴れたところで今度は魔法の検証作業に移る。

 

「ウィンド!」


 今度は左手を翳しながらも呪文を唱える。

 結果――。


 どうやら魔法は右手からでも左手からでも放つことが可能らしい。

 そして……LV2になると僅かではあるが、風魔法の威力が上がっているようであった。


 これならば歩いている女子高生のスカートを合法的に捲ることくらいなら出来るかもしれない。


「……でもまあ、戦闘で使えるレベルには程遠いよな」


 常識的に考えれば、武の道に邁進している身でありながら戦闘で魔法を使う行為は非常識であると言えよう。


 けれども、『使える技術があればその全てを使って戦闘に勝利すること』を信条に掲げている近衛流體術においては、『魔法』という概念すらも『武術』の一部として見做(みな)すのが自然な考え方であった。



(魔法の扱いに関しては、もう少し考えてみる必要があるな)



 いつの日かバンバンと魔法を放ち、魔物を討伐してみたいものだ。

 

 そのためには能力略奪(スキルテイカー)を活かして、どんどんスキルレベルを上げていく必要があるだろう。




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