竜宮城
しかし果たしてジョビさんは疑いをかけられたまま、河の底にむかって沈んでいってしまった。
河の底には竜宮城があった。
城の外を警備していたタコが、倒れてるジョビさんとコブーくんを発見した。
「人間だ。珍しい。乙姫さまに報告しなくっちゃ」
タコは体をくにゃくにゃくねらせながら乙姫の部屋まで行き、報告した。
まず乙姫さまは質問した。
「その男はハンサムなの? ブサイクなの?」
「はい。えーっと。フツーのおっさんです」
「そうか。なら、ほうっておけ」
タコはちょいウンザリしてる。この不良姫はイケ面にしか興味ないんだ。
タコは城の外に戻り、バケツを持ってきてジョビさんたちに水をかぶせ目覚めさせようとした。
しかし、河の中だったので意味がなかった。
タコはどうしたものかと腕を八本組んでうんうんうなっていた。
同僚のイカがやってきた。
「あれ? お前きょう休みちゃうの?」
「ああ。ちょっと忘れ物取りに」
イカは警備室に入っていった。
「あった。あった」
イカはロッカーからサッカーボールを取り出すとそれをナップサックに入れた。
「じゃあ帰るわ」
「なに取りにきたの?」
「サッカーボール。息子にプレゼントするやつ」
「プレゼント?」
「今日はクリスマス・イブじゃないか」
「ああ。そういえば」
「今からうちでパーティーやるねん。タコさん。あんたもくるかい?」
「しかし、オレ、今仕事中・・・・」
「なァに。かまやしねェ。どうせ乙姫さま、イケ面のわかめたちとヨロシクやってんだろ。警備なんてほかっといて酒飲もうぜ」
「う、うん。そうだな・・・・」
タコはイカといっしょに、鮫カーに乗った。そして、うなりを上げながら猛スピードでイカの家へ向かった。
ジョビさんとコブーくんはずっとずっと門の前で倒れていた。
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