仮面ライダー拳-フィスト-(11/15)縦書き表示RDF


どうも、最近だんだん読んでくれる読者が増えつつ、とてもうれしいかぎりです。メッセージをくれた方々、まことにありがとうございます。
仮面ライダー拳-フィスト-
作:宮座頭数騎



第四話 -中編-


「ふぅ、重い〜」

スーパーマーケットの入口から、リンスは丸く膨れた買物袋を両手に持って出てきた。

いつものメイド服の姿と違い、質素なワンピース姿である。
ワンピース姿の彼女は、質素な服装でありながら、メイド服の時とはまた違った気品さが溢れ出ていた。
サラサラの優雅に揺れる金髪のショートヘアーと大きな碧い瞳、そして白い雪のような肌がやはり上品で魅力的っぽく、周りのすれ違う人達は彼女に視線を向ける。
もちろん、半分は鼻の下を伸ばした男どもがほとんどだが……。

「今日は腕にかけて美味しいお料理をたっぷり作っちゃいます!」

ニッコリ笑顔でそう口にして、リンスは両手に持ってる丸く膨れたとても重そうな買物袋を、ユラユラと古時計の振り子みたいに揺らしながら歩く。
リンスが前に進む事にその袋は揺れていた。
しばらく歩いて、赤信号の横断歩道前で足を止める。止めると揺れていた袋もゆっくりだが、徐々に小さく揺れて、そして止まる。
信号が青になるまでリンスはただ走る車を眺めて待ち続ける。

「ふう、ちょっと辛いですね」

ちょっと買い過ぎたと思いながら、リンスは苦笑いした険しい表情で袋に目を向けて。重たそうに買物袋を持ち直し強く握った。

「ねえ、ちょっといいかな?」

その時、リンスの後ろから男の声がした。
自分が呼ばれたと限らない。そう自意識過剰とは思いつつもリンスは後ろを振り向いた。振り向いたリンスの視界に、やっぱり男が映った。しかも男は一人ではなく、三人いる。それぞれ服装は違うのだが、どれも顔と一緒に柄やふいんきが悪そうな連中だった。
視線はリンスに向けていた事から、やはり彼女に呼び掛けたのだろう。

「君さ、今帰る途中なの?」

黒いジャケットを着た細い顔の男がリンスに近付き尋ねる。

「ええ、そうですけど……?」

キョトンとしながらリンスは澄んだ碧い瞳で男を見て答える。

「そうか、なら俺達が単車で送ってあげようか? 重いだろ、その袋?」

と細い顔の男は笑顔でアピールするかのように自分を親指で指す。ここで普通の人、特に女性ならば当然の如く男に不信感をもつだろう。
ところが…。

「わあ、本当ですかぁ!」

「あぁ、本当だともさ、ほら袋も持ってやるよ」

男はそう言ってリンスから袋を取り持ってあげる。普通は容易に渡さないのが常識であるはずだが、リンスは渡してしまった。

「申し訳ありません。本当にありがとうございます!」

そう言ってお辞儀するリンス。

「イヤイヤ、いいって」

当然の事をしたまでと言わんばかりに男は手を軽く振る。
普通はもっと警戒と不信感を抱くべきだが、実はリンスはかなりのお人よしだった。リンスはとても嬉しそうに喜ぶ。そのにこやかな表情は何ともかわいらしいものやら、さすがに男達も思わずデレデレと、他人から見たら嫌らしいと思われそうな笑みを浮かべる。

「んじゃあ、ついてきな。単車を止めてる所まで一緒に行こうぜ!」

細顔男の後ろにいたスキンヘッドの男が仕切るように喋って案内する。
リンスは嬉しそうに男達に付いていく、笑顔からしてリンスは、親切な人達だなぁ、と思ってるのが安易に解る程だった。
しかし、赤の他人がこうやって親切そうに近付くのは、裏があるもの。その証拠に、三人の男達はリンスを上から見たらトライアングルのようにリンス囲んでいた。まるで、逃がさないように。そして、リンスからは見えない前を歩いてる細顔男の顔はとても怪しい笑みを浮かべていた。
男達はだんだん人気の少ない裏路地にリンスを案内する。

「ここだ…」

そう言って前を歩いてる細顔男が立ち止まる。リンスは細顔男より前に出て、辺りを見渡す。見渡すと辺りは人気の全くないフェンスで囲まれたバスケットのゴールのリングがあるコートだけだった。しかも、男の言う単車など何処にも見当たらない。

「あの、何もないで…ッ!?」

リンスが振り向いて尋ねようとしたが、振り向いた視線の先には細顔男が上段に振りかぶった握り拳をリンスに振り落とす。リンスは紙一重で避けて、

「いきなり何をするんです!?」

と目を大きく見開き、驚きの叫び声で細顔男に問う。すると、細顔男が笑うのを最初に後ろの二人もニヤニヤとほくそ笑む。

「まだわかんないかねぇ。お嬢さんよぉ、俺達に騙されたんだよ!」

そう言って、細顔男は持っていた買物袋を投げ捨て、隠していた化けの皮を自ら剥がす。

「ああ! 今日の晩御飯が…」

逃げ道が塞がってるこの危機的状況にも関わらずに、自分の心配ではなくのんきに投げ捨てられた買物袋の中身の心配をしていたリンスであった。

「おい、お嬢さん。買物袋の心配してる場合かな?」

細顔男は不気味な笑みを浮かべてリンスにじりじりと近づいてくる。残りの二人は唯一の逃げ道を塞いだまま、細顔男と同じように気持ち悪い笑みを浮かべる。

「ひひ、叫んでも無駄だぜ。まずはじっくり遊んでからその後で高い場所に売り込む」

そう言って細顔男は気色悪い笑い声を出し、口から垂れそうになったよだれを手で拭い取る。リンスは後ずさるがバスケットリングまで下がるとそこで行き止まりだった。
そして、男が近づいてくるにつれて徐々にリンスとの距離も縮まる。

「へへへ、大丈夫だぜ。かなり気持ち良いからよぁ」

距離が一、ニメートルくらいになった時、男はリンスに一気に襲い掛かる。
身の危険がすぐそこまで来てるその時…。

「ゴハァッ!?」

逃げ道を塞いでいた二人の内一人が叫び声をあげた。
リンスに襲い掛かろうとした細顔男は動きをピタリと止めて、どうしたと後ろを振り返る。

「な、何だよお前は? グアッ!」

細顔男が振り返ると同時にもう一人が飛んで来て、白目向いたまま地面に転がる。
細顔男は突然の事に驚き少し混乱気味になる。

「な、何だ。何が起こった!」

「……ったくよ。自分より弱い奴を狙う馬鹿どもを見てると苛々するぜ!」

飛んで来た方角から声がしたので視線をそこに集中させる、そして驚く細顔男と壁にもたれてるリンス。
細顔男の仲間二人が逃げ道を塞いでいたその場所に、一人の青年が両手をポケットに突っ込んで立っていた。
その青年は精悍な顔付きで、肩まで伸びたくせのあるロングの茶髪に、右がブルーで左がグレーと変わった瞳。服装は茶色いジャンパーに中にTシャツを着こなしていて、青いジーンズ。
そして極め付けなのが、その顔付きに似合ったモデルのような体型だった。

「な、何だテメェ! 一体何のようだ!」

身構えた細顔男は、動揺しながらも青年に叫ぶ。

「テメェらから、とんでもねぇ悪臭がしたから気になって跡を付けたんだが、案の定、こう言う糞どもだった訳だ…」

ギロリと青年は細顔男を刺すような鋭い目付きで睨みつける。その殺気地味た目付きに、男は背筋が凍りつくような恐怖感を覚えた。

「な、何を言ってやがる!」

細顔男の震えて吠えた言葉に返答を返さず。青年はスタスタと歩き、男に近づいてくる。
青年から出る殺気のような威圧感に身の危険を感じた細顔男は、脂汗を散らし待てと言わんばかりに手の平を大きく開いた両手を前に出して、顔と共に横に振る。

「ち、近づいくな! 近づくんじゃねぇ!」

そう言って細顔男はリンスを捕まえて後ろから左腕で首に巻き付かせ、右手で喉元にナイフを突き付ける。

「テメェ、近づいてみろ!この女殺すぞー!」

混乱して血走り気味の細顔男は、リンスを人質にしてこの場を凌ごうとしたが、それは上手くは行かなかった。

「はぁ……もう、いい加減にして下さーい!」

「へっ?」

リンスが叫んだ次の瞬間、細顔男にとって予想外な事が身に起きた。ポカンと口を開けた細顔男の脇腹にリンスの鋭い強烈なエルボーが入る。細顔男は苦痛で腹を押さえようとしたが、素早くリンスは細顔男のナイフを持った手首を掴み、そのまま巻き込むように細顔男を投げ倒す。

「ぐぎゃっ!」

細顔男はうめき声に近い嫌な声を出し、そのまま白目向いて悶絶した。

「暴力や人を騙すのは最低です!」

リンスは細顔男を叱るように言ったが、もちろん細顔男は白目向いたまま返事は返さなかった。その光景を青年は唖然と眺めていた。

「……強いじゃんか」

 青年はボソッと意外そうに一言呟いた。そんな青年を無視してリンスは買物袋に駆け寄り、必死に中身を模索し始める。

「ああ、やっぱり中身がぐちゃぐちゃですぅ!」

中身を見ながら落胆と歎き声をあげて次にはガックリと落ち込むリンス。そんなリンスに青年は近づいて、リンスの持ってる袋の中身を見る。

「ありゃりゃ、本当にぐちゃぐちゃだなぁ」

「はぁ…、せっかく美味しいお料理たっぷり作りたかったのに……。皆を元気にする料理を…」

大袈裟と言っても過言ではない程、とても暗い様子で話すリンス。

「オイオイ!そんな、残り少ない余命を宣告された病人みたいな顔すんなよ。また買いに行けばいいじゃんよ!」

そんなリンスを見て、青年は呆れながらも励ます。
するとリンスは落ち込み顔からすぐ笑顔に変わり、ガバッと立ち上がる。

「そうです。また買いに行けばいいんですよ!」

「立ち直り早っ!」

「そうと決まれば、さっそく買いに行ってきます!」

 そう言うとリンスは直ぐさま走ってコート内から出て行った。コート内に取り残された青年はあっけらかんとした表情で、リンスのでていった所をただ見ていた。

「何だあいつ? 変な奴だな…。あれ?」

青年の視界に買物袋が二つ地面におちていた。一つはさっきのぐちゃぐちゃの袋、しかしもう一つは何なのか青年が調べた。
そして中身を見て青年はあっと口を開けて絶句する。

「……これって、あの女の子が忘れて行った奴かな?」

しばらくだんまりした後、青年は苦笑する。
溜息をついた後で目を閉じて首を小さく横に振り、そして青年は立ち上がる。

「やれやれ、とりあえず届けるか…」

袋を軽々と持って青年はリンスを捜しに行く。



夕日が立ち並ぶビルを紅く染める夕方。

此処、ソーホーのレストラン街では、沢山の人で埋め尽くされていた。ニューヨークには、沢山の人種が移住してる。このソーホーにも、やはりいろんな人達が道を歩いてる。そんな人込みの中に昼食を終えたアヤとブラッドは街を見渡しながら歩いていた。

「いやー、食った食った! 次、何を食べに行く?」

そう言いながらアヤはお腹をポンポンと軽く叩き満面の笑みを浮かべ、次に行くレストランを決めようとブラッドに聞いた。

「アヤさん…、食い過ぎは体に毒だよ。てゆーかいいの?こんな時間までブラブラとうろついて。仕事は大丈夫なの?」

この時、アヤが暴飲暴食者と言う事を知ったブラッド。よく太らないなぁ、と口に出さず思い、呆れながらもアヤを気遣うブラッドだが、

「ああ、私は今日は休暇もらってるから大丈夫よ。それに、もしインフェルノが現れたとしても、何時でも変身できるようにベルトを持って来たから」

と言いベルトが入ってると思われるバッグに手を当て笑顔でウインクする。

「まあ、そう言うのなら、大丈夫なのかな?」

頭を掻きながらブラッドがそう言うと、後は何も喋らずしばらく見渡しながら道路と同じくらい人込みで混雑してる歩道を二人は散歩する。
それからしばらく、ハウストン道路沿い付近まで歩いてると、突然アヤが立ち止まる。

「ん、あれ何してんのかしら?」

アヤが指さしたその先には、灰色のスーツの顎ヒゲの中年の男と、黒のスーツで中年の男より少し若い男が怒鳴り合ってる。

「お前があんな事を言うから、こんなヤバイ事になったんだ!」

と灰色スーツ男。

「知るか! だいたいこれは俺だけのせいじゃないだろ!」

怒鳴り返す黒スーツ男。
遂にはお互い胸倉をつかみ合い、口喧嘩から普通の喧嘩になった。

「アヤさん、止めよう」

見ていたブラッドが言って、男達の喧嘩を見てるアヤも呆れ顔で頷き仲裁に入りに行く。

「この野郎!」


「ストップ!」

黒スーツが殴ろうと振り上げた右手首を、後ろからブラッドがつかみ取り、次に肘を掴んで取り押さえた。

「イデデデデ! 何すんだ!」

「何って、通行人に迷惑だから取り押さえてるんだよ」

苦痛に顔を歪ませて男は叫ぶ、灰色スーツの方は唖然とそれを眺めてる。

「ふざけんな! 何なんだよお前は!」

「警察よ」

怒鳴り散らす黒スーツ男にアヤが警察手帳を見せる。灰色スーツ男と共に黒スーツ男も青くなり黙り込む。

「そこの彼の言う通り、通行人に迷惑だから喧嘩は止めなさい、ああ、後ついでに喧嘩の訳も聞かせてくれないかしら?」

面倒臭い様子でアヤが話す。ブラッドは男達が落ち着いたみたいなので、拘束した黒スーツ男を解放したあげた。

「あんた警察なんだな、じゃあ聞いてくれ! さっき立ち寄った店に怪物がいたんだ!」

その言葉を聞いて驚愕するブラッドとアヤ。怪物と言ったインフェルノしか思い浮かばない、そんな二人に男はさらに話しを続ける。

「俺達は本当は四人いたんだ。だけど、二人はその店内で暴れてた怪物に襲われて……」

「それで、必死に逃げて来て、此処で口喧嘩って訳なの?」

アヤが付け足すように言う。男達は頷いた。

「一応、警察に電話で話したら、ちゃんと相手にしてもらえなかった!」

「え、嘘!?」

アヤが有り得ないと言った顔で男達を見た。男達は必死に強く頷いた。

「本当なんだよ! 多分、新聞に載ってたりニュースで報道されてたインフェルノって奴だと俺達が話したのに耳を傾けなかったんだぞ!」

「……う〜ん。どうしてかしら?」

首を傾げながら口に手を当て考えるアヤに、ブラッドが話し掛ける。

「とりあえず、現場に行って見ようよ! もしかしたら、インフェルノがいるかもしれない」

ブラッドの意見にアヤは頷き、男達に案内するよう頼む。男達は頷いて現場までブラッド達を先導する。

ブラッド達は男達についていきながら、その途中違和感を感じた。

「アヤさん、なんか変だ。何故かだんだん人気が少なくなってる…」

男達に聞こえないようアヤに話し掛ける。

「わかってる。てゆーか、やっぱり考えてみるとこれって…」

アヤが頷き何かを予感する。移動中、ブラッド達は何度も辺りを見渡す。ブラッドが言った通り、通行人はだんだん減ってきた。そして、人気の全くない駐車場で男達はピタリと止まる。

「……んで、私達はまんまと罠に引っ掛かったわけ?」

軽い口調でアヤが言う。
それに反応するかのように、男達二人はみるみる内に服が破れて牛のインフェルノと馬のインフェルノに姿を変える。

「罠など、仕掛ける必要はない!」

「じゃあ、何でこんな手の込んだやり方をしたんだ?」

身構えたブラッドが尋ねる。

「邪魔を入れない為、そして、俺の友を倒した貴様を、俺が正面から戦って倒す為だ!」

牛のインフェルノが言う。

「仇討ちか?」

ブラッドは前に戦った牛のインフェルノの事を思い出し、そう言った。しかし、この眼前にいる牛のインフェルノはニヤリと笑う。

「違うな、俺と貴様が倒したあのインフェルノは、ライバル同士だった。ライバルを倒した貴様を倒す事は、俺が奴より強いと示す証拠になる」

ブラッドを指さしながら牛のインフェルノことバイソンインフェルノは、強い口調で言う。


「俺と戦えフィスト!貴様は俺が仕留める!」

「どうせ戦わないって言ったら暴れるんだろお前ら!」

ブラッドの腰に光と共にベルトが現れる。

「変身!」

拳をぶつけ合わせると同時に叫び、そして光に包まれ仮面ライダーフィストに文字通り変身する。
アヤもそれに合わせるかのようにバッグからベルトとマガジンを取り出して紅い弾丸をマガジンに装填して天に翳し、

「変身!」

と言って腰に巻いたベルトにはめ込む。

『CHANGE MASKD FORM!』

電子音が鳴り、紅い光に包まれ仮面ライダーGUNに変身する。

「いくぞ、フィスト!」

そう言って突進を仕掛けるバイソンインフェルノ。
フィストは突進するバイソンインフェルノの二本の角を掴む。そうすると前から後ろに押されて足元の地面が破砕音を鳴らしひび割れを起こしたが、フィストは体重を前に出して突進を押し止める。

「ブラッド! 今いくから!」

と援護に向かおうとした時、馬のインフェルノことペルシュロンインフェルノが仁王立つように立ち塞がる。

「何、邪魔はさせないって言いたいわけ?」

ペルシュロンインフェルノは無口なのか、喋れないのか無表情で何も答えない。GUNは、左手に持ったハンドガンをペルシュロンインフェルノの頭に、その銃口を向けた。

「だったらあんたを倒して援護に行かせてもらうわ!」

そう言ってトリガーを何度も引くGUN。ハンドガンが火を何度も吹き発砲音が連続で鳴る。そして銃口から飛び出た弾丸がペルシュロンインフェルノの頭部に当たり小さめの爆発を起こす。連発で喰らった頭を押さえてペルシュロンインフェルノは怯み後ずさる。

「どう! 案外効いたんじゃない?」

GUNはそう言ってハンドガンのマガジンを取り出し、装填済みのマガジンをはめ込む。ペルシュロンインフェルノはその隙を狙って襲い掛かる。頭上の空間が歪み、そこから出た斧を手に取り中段に構えてGUN目掛け横に大振る。しかしそれはGUNの後ろの車を横に両断しただけで、そのGUNは素早く跳躍して避け、空中で頭上からペルシュロンインフェルノの頭部に銃口を向けて三回くらい銃口から火を吹かす。
発砲音と同時に空気を切り裂いた弾丸が頭部に三回直撃して小さい爆発が連続で起こる。一瞬びくつき頭を摩りながら自分の後ろに着地したGUNに振り向き睨むペルシュロンインフェルノ。

「生憎だけど、あんたの攻撃は遅すぎよ。無視していいけど、とりあえず私が倒してあげる!」

そう言うとGUNはベルトのマガジンを取り出して右腕のリボルバーの形をパーツに差し込む。

『BUELLT CHARGE!』

無機質な男の電子音が鳴る。
GUNは左手のハンドガンをペルシュロンインフェルノに銃口を向けて、右手は肘を曲げて何時でも殴れるような体制で身構える。
それを見たペルシュロンインフェルノは、斧を出した時と同じように今度は盾を取り出して構えた。

「そんな盾なんて、R・M・Aで破壊しちゃうんだから!」

軽い口調で挑発するGUN。
しかし、ペルシュロンインフェルノは攻めて来ないで出方を窺ってる。
GUNはそれを見て、かなり厄介だと思った。

「意外と冷めてるのね。それとも、言葉の意味が解ってないのかしら?」

挑発を目的にわざと聞こえる声で話すGUN。しかし、盾を前に構えたまま攻めずに窺い続ける。
それを見てGUNは舌打ちする。

「やりっづらいわねぇ。コイツ今までのインフェルノとなんかと違うみたい」

苛立ちを感じたが、GUNはすぐに気持ちを落ち着かせて次の手を考える。

その間、フィストはバイソンインフェルノと猛烈な押し合いの状態になっていた。フィストとバイソンインフェルノを中心に円の描くようなひび割れがミシミシ鳴らし広がる。

「ぐ…、おぁぁあ!」

フィストは気勢を上げると同時に角を持ったまま身を後ろに引いてバイソンインフェルノの勢いを利用して後ろに放り投げた。バイソンインフェルノは停めてある車に背中から上に落ちて、次の瞬間には、窓が弾け飛ぶバリンと割れる音を鳴らして車はぺしゃんこになる。

「フィィスゥトォォ!」

バイソンインフェルノは憤怒をさらけ出して咆哮の雄叫びを辺り一面にビリビリと響かす。だが、フィストはそれには動じる事なく寧ろ臆するどころか闘争心を剥き出してた。

「く、まただ。また戦いたいって気持ちがどんどん高まってく…」

フィストは抑える為に、自制しようと必死に頑張る。しかし、自制心を持つにも関わらず。フィストの闘志は徐々に膨れるように高まりつつある。フィストはそれに危険を感じずにはいられない。

「く、うぅ……、駄目だ。でも変身を解いたら…、クソッ! こうなったら一気に勝負を決めるしかない!」

そう言ってフィストは、いつもの必殺を繰り出すための戦闘スタイルに変わろうとする。


しかし、この結果が悪い方に流れ出す。

ドクン!

「ッ!? な、なんだ…!」

自分の中で深い鼓動が響く、次にフィストの体に激痛が走る。

「ウグッ!……ウガァァぁぁぁーー!?」

突然の異変と激痛によりフィストは悶え呻き、そしてうずくまる。


「あ…あァ……う……ウガァァーー!」

この時までフィストは本当に解っていなかった。自分の力の危険性を、そしてその本質を……。


そして、この場にいる者、彼自身も知ることになる。


フィストと言うその本当の姿を……。


 


どうも、今回リンスの話しが入ってるのは、この後の展開に大きく関わる為です。詳しくは後編でですが、大体は予想出来ると思います。そういえば、俺の書いた話は一つ一つがやけに長いみたいなのですが、実はかなり短縮したんですよ。ちゃんと細かく物語を書くと20000文字くらい使っちゃうんで、8000文字に何とか短縮したんです(でも多いかな?)。しかし、それでも物語が長いから前、中、後編と分けてます。どうにか短縮するコツってないんでしょうかね?











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