36.あたし
「和葉ちゃん似合いすぎw」
蘭ちゃんのピンクの声に、やっと我に返る。
部屋に置いてあるドレッサーの大きな鏡を見た。
真っ白なドレス。
包まれてるあたし。
「なあ…蘭ちゃん。一体何を…」
「まだだ〜めッ次はお化粧ねw」
蘭ちゃんの声と同時に、ドアが勢いよく開いた。
そこに立ってる数人の女の人たち。
「蘭ちゃん…この人たち誰なん…?」
「えっとね〜」
蘭ちゃんの答えを聞く暇もなく、その人たちが襲いかかってきた。
…正確には、囲まれた。
01人の女の人が化粧を始め、もう01人の人が髪の毛をとかす。
他の人はネイルしたり、靴のサイズを合わせたり、蘭ちゃんと何か予定を話し合ってたり…
なんか、ホンマにお嫁さんみたいや…
全て終わり、鏡の中の自分に呆気取られた。
「ばっちりw和葉ちゃん可愛いw」
蘭ちゃんは満足そうに見てる。
「でも…なんでこないな格好、しなあかんねん…?」
「今から行くトコロに着けばわかるよ」
蘭ちゃんが優しい目で微笑んだ。
今から行くトコロ…?
蘭ちゃんに手をひかれ、ウェディングドレスのまま部屋を出て、エレベーターに乗り、フロントに鍵を預ける。
途中ロビーにいた宿泊客の人に、不思議な目で見られて、正直恥ずかしかった。
ホテルの前に止めてあったタクシーに乗り、坂をくだり、すぐ止まった。
目の前の建物は…
氷の…教会…?
|