35.ドレス
目が覚めたと同時に、昨日背中から感じていたぬくもりがない事に気付く。
隣にいるはずの平次の姿がない。
(平次…?)
部屋を見渡す。
しかしいない彼の姿があるわけなくて。
急に不安の波が押し寄せてきた。
…昨日の事は、全て夢だったのではないかー…
泣きそうなった。
がちゃ
ドアが開く音にびくりとする。
平次…?
「あ、起きたあ?」
朝から元気な透き通った声の主は、蘭ちゃんやった。
「昨日寝るのおそかったみたいだね」
「え…うん…」
平次じゃない事に少し肩を落としてしもうた。
蘭ちゃん堪忍や…
「じゃあ、主役も目覚めた事だし、支度始めなきゃw」
「し、支度?…て、なんの…ひゃあ!!」
いきなり、蘭ちゃんがあたしの服を脱がしはじめた。
…蘭ちゃん…そんな趣味が…?
ちゃ、ちゃう。
なんで脱がされてんねん!
寝起きやからあんま抵抗できひん…
成されるがままに服を脱がされ…
「じゃあ、これに着替えてw」
嬉しそうな顔をして、あたしにそれを見せてきた蘭ちゃん。
真っ白で…
ひらひらしとる…
これは…
ドレス…?
しかもただのドレスやない…
どっかで見たことある…
ウェディングドレス…?
わけのわからないままウェディングドレスを着させはじめる蘭ちゃん。
聞いても聞いても、答えは
「あとでわかるよw」
の一点張り。
なんで…あたしがウェディングドレス着るのか…?
かすかな期待をした。
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