03.手料理
がらっ
「おばちゃ〜ん!!買い物してきたで〜」
平次んちの玄関を勝手に開け、大声でおばちゃんを呼ぶ。
「おおきにな、和葉ちゃん」
パタパタと駆け足でやってくる、平次のお母ちゃん。
すらーっとした綺麗な人。
「堪忍なあ。平次のやつ、買い物して帰ってこいゆうたのに、また事件やーって一度も家帰らんと行きおって…」
「大丈夫やで、いつもの事やし。それに今日はお父ちゃん家に帰ってこんから、平次んちで夕食ご馳走になろ〜思って」
「ホンマに?ほな、あがって」
はたから見ると、なかなか図々しい会話。
でもこれいつもの事やねん。
お父ちゃんは警察、お母ちゃんは小さい頃からおらん。
せやからお父ちゃんが帰ってこおへん日は、いっつも平次ん家でご馳走になるんよ。
おばちゃんが決めた事なんやけど…
…にしても、買い物ほっぽって事件にほいほい行く平次は、絶対アホや。
…そりゃあ、事件解決したあとの平次、めっちゃキラキラしててかっこいいんやけど…
…ちゃうちゃう。
今はそんな事関係あらへん。
帰って来たら、買い物代わりに行った事攻めたろ。
んで…
旅行券の事、話さなあかんなあ。
脅すか?
そんな事考えながら、あたしはおばちゃんの夕食の手伝いをした。
こうみえても、料理はめちゃ得意やねん。
おばちゃんのテッチリの足もとにも及ばんけどな。
只今の時刻、19時24分。
平次遅い!!
はよ帰ってこんかい!!
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