24.禁断愛
逃げるように走る…というか、その場から逃げたあたしは、部屋に戻ることなく、来た道を戻ってしもうた。
「また、ここに来てしもうた…」
目の前に広がる『氷の街』、アイスビレッジ。
吸い込まれそうな幻想的なつくり。
イルミネーション。
平次と見たかった、大好きな人と見たかった景色。
「あたし、涙脆いな…」
やっぱり、すぐそこまで迫っていた涙を抑えることなんて出来ず。
声を出すまいと、歯ぎしりたてるように泣いた。
寒さのせいで、さらに冷たくなった涙が存在を主張しているように頬を流れる。
ここにいてもしょうがないと思い、あたしは部屋に戻ろうとした。
「和葉ちゃん…?」
蘭ちゃんの声や。
アカン、蘭ちゃんと工藤君には見られたなかったのに…
「…俺、先戻ってるから」
工藤君は何かを察したみたいで、席をはずしてくれた。
「ありがと、新一。…和葉ちゃん、どおしたの…?」
蘭ちゃんに今見てきたことを…涙の理由を話した。
時間が経ったとは言え、話すのはやっぱりつらかった。
ココロの奥底では、やっぱり認めたないという思いがあって。
平次のことが好きなんがつらくなってくる。
これだけのことなのに…
「はい、和葉ちゃん」
蘭ちゃんは自販でホットコーヒーを買ってきてくれた。
「ありがと…」
このころには、声を出すのもつらいくらい、体が冷え切ってしもうた。
「大丈夫だよ、和葉ちゃん。服部君はそんな簡単に、彼女作るなんて思えないし…服部君は、和葉ちゃんのことが好きなんだよ?…私は、そう言い切れるよ…」
「…ありがと、蘭ちゃん。でもな…もおええねん。平次が誰と付き合おうと…あたしは所詮、平次のお姉さん役。姉弟は恋に落ちたらアカンから…」
「和葉ちゃん…」
きっと、蘭ちゃんももう言う言葉があらへんのやな。
お互い、一言も喋らなくなった。
「和葉ァ!」
なんとも間の悪い…
なんで平次がここに来んねん。
「ごめん、和葉ちゃん…ついて来ちゃって…」
うそやろ、工藤君。
ホンマはあたしが泣いてるゆ〜て、平次になんかしたか聞きに行ったんやろ?
「和葉…何泣いとんねん…」
「平次が彼女出来て、うれしくて泣いてんねん!」
うそや…
「こんなトコにおらんと、さっさと彼女んトコ行き!」
「和葉…ちゃうねん、あの姉ちゃんは…」
「もう、やめ…」
それ以上聞きたないねん。
「もう、ええから…言わん…とい…て………」
アカン。
限 界
無我夢中に走りだす。
平次のおらんトコ目掛けて。
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