12.予約無
まさか、ここまできてこんなことが起こるなんて、少しも思わなかったんや。
「予約できてへんて…どういうことやの!」
「で、ですから…遠山様というお名前で、今日から3泊4日で宿泊なさる予約は…はいっていないんですよ…」
「そんなことないです!ちゃんと調べてください!」
「はあ…しかし…ここにあるデータはしっかりと旅行会社から届いているもので…」
「そ、そんなあ…」
「蘭、どうしたんだ?」
荷物を運び終えたのか、工藤君と平次がきた。
「新一…それがね、あたしたちが今日ここに泊まる予定が入っていないみたいなの…」
「どないしよ…工藤君…」
すると、フロントの奥からひげを生やしたおっちゃんが出てきたん。
「もしかして…新一くんですか?」
…工藤君の知り合い?
「お久しぶりです、佐伯さん」
「…新一、誰?」
「ああ、この人は親父の友人で…」
「佐伯と申します。アルファリゾートの最高責任者です」
「「さ、最高責任者?!」」
そんな知り合いがおったなんで…
さすが工藤君、恐るべし…
「どうやら、旅行会社の手違いがあったみたいですね。あいにくですが、一週間近くこちらのザ・タワーは空いてないんですよ…」
「そうですか…じゃあ、あきらめて帰るしかないですか?」
佐伯、となのるおっちゃんは少し悩んだすえ…
「わかりました。最高の部屋をご用意します。ここのタワーではないのですが…このホテルの奥にもツインタワーがあります。ガレリア・タワー・スイートホテルというのですが…そちらを一部屋でよろしかったらご用意しますよ」
「「「「え?」」」」
な、なんて大胆な…
「佐伯さん、それは…」
ホテルマンの一人が声をあげた。
「私の招待客であれば問題ないだろう」
「…」
この人、最高責任者とあっては、なかなかのつわものなのやろか…
職員全員だんまりや。
「では、ガレリアの方には連絡しますので。そちらに向かっていただけますか?」
「ホンマに??」
「ありがとうございます!!」
「おおきに」
「ありがとうございます」
あたしたちは一人一人お礼を告げて、バスのほうへ歩いた。
運転手さんは会話を聞いていたみたいで、もうすでに荷物はバスの中に詰まれていたんや。
やけどホンマ…
不幸中の幸いやね。
しかも、スイートルームって…
あたし泊まったことあらへんよ;
楽しみやな〜ッ
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