…冬物語…(12/40)縦書き表示RDF


…冬物語…
作:かなん



12.予約無





まさか、ここまできてこんなことが起こるなんて、少しも思わなかったんや。






「予約できてへんて…どういうことやの!」

「で、ですから…遠山様というお名前で、今日から3泊4日で宿泊なさる予約は…はいっていないんですよ…」

「そんなことないです!ちゃんと調べてください!」

「はあ…しかし…ここにあるデータはしっかりと旅行会社から届いているもので…」

「そ、そんなあ…」



「蘭、どうしたんだ?」

荷物を運び終えたのか、工藤君と平次がきた。


「新一…それがね、あたしたちが今日ここに泊まる予定が入っていないみたいなの…」

「どないしよ…工藤君…」


すると、フロントの奥からひげを生やしたおっちゃんが出てきたん。


「もしかして…新一くんですか?」


…工藤君の知り合い?

「お久しぶりです、佐伯さん」

「…新一、誰?」

「ああ、この人は親父の友人で…」

「佐伯と申します。アルファリゾートの最高責任者です」

「「さ、最高責任者?!」」



そんな知り合いがおったなんで…
さすが工藤君、恐るべし…





「どうやら、旅行会社の手違いがあったみたいですね。あいにくですが、一週間近くこちらのザ・タワーは空いてないんですよ…」

「そうですか…じゃあ、あきらめて帰るしかないですか?」



佐伯、となのるおっちゃんは少し悩んだすえ…


「わかりました。最高の部屋をご用意します。ここのタワーではないのですが…このホテルの奥にもツインタワーがあります。ガレリア・タワー・スイートホテルというのですが…そちらを一部屋でよろしかったらご用意しますよ」

「「「「え?」」」」


な、なんて大胆な…



「佐伯さん、それは…」


ホテルマンの一人が声をあげた。


「私の招待客であれば問題ないだろう」

「…」



この人、最高責任者とあっては、なかなかのつわものなのやろか…
職員全員だんまりや。



「では、ガレリアの方には連絡しますので。そちらに向かっていただけますか?」

「ホンマに??」

「ありがとうございます!!」

「おおきに」

「ありがとうございます」


あたしたちは一人一人お礼を告げて、バスのほうへ歩いた。


運転手さんは会話を聞いていたみたいで、もうすでに荷物はバスの中に詰まれていたんや。






やけどホンマ…
不幸中の幸いやね。

しかも、スイートルームって…
あたし泊まったことあらへんよ;



楽しみやな〜ッ


佐伯と言う人
実際にはいません…よネ?



かなん











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