10.苛立ち
「服部が…」
「初恋の人…?!」
………
あたしは声も出んかった。
え??
何??
この子の初恋の人が平次?
なんで初恋やねん。
てか、なんで平次と会ってるねん。
小さい頃はいっつもあたしが一緒におったんやで?
あたしの知らないとこで会ってたんか?
なんで平次はあたしに言わないねん。
んで、あの目のキラキラは何や。
まさか…
まだ平次の事…?
思考回路がぐるぐると回っとる。
ものすごい不安が襲う。
笑夏と名乗る少女は、いそいそと平次の元へ駆け寄って、腕をくんだ。
「折角また会う事が出来たんだから、どこかお食事に行きません?」
「…食事?そういえば小腹がすいたんや」
「なら丁度いいわ☆」
平次の腕をひっぱる彼女。
「あ、そろそらチェックインの時間だし、夕飯は五時にしてあるから、行かなきゃ…」
蘭ちゃんは時計を見ながらちょっと焦り気味にしゃべった。
「そうですか…お泊まりはどちらに?」
「アルファリゾートトマムだよ」
「じゃあ違いますね……………………ではまた!!」
な〜にがまた!!や。
もう会わへんっちゅ〜ねん!!
あたしはイライラしながら車に乗った。
空気読めない平次の話には耳も傾けず、ホテルにつくまでだんまりをした。
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