この雨で私の全てを洗い流してはくれぬだろうか・・・
今日は日曜日。
学校が休みだ。
私は浦原のところに行くと言い、部屋を出た。
雨が降りそうな天気だったが構わず店に直行した。
とりあえず頼んでおいた品物を受け取り、店をあとにした。
雨がぽつぽつと降ってきた。
しかし、傘を持ってこなかった。
第一持っていたとしても、到底傘を差す気にはならなかった。
・・・雨、貴様は良いな。
いろいろなものをもいともたやすく洗い流す・・・。
私がもっと早く現世に生まれていれば、私はこの世界の人間としていれた。
そして、人間の姿で一護に会えていたかもしれない・・・。
死神は人間を想ってはいけない。
私は一護を想ってはいけないのだ・・・!
死神に感情はいらない・・・。
それなのに・・・。
雨、貴様は何でも綺麗に洗い流してくれぬか?
私が一護を想ってしまえば私はともかく、一護が他の死神たちに襲われかねない・・・。
第一私は罪人だ・・・。
一護に力を譲渡してしまった・・・。
どうか、この雨で私の全てを洗い流してはくれぬか・・・?
「ここは私の居るべき場所ではない・・・。この雨で全て流してくれればいいのにな・・・」
「そんなことしなくていいんだよ――――――」
「い、一護!?」
どうして私がここに居ると分かった?
気配は雨でで掻き消されているはずなのに・・・。
「な、なぜこんなところに貴様がいる・・・?」
「決まってんだろ。 お前の帰りがおせーからってコンが五月蝿いから探しにきたんだよ」
“帰る”・・・か。
「どうしたんだよ。早く帰るぞ」
「・・・私は帰れぬ」
居場所のないものに帰る場所などないであろう?
「なんでだよ」
「私はこの世界に居場所などないのになぜ“帰る”と言えるのだ・・・? 私は死神だ。しかし肝心の力は回復しておらぬが。こちらの世界のものとは無縁だ。本来私は居るべき場所ではない。死神の力が回復しておらねば向こうにも行けぬ。・・・私に居場所など・・・無いのだ・・・」
最初から分かっていた。
あの日から。
こうなってしまうことを。
・・・私には居場所がないということを・・・。
「おい、居場所ならちゃんとあるだろ?」
「・・・どこにあるというのだ・・・」
「お前の居場所くらいちゃんとある。お前はそんなこと気にしなくていいんだ。居場所くらい誰だってある・・・」
たわけ。
そんな単純なものでは無いのだぞ?
・・・確かに貴様の言う通りかもしれぬな・・・。
貴様の部屋に居候の身で。
「問題解決したんなら、早く帰るぞ!」
「一護!」
「あ?」
「・・・ありがとう・・・」
聞こえるか聞こえないかの凄く小さな声で言った。
一護には聞こえていたか分からないが、とりあえずそのままにした。
・・・礼を言うぞ、一護・・・。
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