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―――翌日、今日は体育祭。
俺の気持ちとは裏腹にスカッと晴れた。
秋晴れだぁー。
「はぁー・・・。」
だけども溜め息が出てくる。
すると、今朝も相変わらずコーヒー牛乳を俺の目の前で
飲んでいた大山が話しかけてきた。
「なんだ?朝っぱらから溜め息かよ。
今日は体育祭だぞ?テンション上げろや。」
「うーん・・・。」
“体育祭”ってだけでテンションが上がれば
こんな溜め息なんてつかねぇよ・・・。
「女の子にでもフラれたみてぇな顔して。」
「別にフラれたワケじゃねぇし。」
「んじゃ、なんだよ?」
「んー・・・実はさ・・・」
俺は大山に昨夜の事を話した。
「へー、あの時の子と同じギルドに入ったのかー。
んで?慧はその子の事、好きになったのか?」
「いや、好きとかそういうのじゃなくてさ・・・」
「でも、実際『ダイヤのピアス』を貰ってそれを付けてるの見て、
ショックを受けて、慧は彫金のスキル上げをやめちゃったんだろ?」
「ん・・・まぁ。」
「じゃ、少なくとも気にはなってるって事じゃねぇの?」
「うーん・・・」
「確かに自分がプレゼントするつもりで頑張って
スキルを上げてた矢先にあっさり一番高いピアスを
プレゼントされてたのはヘコむけどな。
純粋に何かお礼がしたいって話ならまた何か
別の方法を考えればいいんだし。」
「とは言ってもなー・・・そのマースって奴、
他にもいろいろ合成スキルを上げてるって、この間言ってたから、
何やっても勝てる気しねぇんだけど・・・。」
「お前、そんな事言ってたら何にもできねぇぞ?」
「それはそーなんだけど・・・」
「てか、俺は『虹のピアス』いいと思うけどな?
お前がその子の事を想って作ったものなら、
普通は喜んでくれると思うぞ?
逆に喜ばないような子なら、その程度の女って事だよ。」
「・・・それもそうだな。」
確かにその通りだ。
大山にしては珍しく正論を言っている。
てゆーか、よく考えたら俺、レイアの事何も知らないんだよなー。
どこに住んでるとかはもちろん、何歳かとか学生なのか社会人なのか。
レイアの中身の顔だって知らないし、声だって聞いた事もない。
それなのに、こんなに気になっているのは
俺がおかしいんだろうか?
たかがゲームの中のキャラだ。
普通はそんなので恋なんてしないよなぁ・・・?
ん?
・・・恋?
“恋”
これって恋なのかーっ?
「おい、大丈夫か?」
ぺちっと大山におでこを叩かれた。
「お、おぅ。」
大山の言うとおり、マースさんに先を越されたから
ちょっとショックなだけだ。
「おっし!今からテンション上げてくぜっ。」
やっぱ、ゲームの中じゃなくてリアルで恋をしないとなっ。
「今日は全校の女子生徒が見てるからなー。
カッコいいトコ見せて、最後のフォークダンスに賭けるぞ。」
俺は大山と軽く拳を合わせて気合いを入れた。
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