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ネクストライフ 作者:相野仁

六章「ターリアント大陸擾乱」

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十四話「畳み掛ける」

 人類勝利の報は瞬く間に大陸に広がり、民衆は大きな歓声を上げて、勇敢に戦った兵士達を賞賛した。
 参戦した者は皆一度は持ち上げられたが、中でもマリウスは別格と言える。

「聞いたか? マリウス様の話?」

「おお、魔軍数百万をあっという間に片付けたんだろ?」

「いや、その前に魔人をちょちょいのちょいでぶっ飛ばしたとか」

 皆はこぞって酒場に出かけ、グラスや盃を片手に大声でマリウスの話を交換し合う。

「まさか人類存亡の危機が、こんな簡単に終わるなんてなあ」

 一人が驚き半分、あきれ半分といった顔でこぼすと、聞いた者皆が何度も頷きあう。

「俺の息子も兵士でよ、戦いに駆り出されてよ、もう帰って来ないと思ってたんだがなぁ」

「それもこれもマリウス様のおかげだぜ!」

 おおっとあちこちから賛同の声が沸き起こる。
 魔軍の侵攻規模を聞いた時人々は腰を抜かし、魔人が五人もいると知った時は絶望したものだ。
 それが半日どころか一時間もかからずに勝利してしまうとは!
 マリウスの規格外さへの驚きや恐怖心は、歴史的な勝利が吹き飛ばしてしまったのである。
 元より庶民はあまり深く考えられない生き物だ。 

「俺の弟は死んじまったけどな」

 一人の若い男がぽつりとつぶやき、皆の喜びに冷や水を浴びせる。
 戦争そのものは短い時間で終わったが、魔軍との戦いで命を落とした者は何千何万といるのだ。
 ベルガンダにいたっては国が消えてしまった程で、いかに魔軍が強く恐ろしいのか、人々は改めて思い知らされたのである。
 しんみりした空気になりかけた時、先ほどの若い男が言葉を続けた。

「でもマリウス様のおかげで皆が死なずにすんだんだ。マリウス様に乾杯!」

 麦酒が溢れんばかりに注がれたジョッキを天高く掲げ、一気に飲み干す。
 男も過酷な世界で生きる身だから、肉親を失う覚悟はあったのである。
 ただ、肉親の死を忘れたくないという想いとマリウスへの感謝が入り混じって複雑な感情が形成され、それが今のような態度を取らせたのだ。
 周囲の人間は最初呆気に取られていたが、数秒後男に倣って手にしたジョッキや杯を天に掲げて叫ぶ。

「マリウス様に乾杯!」

 老若男女の叫びが弾けて消える。
 死んでいった者を悼み、生きてる事を喜び、明日がある事を感謝する。 
 こういった光景は、ターリアント大陸の東部のいたるところで見る事が出来る。
 大陸東方が死滅しかねない危機だったのだから、人々の喜びはひとしおであった。
 民衆が勝利に沸き返っていた頃、上層部も祝勝の催しを開いていた。
 開催地は勝利の要因マリウスを擁するフィラートである。
 ガリウスが「せめてそれくらいは……」と申し出たのだが、地理的にもフィラートの方が好ましかったのだ。
 こちら方では催しそのものは民衆と比べてずっと華やかだったのは言うまでもない。
 もっとも彼らが使った費用は民衆の収入となるのだが。
今回の催しの参加者はセラエノ、ランレオ、ボルトナー、フィラートの王と、戦いに参加した大将クラス、それにマリウス。
 そして各国の重鎮と呼ばれる者、催しには不可欠とも言える美しく着飾った若い娘達がいる。
 淫魔三人娘は催しへの参加を辞退した。
 中級魔人のパルを倒すという大殊勲を打ち立てたゾフィは、マリウスに褒められればそれで満足だったし、アルとエルは大して役に立たなかったからと謙遜した。
 アウグスト三世とバーラが戦死しなかったのはアルのおかげだし、セラエノ軍の戦死者が少なかったのはエルの功績だ。
 マリウスがそう言った時、二人は妖しい微笑を浮かべて夜にご褒美をねだり、主人はそれに応えてやった。
 腰を痛めて治癒魔法の世話になったのは誰にも言えない秘密である。
 まずフィラート王の挨拶から始まり、続いてマリウスへの褒賞が取り上げられた。

「情けない話だが、マリウス殿ご自身に決めて頂こうという事になったのだ」

 フィラート王ベルンハルト三世の言葉にマリウスは驚いたのだが、周囲の反応は彼とは対照的に当然と言わんばかりであった。

「何かあれば言ってもらいたい」

 改めて問われてマリウスは困る。

(これ以上何もいらねぇ!)

 というのが掛け値なしの本音である。
 金銀財宝など貰っても後味が悪いし、土地を貰っても持て余すだけだ。
 傍目にはどう映っているのかはさておき、実のところいっぱいいっぱいなのである。
 これ以上の報酬をと言われても、急には出てこないのが凡人の限界だろう。
 とは言え「功は正しく評価し、公正に報いるべし」というのが王の義務というのは分からなくはない。
 つまり辞退するにせよ、周囲を納得させる言葉をひねり出す必要があるのだが、マリウスにはそれが難しかった。
 一国が消滅した事で大陸の情勢がどう動くのか想像すら出来ない。

「お話は分かりましたが、まず大陸の苦難を打ち払うべきでしょう」

 マリウスは意識して堂々と意見を述べる。
 暗にまだデカラビアやルーベンスがいると言ったつもりだったが、残念な事に通じず無欲な人と解釈されてしまう。
 王達は互いの顔を見合わせた後、フィラート王が代表して発言する。

「マリウス殿は真に無欲だな。しかしそういうわけにはいかぬ。せめて何が欲しいのかだけでも言って貰えぬか」

 いい加減にしろと思いかけて王達が浮かべる必死すぎる表情に気づき、自分がしでかした事を思い返した。
 数百万の魔軍を全滅させたのに恩賞はいらないという方が無茶なのかもしれない。
 あるいは恩賞で報いられる程度の功績だと思っている、と安心させるべきだろうか。
 怖がられたり警戒されたりするのは本意ではないし、今よりも面倒な事態になりそうだ。
 ……怖がられるという点に関しては既に手遅れかもしれないが。
 マリウスは懸命に乏しい知恵を振り絞り、一つの答えを何とかひねり出した。

「そうですね。ではロヴィーサ様とバーラ様を」

 マリウスが言うと小さなどよめきが起こり、一瞬で消える。
 この世界の人々の生き様に触れ、歩み寄る努力をしていこうとは思ったものの、それには女性陣からの求愛が非常に邪魔で、迂闊に仲よくなるわけにもいかない。
 だから女性関係は恩賞としてのみという姿勢を打ち出して、取り入ろうと考える者達への牽制にしようと考えたのである。
 そしてどうせならば既に多少は気心が知れている女性達がよい。
 役得という単語が頭の隅にあるのは否定出来ないが。
 キャサリンの名を挙げなかったのはやはり年齢に引っかかりを覚えた為で、その点はまだまだと言える。
 マリウスのこの思いつきは、王達にしてもまず歓迎出来た。
 王女とマリウスの婚姻は悲願に近い望みであったし、金品や領土を割かなくてもよいというのはありがたい。
 もっともたったの二人だけでは少なすぎるので、後何人かと結婚してもらいたいのだが、今言えば恐らくマリウスは怒る。
 フィラート王の言葉に他の王もとりあえずは納得し、認めた。
 論功行賞にしては余りにも無様な流れであったが、滑稽だと思う者はこの場にはいなかった。
 何しろマリウスの力は規格外すぎるし、戦果も非常識すぎた。
 何とかしてやりくりして無難に事を収めようとする王達に同情し、尊敬する者もいたくらいであった。
 名前を挙げられたバーラは狂喜乱舞だった……心の中でだけで。
 人目がなければダンスの一つもしたかもしれないが。 
 もう一人のロヴィーサも思わず鉄面皮を崩し、たまたま傍にいたエマに小声で相談する。

「マリウス様、どういう心境の変化なのかしら?」

「恐らくですが、報酬以外では女はいらないという意思表示では?」

 さすがと言うべきか、付き合いの長さと言うべきか、エマはほぼマリウスの心中を読んでいる。
 女性達の攻勢に辟易している事を知っていればこそではあるが。
 王達も似たような結論を出す。
 彼らは皆マリウスの意思を汲み取ったし、ありがたい申し出をしてくれた事でマリウスの識見に感心したものの、ただのまぐれ当たりにすぎないと気づいた者はいなかった。 

「認めよう」

 フィラート王とランレオ王がそう宣言し、ロヴィーサとバーラとの婚姻が決まった。
 当事者である王女に相談どころか一瞥もしなかったが、これがこの世界の婚姻というものなのだ。

「ただ、それだけでは不足している。我が国やガリウスの褒賞が出せないからな。まあそれはある程度復興が進んでからにしよう」

 セラエノ王の発言にマリウスは心の中でため息をつく。
 フィラートとランレオはよくてガリウスやセラエノからは拒否するというのが通らない事は理解出来たし、開き直りに近い感情も湧き上がってくる。

(魔王や魔人を今後も倒せば、また言われるだろうしなぁ)

 この世界の常識であり、本人達が望んでいる事を拒否し続けるのも、正直馬鹿馬鹿しくなってきているのだ。
 元々どちらかと言えば女好きだし、ハーレムだって別に嫌いではない。
 きちんと満足させれば別に構わないのではないのか……全員をきちんと満足させるのはさぞ大変だろうが。
 生じるであろうしがらみに関しては可能な限り国家へ丸投げしてやればよい。
 嫌ならば去るという選択肢もある……バーラ、ロヴィーサ、エマ、キャサリンといった個人はさておき、国家というものに対しては煩わしさが払しょく出来ないし。
 マリウスがこれまでの考えへの決別を割と真面目に検討し始めた頃、話題は二転三転している。
 そして次の話題に上ったのはマリウスが使った浄化魔法に関してであった。

「最初聞いた時は耳を疑いましたぞ。まさか三カ国の城砦まとめて攻撃するとは」

 そう言ったのはランレオ王ヘンリー四世である。
 優秀な魔法使いだからこそ、その非常識さが理解出来るのだ。
 通常よりも射程距離を伸ばすという行為自体は彼やバーラ、一流の魔法使いならば可能であろう。
 しかしそちらに力を注げば、肝心の威力は落ちてしまう。
 威力を保ったまま範囲を広げる、というのが魔法使いの生涯の命題となるくらいの困難さなのだ。
 マリウスはそれをいとも容易く成し遂げたように思える。

「何かコツのようなものがあるのでしたら、後学の為に教えていただきたいものです」

 余人は既に思考や感覚が麻痺してしまい、ひたすらマリウスの礼賛に終始するだろうが、魔法使いとしてはそうはいかない。
 バーラの方も珍しくマリウスへの好意より、魔法使いとしての探究心が勝っているようで父の言葉に頷いている。
 もっとも魔法狂いのバーラに好奇心を抑えろと言う方が無理なのだろう。
 困ったのは話を振られたマリウスである。
 人類の被害を減らす為に使ったわけだが、まさか本当の事を言うわけにもいかない。
 ゲーム時代では必要レベルに到達していない場合は装備不可となったが、それでも道具として使う事は可能であった。
 こちらの世界ではどうなのか怖くて試せない。
 信頼出来そうなゾフィら淫魔娘達か、あるいはバーラに使わせてみた方がいいだろうか。
 とりあえず現状ではマリウス本人の力にのみ耳目が集中していて、装備品の方に注意を払っている者はまだいないようであった。
 つまりこの場は装備品以外の理由をでっちあげるべきだろう。

「いや、思いっきり魔力を込めたら意外といけるんですよ?」

 マリウスはそう答えつつ「我ながら頭が悪そうだな」と思った。
 要するに力ずくで無理矢理実現させたという訳だ。
 だがこれがマリウスが思いついた中で一番無難そうだったのである。
 魔法は込めた魔力次第で威力が増減するのだから、マリウスが頑張って魔力を込めればそれだけどえらい事になる、と思わせようとしたのだ。
 ちなみに多大な魔力が必要になるという点に関してはデタラメではない。
 説明された人々はと言うと

「なるほど魔力量の問題ですか……」

「魔力を大量に込めれば意外と威力は落ちないのかも?」

「試してみる価値はありそうですな」

 マリウスが拍子抜けした程あっさりと信じた。

「ただ、効率は酷く悪そうですが」

「しかし広範囲の敵をまとめて掃討する、味方に魔法をかけるというのが一回でいけるならば、やってみる価値はあるのでは……」

「個人でやるのは無理でしょうが、大隊や連隊くらいの規模で運用すればあるいは……」

 何やら議論を始めてしまう程に。
 マリウスの言葉を疑う者は誰もいないようであった。
 これには実に単純な理由があって、魔演祭の時にマリウスが繊細な微調整や緻密な技巧といったものとは無縁の、火力特化型だと判明しているからだ。
 むしろ精緻な技巧の賜物と説明した方が驚かれただろう。

(それはそれで釈然としないような……)

 マリウスとしては少々不本意ではあったが、自分が頭脳派でないという自覚はあったので、不満を持つ方が筋違いだと思い直す。
 装備に関する追及が起こらなかった安堵もあり、言葉を発するのは止める。
 バーラとヘムルートが何やら意味ありげな表情をしていたが、マリウスは気づかないフリをした。
 人類最強クラスと呼ばれる領域にいる者ならば、あるいは何らかの不自然さを感じ取ったのかもしれないが、確認する気にはなれない。
 向こうは向こうで沈黙を守ってくれているのだし、いちいち確認しない方がよいだろう。
 こうして催しはつつがなく進行していく。
 ホルディア、ミスラ、バルシャーク、ヴェスターの面々は呼ばれていないのだが、彼らにどう対処するかというのも議題の種となった。

「攻め込まれていたホルディアはまだしも、他の三国は許せん」

 という思いが程度の差はあれ、皆が思っている事だ。 
 警告を無視された形になったフィラートは不愉快だったし、魔軍に攻め込まれたのに見殺しにされた形になったランレオ、ボルトナー、セラエノは憎悪を覚えている。
 ホルディアが悪役だった時代を三カ国が己の愚かさで覆してしまったのだ。
 そこへ一人の騎士が入ってきてフィラート王に耳打ちをする。
 ホルディアが王の手紙を持った使者を軍勢と共に寄越してきたのである。

「何を今頃……」

 ベルンハルト三世が吐き捨てるように言うと、王達が事情を尋ねる。
 隠す事もないと打ち明けるとざわめきが起こり、意見が飛び交い出す。

「確かに遅いぞ、何を考えてるんだ」

 一人が声高に罵ると別の一人がたしなめるように言った。

「いや待て、遅いというのは結果論であろう。誰もこんな短期間で戦いが終わるとは思わなかったはずだ。だからホルディアを責めるわけにもいかぬ」

 正論のように思われたが、否定的な意見は根強かった。

「しかし一国の王とは結果を問われるものだ。でなければよき結果を目指しているならば、何をしてもよいという事になりかねん」

 そういう意見が出て「そうだそうだ」という声が起こり、また別の一人が割って入る。

「仰る事はごもっともだが、誰も予想出来なかった事を予想しておけというのはさすがに無理難題ではないかな?」

 これが王達の支持を得て、流れは一気に傾いた。
 ホルディアのフィラートへの行いを忘れたわけではないが、三カ国から攻め込まれながらも、救援と物資を出したという点は評価せねば不公平であると。
 当の被害国の王であるベルンハルト三世も賛成したので結論となった。

「戦いが終わったのは事実。お引き取り願え」

 ベルンハルト三世がそう言うと、騎士はかえって困惑を深める。

「実は戦いが終わった旨自体は伝えたところ、物資を各国の再建に役立てて欲しいと言われたとか。受け取ってもらえない場合、彼らがホルディア王に処罰されるそうです」

 勝手な判断で他国の使者を追い返そうとしたようにマリウスは思ったが、戦争関連の使者は優先的に通過させられるという不文律があり、それを悪用する国もある。
 だから戦争が終わっている場合は現場の判断で断る場合も珍しくはない。
 殊にホルディアは悪い前例があって信用に値しないと現場が拒絶しても、誰も責められないだろう。
 現にバルデラ砦の守将の判断を疑問視する声は出なかった。
 ただ救援物資を運んで来たと言うならばまた話は違ってくるし、それ故に連絡が来たのだ。
 ホルディアからの救援物資を受け取るべきか、王達で議論が始まったがすぐに結論は出る。
 今後どれだけの出費が必要か分からない為、貰える物は出来るだけ受け取っておきたいという現実的な考えが圧倒的だった。
 いくらホルディアでも人類存亡の危機に対しては協力的なのだ、という声も上がったがこれはいくつもの前例がある事である。
 それに対魔軍に非協力的だった三国からならば受け取るわけにはいかないが、協力する姿勢を見せてきたホルディアからならば国の面子は傷つかない。

「ありがたく受け取っておこう。後で正式に礼はせねばな」

 本音と建前は使い分けが肝心なのである。

「後それから……」

 騎士は言いにくそうに続きがある事を示唆する。
 ベルンハルト三世が目で促すと恐る恐る言う。

「戦いはまだ終わっていない。魔人ルーベンスらがホルディアに入ったと」

 一同はまたも顔を見合わせる事になる。
 ルーベンスの名を知る者はさほどいなかったが、ゲーリックの名を思い出した者は多かった。

「そう言えば魔人ゲーリックも先の戦いで姿を見せなかったようですな」

 ぽつりとつぶやいたのは、ゲーリックを倒すべき怨敵と認識しているセラエノ王デレクである。
 マリウスはゾフィが名を挙げた魔人の中でルーベンス、ゲーリック、メルゲンはまだ健在だと知っていたので、特に驚かなかった。
 何も言わなかったのは、魔人達の行動が全く読めなかったからである。
 何故ルーベンスやゲーリックが参戦していなかったのか、そもそもベルガンダを滅ぼした理由を読んでいたのはアステリアだけと言ってよかったのだ。

「少しいいでしょうか」

 マリウスはやや緊張した声を出す。
 今までは襲撃ごとに間隔が空いていたので、どこか気の緩みがあったのは否めない。
 立て続けに反省するハメになって自己嫌悪を覚えながら、マリウスは考えを述べる。

「最悪魔王復活もあり得る以上、私が行くべきだと思います」

 王達もそれ以外の人々も顔を見合わせ、それからフィラート王に視線が集中した。

「マリウス殿ばかりに負担を強いるが……」

「これが私の役目でしょう」

 毅然として答えたマリウスに少女達のうっとりとした視線が集中する。
 マリウスはそれに気づかぬフリをし、簡略な挨拶を述べて出撃した。
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