奏でる音の色〜詞に載せた想い〜(3/7)PDFで表示縦書き表示RDF


奏でる音の色〜詞に載せた想い〜
作:藤原陵平



第2小節 Aメロ 2句


 第2小節 Aメロ 2句

 俺は諦めたりはしない。俺の将来が懸かっている大事な事なんだ。
 どうしてもあの声が欲しい、あの綺麗な美しい声。どんな言葉だろうと気持ちを1番に届けられる透き通った声、あんな声をしていたらあいつも今までの人生に何かスカウトか何かされたはずだ。恐らく音楽経験はあるだろう。
 そんな事を思うと余計にあの声が欲しくなってきた。くそぉ、何か良い方法はないのか…… そんな事を考えながら終えた荒れた一日。荒れていたのは俺の中の心情だけだけどな。
 そして、また新たに希望を胸に潜ませ、学校へと俺は登校する。もしかしたら今日は……と思った俺を誰が責められよう。俺自身だ。まさか朝の一時で俺の一日の希望が粉々に砕けるとはな。
 それは、またあの冷たい視線から紡がれた言葉だった。
 とりあえず、朝会ったら挨拶くらい普通だろ? なのにな……
「よぉ、おはよう」
「覚えてないの? 昨日、話し掛けないで。って言ったでしょ。 私が吸ってい
る酸素が貴方が出す汚れた二酸化炭素でドロドロに濁るでしょ」
 酷い言われようだ……転校生に初日からいじめられる人間もあまり、いや、殆んどいないであろう。厳しい……とにかく厳しいな……心が削られていく感じがするぜ……俺の希望を知っていながら「そんなのいい迷惑よ」と言わんばかりに言葉の暴力で俺の希望を叩き傷付けていく。
「貴方が話し掛けてくると、いい迷惑なのよ」本当に言われてしまった……
 それから、今日一日俺は孤独に生きるのであった。とは終わらせられない。まず、あの声を手に入れるには相当時間がかかるであろう。何かいい手は……
 そんな事を考えたまま、結局陽は昇り沈んでいった。あぁ〜、考えても分からない。喋るななんて言われてもな……
 そして、一日、また一日と陽は昇り繰り返した。何度由架の顔を見ては睨まれた事だろう……
 結論は出ず、仮定すら起こしてない。まだ式すらも……成り立つ事といえば、嫌われている事だけだ……酷いな、俺の人生は雲隠れでもされて雷が鳴り響き年がら年中雨のようだ。
 こんな苦労人にもたまには晴れの日をくれてもいいんじゃないですか、神様……
 何週間も悩んだ結果、仕方ない。猛アタックしかない。何度も何度も勧誘してやろう。
 逃げたって無駄さ、そうさ、逃げても無駄だ。この声じゃないと駄目なのだから。今日は頑張ろう! そう決意を固め目覚めた、転校生来日1ヵ月後。その間一体何をしていたのだか……

 登校。席に辿り着くと彼女はいた。肘を机に立てて偉そうに外を眺めている。
 いっ、いい度胸じゃないか。こっちの怖さも知らないくせに。
「おい!」
「話し掛けないでって言ったでしょ。何アンタ? 記憶でも無くしたわけ? それは御愁傷様。生憎、私は忙しいの。アンタのお遊びバンドごっこになんか付き合っていられないの! 分かった?」
「おい、今遊びって言っただろ……」
「言いましたよ。それが?」
「こっちは本気なんだよ! お前みたいに何もしてない内に相手を傷付けて、人の将来を笑って何が楽しいんだ」
 クラスメイトがこっちを向く。そりゃそうだよな。クラスの注目の的だよな。
「声、デカイぞ」と周りから苦情が飛んでくる。そんなの知った事か。
 由架は席について本を読んでいた。この野郎……

 そして昼休み。飯でも食おうと席を立つと、由架が呼び止めてきた。初めてあいつから話し掛けてきた瞬間だった。
「アンタ」
「俺はアンタって名前じゃねぇ」
「うるさい! 呼んでるでしょ。ちゃんと返事しなさいよ」
「何だよ」
「アンタ、そんなに本気なの?」もしかして、興味を持ってくれたのか?
「あぁ、かなり本気だ」
「なら、1つ。その条件をちゃんと達したら考えてあげる」
「条件とは?」
「ギター、ベース、ドラム。3人バンドメンバーを集めなさい」
「集めたら考えてくれるのか?」
「まぁ、少しはね」
「分かった。集める」
「期間は1ヵ月。それまでじゃないと受け付けないから」うわぁ……無茶な事を……
「分かった。待ってろよ」
「やれるものならね」

そして始まったメンバー探し。また、俺に試練が待ち構えている。大変だな。












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