奏でる音の色〜詞に載せた想い〜(2/7)PDFで表示縦書き表示RDF


奏でる音の色〜詞に載せた想い〜
作:藤原陵平



第1小節 Aメロ 1句


 第1小節 Aメロ 1句

 毎年のように此処『伊勢三崎市』は遅く桜を咲かせていた。
 この市にある高校、『伊勢三崎高校』は俺が通っている普通の高校だ。頭が言い訳でもないし、部活も強いと言える部は殆んど無い。将棋部が県大会に行っているくらいだ。
 そんなつまらない学校に通っているせいかどうかは分からないが、俺は人生がつまらないと感じるようになってしまった。夢はあるが叶うとは思えない。夢はあるけど……叶えたいけど……自分が生きている場所の立地条件が悪いのか、才能というものが生まれつき備わっていないせいか、叶う気が少しもしない。あぁ、俺の人生。残念だな。
 そして、今年も始まった学校生活。この学校では二年目。一年の時は何をしていたか覚えていないほどつまらない一年だった。
 今年もその繰り返しか……

 朝のホームルーム。新学期には必ずと言ってもいい行事的なサプライズゲストが来る。遠回しに言わない時はこのゲストの事を『転校生』と呼ぶ。
 今学期も一人来るそうだ。生徒の間では何処で聞いた事やら、もう噂になっている。
 期待を裏切らず可愛い子や格好良い奴がクラスにすぐ馴染める。それ以外はなかなか馴染めず一人の日が続く、転校生というのは大抵この二種類だろう。 まぁ、俺は好運を祈る。

 そして入ってきた転校生。見た目は滅茶苦茶可愛い。
 髪の毛は焦げ茶に近い色で、ロングヘアーだった。綺麗な髪の毛だ。顔も綺麗だし、可愛いし、シワもニキビも一つも無い。綺麗な顔立ちだ。
そして、なんといっても綺麗な声。これは圧倒的だった。周りに奴等は全く気にしていないだろうが、俺は感じた。
「これは……」
 この声が欲しい。
 それが、これからの俺の人生を一気に変える出会いとなった。

 その子の名前は新井由架あらいゆか
 席は偶然にも俺の隣。俺は奇跡と信じたいけどね。
 早速聞いてみよう。音楽に興味があるかね。
「なぁ、隣になったって事でよろしく。俺は優斗っていうんだ。とりあえず覚えといてくれ。それで……いきなりなんだけど、話がある」
「何?」冷めた声? 嫌な予感……
「音楽とか興味ないか?」
「何それ? 勧誘? バンドでもやらせる気?」
「まだそこまで話は進んでないけど……駄目か?」
「もう話し掛けないで」
「なんでだよ!」
 それから無言……

 俺の計画は途方に暮れるスタートとなった。

 Aメロ〈ずっと君を待っていたよ 出会う事なんて分かっていたのかも〉












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