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初投稿(汗)ちょっと季節外れですが気にしないで下さい。感想お待ちしてます
死神の詩
作:鋼玉


しんしんと
しんしんと
舞うように
踊るように
雪が舞い落ちる

「雪か……」

もう冬だな、と実感する。
雪は好きだ。
突然降り始め、一夜のうちに全てを自分の色に染めあげ、太陽が顔を出したら潔く消える。
そして人の心には残る。
実にいい。
私も可能ならそんな風にありたいものだ。

そんなことを考えながら雪に少しでも触れようとゆっくりと手を差しのべる。
雪は私の掌に舞い降りることなく、
通り抜けて大地に消える。
「分かってはいるんだけどね」

じっと手のひらを見つめて溜め息をつき、目を閉じる。
「うわっ危ない」
通行人が私の方に近付いてきている。
このままじゃ確実にぶつかる。
当然私は避けようとするがコートに身を包んだ彼は、予想以上のスピードで近付いてきたので避け損ねる。
しかし、私と彼はぶつかることはなかった。
正確には彼は私の身体をすり抜けた。
「未だに信じたくないけど」
地面を見つめ改めて実感する。
そこには私を透かして見える、雪の積もり始めた地面。
「やっぱ私死んじゃったんだね」
もう何年になるのか。
覚えていないし、別にどうでもいい。
覚えていたとしても、どうとなることではない。
「まあ、死んでないとこうして外に出られなかったよね」
生きていても、病の身だ。
記憶に残るは寝台に横たわる自分。
友達も作れずただ外の世界に憧れ、病の苦しみに耐える日々。まわりのお荷物だった自分。
最後はあっけなく来て、一瞬苦しくなったと思って次に気付いたときには、私は私の上に浮いていた。
両親が私にすがりつくように泣いていたのを見て自分が死んだ事に気付いた。
死にたくは無かったが、両親の悲しみの中に安堵の表情を見た瞬間、死を受け入れた。

それほど経たないうちに、黒い服を着て鎌を持った男が迎えにきた。
「死を受け入れているようですね。楽でいいです」
そういって彼は鎌を振り私の魂と体を切り離した。
「ねえ、あなたは死神なの? 」
「そうですが」
私の問いに彼はなんの感慨もなく答えた。
「本当にいるんだ。ねえ、詳しく教えてくれない? 」
彼は非常に嫌そうに顔を歪めたが、死者の願いは可能な限り聞くと言った誓約があるらしく渋々死神について語った。

死神ー

其は死した魂を導く者
自ら命を絶ちし者への罰
死した者の魂を引き剥がすことで、己が捨てたものの重さを知れ
この世をさまよい魂を導け
それが死神の責務

私が彼から話を聞いたとき、責務云々よりあることに意識がいった。
「死神になれば、この世に止まる事ができるの? 」
「亡霊も止まることはできるぞ、いずれ我々の仲間が回収しにくるが」
「そうじゃなくてずっとって意味で」
「確かに可能だが」
責務を負わねばならぬがな、そう彼は付け加えた。
「じゃあ私、死神になる」
「は? 」
私は勢いでそういっていて、彼の目が点になった。

そして、私は神様の前に引き出された。
「そういうことは前例がないのよねぇ」
彼女が神様だそうだ。
極々普通の女性にしか見えないが、先ほどの死神の彼とその上司が深く頭を垂れている。
「生まれ変わっても世界は見れるわよ? 」
玉座に頬杖をつき神様は片目を開ける。
「生まれ変わったら私じゃないではないですか」
その返事に彼女は意固地ねぇと呟く。
「確かにねえ、ちゃんと仕事する? 」
「もちろんです」
私の意思は一つだ。
生前あれほど恋焦がれた世界を見る。
「わかったわ。ただし、特別扱いはしないし、きっちり仕事しなさいよ」
「ありがとうございます! 」
私は何度も神様に頭を下げる。
神様は困ったように笑いいった。
私のつくった世界をそこまでいってくれるなんてこっちこそ嬉しいわ。
私も人間に甘いわねぇ
困ったものだわ


そして今がある。
たしかに、死神は死者をこの世から引き剥がす。
自ら望んだとはいえ、彼らの涙をみるとつらくなる
だけど……
あれほど恋焦がれた世界を見ることができる

だから後悔はしない

ふと近くの時計に目をやる。

「そろそろ時間だ」
ここから少し離れたところで大きな事故が起こり人が死ぬ。
悲しいが仕事をしなければならない。
それが契約。

雪はいつの間にかやんでいた。

地面に積もった雪もやがて消える。

雪って人の生に似てるな。
舞い降りて、消えていく儚い存在

だから私は彼らの事を胸に刻もうとする。

絶対忘れないよ

私は仕事の相棒の鎌をそっと抱きしめ歩き出す
祈るように
願うように














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