「いやァこれ見てくださいよ。このこんもりとした形」
リポーターは、皿に盛られた巨大な大便を指して熱弁してる。
「ご主人。このうんこ、冷凍ではないですね? どうです」
ご主人は、はははは、と笑った。
「さすがですねェ。それは今日の朝一番、うちの女房が出したヤツをそのまま調理したんです」
「ええ! 今日とれたての! そりゃ新鮮なはずだ」
リポーターは、なるほどなるほどそれでこんな値段が高いのか、とうなずいていた。
「では、冷めないうちにいただこうと思います」
大便を箸でひとかけら取り、口にふくんだ。
「うーん。おいしい。なんですかこれ。めちゃめちゃおいしいですよ!」
「ありがとうございます」
「この食感はいったい????」
リポーターは口でもぐもぐやりながら考えていた。
「ひょっとして!」
ひらめいたようだ。
「ご主人。これひょっとしてうんこの中に未消化のコーンが入ってますね?」
「ははは。ご名答。昨日、女房コーンサラダ食ってたからね、たぶんそれが混ざっていたのでしょう」
「なるほどなるほど。これはコーン好きにはたまらない一品ですね。すばらしい!」
「ありがとうございます」
大便を一通り食い終わり、コップに口をつける。
「ん。ご主人。これ、ただのお茶じゃありませんね」
「はは。お客さんにはかなわねェ。なんでもお見通しですね。そう。それは今日の朝一番、わたしがジャーッとやった小便なんです。一番しぼりです」
「ひえええ。至れり尽せりですね。ご主人のサービス精神には脱帽だ」
「へへへ。おそれいりやす」
リポーターはトイレットペーパーで口をふいた後、マイクをご主人に向け聞いてみた。
「しかし、ご主人。最後に一つ聞きたいことがあるのですが」
「はい」
「この店、こんなにおいしいのになぜ閉店してしまうのですか?」
「はい。それは」
ご主人は咳払いした後、カメラに向かって答えた。
「おそらく、ニオイが原因ではないかと。確かに、大便は旨いです。しかし、臭いがすごいですからね。それが原因ではと。それと、店の名前もいけません。大便屋なんてそのまんまじゃないですか。これでは客がきません。しかしね、わたしはあきらめてませんよ。次からは名前もスマートなものにしニオイも工夫して押さえ、日本一の大便チェーン店を目指すべく精進したいと思います」
リポーターは思った。
(日本一ってここ一軒しかないやん)
おわり! |