クリスマスの歌
ユカリは、合唱部に入って初めて自分の歌いたい曲をいいました。
いつもは、ヨーコや先生の薦める曲を歌うだけでした。
夏にあった合唱コンクールの自由曲を決めるときも、みんなが話し合いをしているのを聞いているだけでした。
「そんな歌はお爺ちゃん、お婆ちゃんがよろこぶかしら?」ヨーコが言いました。
「そうよね。」ヨーコの仲良しのヨリエが言いました。
ノリコとアヤノは、だまっていました。
「ユカリちゃん、歌ってごらんよ。」<ひよたま>が言いました。
ユカリは、しばらく困った顔でモゾモゾしていました。
「ユカリちゃん、大丈夫だよ。みんな、この歌が好きになってくれるよ。」<ひよたま>がもう一度ユカリをはげましました。
ユカリは、小さな声で歌いはじめました。
少しずつ大きな声で。
みんなは、急に歌い出したユカリの歌が上手だったのでビックリしました。
歌い終わると、音楽室のドアが開き拍手をしながら音楽の先生が入ってきました。
先生の拍手につられて、ノリコとアキノが拍手をしました。
ヨーコとヨリエも拍手をしました。
それからは、先生も入って他に歌う曲がどんどん決まってきまりました。
1曲目は「きよしこの夜」。
2曲目は「聖者が街にやってくる」これは、吹奏楽部と一緒にやることにしました。
3曲目はユカリが歌いたかった曲です。
曲が決まると5人は暗くなるまで音楽室で練習をしました。
その日の夜、ユカリがお風呂に入っているときに<ひよたま>が巣からフワフワと絵をかいていたカズヨの肩にとまりました。
「カズちゃんは絵が上手だね。」<ひよたま>がカズヨに話かけました。
「ありがとう。この前の校内コンクールでも金賞をもらったの。」カズヨはうれしそうにいいました。
「カズちゃん、ポスターをかきなよ。」<ひよたま>はいいました。
「なんのポスター?」カズヨはききました。
「ユカリちゃんの合唱のポスターだよ。お爺ちゃん、お婆ちゃんだけじゃなくて、みんなにもきいてもらおうよ。」<ひよたま>は、ときどき青い目をパチクリさせながらいいました。
「おもしろそうだね。やろう。」カズヨは、がんばっているお姉ちゃんのために、なにかしたいと思いました。
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