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第三次異世界大戦  作者: ヴァーリ
世界騒乱編
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P3 反撃の狼煙

未知の武装勢力による渋谷大量虐殺事件の翌日、東部方面隊を中心として再編された第一戦闘団の陸上自衛隊員達は、渋谷駅奪還作戦に参加するため、渋谷駅の隣駅になる恵比寿駅に集結していた。中央即応連隊から臨時で参加した立川圭一3尉もそのひとりだった。


「注目!」


駅のホームにいる全員の視線が階段に向く。そこには、今回の作戦の総司令官である須藤1佐が拡声器を持って立っていた。


「昨日、渋谷駅の近辺に突如として中世ヨーロッパ風の武装勢力が現れ、一般市民を無差別に虐殺した。現在、我々の他に機甲師団と普通科師団及びSATと機動隊が渋谷区を取り囲み、敵武装勢力の掃討を開始している!我々は敵の本陣となっている渋谷駅に直接乗り込み、敵の士気を落とす!この戦いで無意味に死んだ人達の仇を取ろう!」


須藤1佐の言葉に、陸自隊員達からは歓声が上がる。この事件で友人や家族を亡くした隊員も少なくはない。


「全員搭乗!奴らを皆殺しにしろ!」


隊員達はM2重機関銃や無反動砲、ミニガンなどで武装された装甲貨物列車に乗り込む。



渋谷駅は今回の異世界出兵の精鋭部隊、帝国重装歩兵隊が占拠していた。彼らは異世界の技術力に驚かせられながらも、これまで何百という人を踏みにじって来た。


「しかし、この世界の人間は軟弱だな。青い服を着た奴らは手強かったが、それ以外は全く相手にならない」


「同感だ」


駅のホームで警備についていた重装歩兵の二人は、自分たちに近づく運命に気づいていなかった。


「異世界人どもも拉致できたし、何より女が楽しみだ」


「そうだな、帰ったら異世界人の女を一人連れて帰ろ……ふぐっ!?」


「ど、どうした!?あが!」


喉をナイフで掻き切られた歩兵は、糸の切れた操り人形のように力なく倒れた。彼らの後ろには骸骨の目出し帽に視界補正スコープを取り付けた6人ほどの特殊部隊員が立っていた。


「ゴーストリーダーよりニトロエクスプレスへ、ホームの障害を排除した。予定通りホームへ侵入せよ」


『こちらニトロエクスプレス、コック達は血気盛んだ。陽動を開始してくれ』


了解ラジャー、これより任務を遂行する、通信終了オーバー


数秒後、騒ぎを駆けつけて来た帝国軍兵士は地獄を見ることになった。進入してきた列車から容赦なき銃撃が加えられた。


「撃てっ!撃ちまくれ!弾は幾らでもある!奴らに俺たち自衛隊の力を見せ付けてやれ!」


車両脇の作業通路に配置されたM2やMINIMIからの銃撃がホームを抉り、攻撃に備えていた帝国軍兵士を肉屋で売られているバラ肉のように粉々にする。ホームは帝国軍兵士の血で溢れかえり、高架下まで滴っている。


「渋谷駅に到着!総員戦闘用意!」


「第一小隊集合!」


「第二小隊前ぇ!」


「第三小隊は周囲の警備!」


貨物列車から降りた180人の陸自隊員達は、ホームを最終防衛ラインとし、二番ホームに入ってくる増援部隊の援護、敵勢力の無力化の二つの目標を定めた。


「第一小隊はターミナルを制圧する!ついて来い!」


駅構内を二列縦隊で進む、すると剣を引き抜いた帝国兵たちが立川達に襲いかかる。しかし、四方をくまなく警戒していた立川たち第一小隊は、突然の襲撃に慌てることなく反撃できた。


「撃てっ!」


89式やミニミから吐き出される5.56mmNATO弾が、敵兵の盾を破り、鎧を破り、心臓を貫く。帝国兵の屍を積み上げたあと、帝国兵が作ったバリケードの破壊を試みる。


「C4を設置しろ!」


隊員がバリケードにC4爆薬を仕掛ける。少しして、起爆スイッチを押すと、いとも簡単にバリケードは吹き飛んだ。


「行くぞ野郎ども、反撃の狼煙が上がった」


立川を先頭に、第一小隊がターミナルに向けて突き進む。

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