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第三次異世界大戦  作者: ヴァーリ
神に抗う者編
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P42 第三次異世界大戦の終結

旧IPKF東京渋谷地下総司令部『フォート』は現在、統合軍として再編されたIPKFの地下総司令部として新たに機能し始めていた。既存のIPKFでは柔軟な作戦に対応できず、神との戦いで限界を感じたからであった。


IPKFと統合軍の違いは、主に指揮系統。IPKFは第三国の軍人により指揮がとられていたが、統合軍の最高指揮権はアメリカ合衆国を始めとする主力国家の将軍により指揮がとられる。


他にも、日本は旧自衛隊を国防軍として再編し、自衛の役目を担う戦術自衛軍を新たに創設した。アメリカはレールガンを実用化、ロボット産業の活発な国が共同してパワードスーツを開発したりもした。


場所は再びフォートの円卓会議場。


「天界へ遠征した部隊が神と名乗る女を捕虜にしたようだ」


「それは、カミオカ君らの国で有名なチュウニビョウと言う病気じゃないのかい?」


「どこの世に大きさ20mの大剣担いだ厨ニ病がいますか?」


「ま、それもそうだ。で、その神とやらはこれからどうする気なんだ?」


「我々、人類側についてくれるらしい」


「ほう?それは面白い」


「彼女らが……」


モニターに映ったのは、銀髪の美少女と橙色のロングヘアー美女が絡む、なんとも神秘的でファンタジーな映像だった。


「ほう?美形だな」


「おい、そのカメラもっと下からのアングルにできないか!?」


「録画しておけ!」


代表達のホログラムはワイワイ騒ぎ出すが、議長の上岡歳三内閣総理大臣の咳払いで落ち着きを取り戻した。


「右の女神、戦の神リスナイフト。年齢不明、銀髪ショートボブ、中級神、特技は氷系魔法、趣味は戦闘と同性プレイ」


「………………」


「左の女神、知と慈愛の神デルヒンヴリリュ。年齢不明、橙色ストレート、上級神、特技は演算・交渉、ロリショタどちらも大好き……以上、判明している情報だ」


「…………」


会議場は一言も声が出ない。下手すれば息をすることすらできないほど、重い空気が漂っている。


「ようするに、どっちも変態ってわけだな?」


「まぁ、彼女らの方は置いといて。我が国で研究中の魔法がもう少しで使用可能になる」


スイスの代表の言葉に、他の代表達は感嘆する。異世界から連れてきた魔法使い、主に主戦論派と呼ばれる右寄りの魔法使いを連行し、研究を開始した。


研究の内容は、なぜ異世界人は魔法を使えるのかだ。DNAを採取した結果、塩基配列がAGTCではなかった。未知なる塩基が存在し、学者達はその塩基をW(Witch)と命名した。


Witchは魔法使い以外の人間のDNAには存在せず、その遺伝子の量が多ければ多いほど、より強力な魔法を使えると言うことだ。つまり、魔法は生まれ持った才能でもあるのだ。


「で?我々には使えるようになるのか?遺伝子レベルの話なら事は簡単だろう?」


「仰るとおり、WHOの技術を用いればWitchの遺伝子を組換え、通常の人間に入れることは可能だ。しかし、我々地球人にはその魔法回路と呼ばれる魔力の供給源の圧力に耐えれる体を有していない。すなわち、体が爆発してしまう」


「つまり、我々には扱えないものなんだな?」


「まぁ、そうなるな。扱えるのは魔法使いと人間の間に生まれた次世代の子たちぐらいだな」


それを聞いた代表団達からため息が出る。魔法は世界中の人々の夢であり、ロマンでもあったが、その希望はいとも簡単に捨てられてしまった。


「これからの作戦について、統合軍ヨハン大将から意見があります。ヨハン大将、どうぞ」


「現在、我が軍は空島を通過し、天界へと部隊を展開しております。現地部隊からの報告によると、神界は天界の丘にある神殿の奥から入れるそうです。しかし、建造物には車両が入れません。なので、歩兵のみで神軍と戦うことになってしまいます。ですから、歩兵の装備が整うまで現状維持と言う形で部隊を撤退させ、一時的に門を閉めると言うのはどうでしょう?」


「うむ……歩兵のみで神と戦えなど馬鹿げているな」


「勝算はないのか?」


「もし、神族に歩兵が挑むと、勝率はコンマ以下です」


「それなら仕方ないな」


「さようだ、部隊の撤退を許可しよう。これ以上無駄な犠牲を払うことはできん」


「了解しました」


ヨハンはすぐさま部隊を撤退させ、空島の扉を閉めた。そして、空島に観測所と基地を建設し、再び神軍が現れる時に備えた。

ひと段落した後、続編を書きたいと思います。それまで、少しの間お待ちください。

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