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第三次異世界大戦  作者: ヴァーリ
神に抗う者編
38/46

P35 新たなる敵と円卓会議

航空自衛隊の保有するF-4EJ改は偵察機としても有名だ。もともとは戦闘爆撃機であるが、こうした任務に1番適している機体でもある。現在、4機のファントムプラスが編隊を組んで飛行していた。


「ホークアイ、こちらゾイド1、目標地点に接近するも以前発見できず」


『引き続き作戦を続行しろ。こちらのレーダーには微かに写っている』


「了解した。もう少し高度をとってみる」


編隊は高度をあげ、雲の上へと出る。下は雷雨だったが、雲の上は青空が広がり全く平和であった。


『レーダーに反応、前方に何かいるぞ』


「おいおい、イーグルファイターの言ってたのはまじかよ」


『ゾイド1、こちらゾイド2、ここはアニメの世界ですか?』


「異世界にいる時点でアニメを凌駕してるじゃないか、今さらこんなので驚くなよ」


そう、彼らの目の前には空に浮かぶ島があった。それは、子供の頃よく見たアニメ映画で有名な天空の城に似た形をしていた。しかし、建造物が一切見られない。


「こちらゾイド1、目標を視認。これより近距離偵察に移る」


『こちらホークアイ、了解した。他の機体は散開し、各機警戒行動に移れ』


ゾイド1が島へと近づく、最初に旋回した島の地平線より下は、やはり普通の島の裏側のように岩であった。問題は上部だ、人工物が一切見受けられない。あるのはただ広がる草原、しかし霧がかかっているため全貌はできない。


「何もねぇな、ただのデマか?」


「ですが古川さん、情報二室は黒だと言ってますよ?何かあるはずですけど……」


そうして地上に接近すると、一つの扉を見つけた。


「扉だ」


「ま、また!?」


「待て、扉が……開いた?」


その時、扉から何かが出て来た。それは、神話によく出てくるもの、絵画で有名な天使だった。人間の子どもの裸の背中から羽が生え、腕には特大の弓が握られている。他にも、双剣を持った天使たちも現れる。


「こちらゾイド1、目標発見ターゲットタリホー。敵生命体を目視で確認、弓、剣などの武装を施している。これより敵生命体を『天使』と呼称、交戦に入り情報収集に努める」


『ホークアイ了解した。天使の情報を収集し次第作戦完了だ。幸運を祈る、グッドラック』


「こちらゾイド1、各機聞こえたな?これより戦闘へ移る、交戦開始エンゲージ!」


天使とファントムプラスの空戦、乱舞する二勢力はほぼ互角に渡り合っていた。ファントムの機関砲が天使の身をえぐり、天使の矢がファントムに突き刺さる。


『ゾイド4!やられた!メーデー!メーデー!』


『くそっ!?脱出する!』


残ったのは20の天使と2のF-4EJ、航空自衛隊は偵察隊、それに対し天使は拠点である扉から続々と湧いてくる。


「くそったれ!みんなやられちまった!」


「古川さん!レーダーに新たな反応!」


レーダーに幾つもの編隊が写っていた。


『こちらはアメリカ合衆国空軍、サムライファイターの諸君、援護に来た』


『天使野郎は俺たちロシアに任せとけ!』


『こちら中国人民解放空軍、不本意であるが援護する』


『EU連合軍、助太刀に来た』


駆けつけて来たのはF-22ラプター、PAK-F、J20、トーネード、タイフーン、ミラージュ、ラファールの大編隊だった。思わぬ援軍に天使たちは苦戦し、『空島』周辺から一掃された。


同時刻、東京渋谷地下200m、統合作戦本部『フォート』砦と呼ばれるここには世界各国の首脳が集まっている。集まっていると言っても形だけのホログラムであるが。


日本・ 中国・アメリカ・カナダ・ロシア・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・バチカン市国・ブラジル・インド・イスラエル・エジプト・ベルギー・スイス・スペイン・オーストラリアの計18カ国の国のトップが集まりテーブルを囲んでいる。


世界でも影響力のある国々のトップが会談する、さしずめ円卓会議みたいなものだ。


「さて、今回みなに集まってもらったのは他でもない、新世界『空島』についてだ」


議長の上岡歳三内閣総理大臣がモニターに映像を写す。映像を見た首脳陣からは「おぉ」や「これが」というコメントが出て来た。


「そう、これが空島、異世界の神が住む神界への入り口だ。今回、私の偵察隊がこいつに接近、天使と交戦に入った。その際の援軍には感謝する」


「その天使とやら、我々が持ち帰って解剖調査した結果、人間とほぼ構造は変わらないことが判明した。と言うことは、神に銃が効く可能性は大幅に上がった、現に天使は連合軍の戦闘機で撃墜できたのだから」


「そう言うことだ、近々向こうから接触があるかも知れない、各国とも警戒は怠らないように」


上岡の声を最後に、ホログラム達は消えて行く。

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