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第三次異世界大戦  作者: ヴァーリ
大規模作戦編
29/46

P27 上空5000m

誤字脱字あればスミマセン

上空5000m、ここには限界高度ギリギリで空中哨戒を行う竜騎兵の姿があった。彼は空から攻めてくると思われる自衛隊の攻撃をいち早く地上に知らせることが命令されていた。


「ねぇウォルガス、本当にニホンの奴らは来るのかな?」


「キュルル……」


愛騎のワイバーン、水竜のウォルガスにそう言うのは、帝国軍魔法竜騎兵部隊所属の魔法竜騎兵、ヴァイスである。ヴァイスは今年に念願の部隊に配属された新人竜騎兵である。


「何で俺がこんな任務を……」


そして、彼は人一倍苦労している1人でもあった。もともと才能のなかったヴァイスは、努力の末、周りから認められる立場まで登りつめた。しかし、周りは有力家から輩出された才能のあるものばかり、いつも彼は見下されていた。今回の任務も、厄介払いの一つだ。


「ん?」


その時、ヴァイスの目の前に何かが迫ってくる。ドラゴンよりも小さく、鋭利な形をしたそれは、後ろに風車を付けて空を飛び回っていた。


「剣?」


剣と呼ばれたのは航空自衛隊が保有する無人偵察機クオックスである。クオックスは従来の無人偵察機の約半分の大きさに抑えられ、高機動性と作戦継続能力を大幅に強化した傑作国産無人偵察機である。


「まさかニホン軍⁉︎」


地上に知らせるために降下しようとするが、いきなりクオックスが後を追ってくる。


「くっ、くそっ!」


真上から機銃で撃たれたヴァイスは、血飛沫となって四散した。ウォルガスも、体に無数の銃弾をくらい、失速したのち墜落死した。


その後、基地から飛んできたF-2支援戦闘機が、対艦ミサイルである93式対艦誘導弾が4発発射される。発射されたミサイルは、堅固な城壁に激突、壁を8割ほどボロボロにした。


そして、巨大な胴体を持つ最新鋭輸送機、C-5が5機、編隊を組んで飛行する。これらの機体は急遽部分解体されて異世界に持ち込まれたものである。


『投下地点に接近中、格納庫開け』


機体後部のハッチが開き、緑の巨体が姿を現す。


『投下、投下』


床のローラーが滑り、後ろ向きで空中に吐き出されたそれは、巨大な落下傘を広げ、空中を舞う。そして、先行していた装輪車両中心の機動部隊の近くに着陸、合流する。投下を終えたC-5は、次なる目標に新たな宅配物を届けるため空域を去る。


「やはり一筋縄にはいかんか、全車突撃!火力全開フルスロットル!」


草原を全速力で疾走する虎がいた。陸自で主力戦車の座に君臨する10式戦車だ。戦車輸送を可能にしたC-5戦略輸送機から空中投下された5両の10式戦車は、主砲である44口径120mm滑腔砲を壁に向け照準し、残りの部位を破壊する。


「いけっ!いけっ!」


瓦礫を乗り越えて侵入した10式は、帝都ラッセルを疾走する。帝都の人々は戦車を見て慌てて家に逃げ込む。続いて軽装甲機動車や高機動車、96式装輪装甲車を中心とした普通科部隊が雪崩れ込み、73式トラックが大量に侵入する。


「前方11時より巨人!」


「主砲発射用意!てぇ!」


主砲から放たれた徹甲弾が、鎧をつけた巨人の胸に直撃し、巨人を爆死させる。10式はゴブリン以上の怪物を主砲で、残りの敵歩兵は機銃で薙ぎ払って爆進する。


「目標到達、周囲の警戒を行う」


牢獄の前に陣取った戦車隊は普通科部隊が到着して制圧するのを援護する。


「総員下車!」


普通科隊員がライオットシールドを持った隊員を先頭に牢獄になだれ込む。反撃して来た兵士を無力化し、講和派が捕らえられている場所へと到着する。


「き、君らはニホン軍かね?」


「あなた方を救出に来ました。我々の指示に従ってください」


「殿下のお二人がまだ王宮地下に捕らえられている!誰か助けてくれ」


それを聞いた普通科の隊長は本部に伝達。その後到着したトラック隊に講和派の議員たちを分譲させ、その場を離れる。


『3……2……1、爆破!』


仕掛けられた爆弾が爆発し、牢獄は吹き飛ぶ。


その頃、同じく帝都中心部でも大規模な作戦が繰り広げられようとしていた。

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