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第三次異世界大戦  作者: ヴァーリ
異世界侵攻編
24/46

P22 帝国の憂鬱

日本政府による融和作戦が行われたイージニア帝国の帝都王宮では、皇帝のフィトュナス・ペルクナテスは苛立ちを覚えた。


唐突に、フィトュナスは会議室の名が机をドンと叩く。それにビクつくのは周りの官僚である。


「貴様ら、我が神聖なる帝都に蛮族を侵入させ、何の反撃も出来ぬままのこのこと帰らせた責任はどう取る?」


「陛下、彼の国ニホンは他の異世界の国と違い、侵略を目的としていません。彼らは紛争の原因となった当事者の捕縛を目的としています。これがニホンからの要求です」


帝国の重鎮、元老院のティラムがフィトュナスに紙を差し出す。


・帝国は日本に宣戦布告なしの奇襲攻撃した事実を認め、その賠償を負うこと

・帝国は国の最高位を召還し、日本政府と対等な交渉をするべし

・帝国は一連の日本に対する行動に公式に謝罪すること

・虐殺の当事者は日本によって正当に処罰されること


「ふむ……確かにニホンは侵略を目的としていない、しかしだな……」


フィトュナスは立ち上がり、紙をバラバラに破り去った。その顔には青筋が浮かび、怒りに狂っていた。しかし、議員たちは浮かない顔をしている。一部、主戦派はフィトュナスの声に同調しているが、講和派の議員たちは気まずそうな顔をする。彼らは日本の力を知っているからだ。


「奴らはこの儂を処罰するつもりらしい、ふざけるな!徹底抗戦だ!交渉の余地はない!」


フィトュナスは声を荒げ、高らかに宣言する。そして、「アリファを呼べ」と言うと、何処から現れたのか黒いフードを被った人物がフィトュナスの横に現れた。


「魔法院、一等魔法技師アリファ、陛下の御ん前に」


「アリファ、貴様にニホン軍基地の攻撃を命令する」


「了解いたしました」


アリファはそう言うと、ローブを広げて消え去った。アリファの退場で会議は終了し、議員たちは会議室を退出する。


「アーリア!」


皇位継承第二位のカラトナス・ペルクナテスが、実の妹で皇位継承第三位のアーリア・デベラ・ペルクナテスを呼び止める。


「どうしたのお兄さん?」


「お前は父上のことをどう思う?」


「どうって、全く事態を理解していないとしか言いようがありませんが」


「なら俺と手を組まないか?」


金髪青目のアーリアは、長い髪をサラッとたなびかせると、「良いですよお兄さん」と言って引き受けてくれた。


「なら、バレない様にここを出よう。そして、帝国とニホンの交渉を俺たちでやるんだ」


「分かりました。では行きましょう」


2人は帝都を離れ、行商馬車に乗せてもらい、ニホン軍が陣地を構築している東の村ラクトへと向かった。

よければ帝国の英雄も見てくださいね!

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