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第三次異世界大戦  作者: ヴァーリ
異世界侵攻編
17/46

P15 施設襲撃

寝みぃ……疲れたぜぃ

「この村からイージニア帝国軍を追い払って下さい。代わりにこの村がニホンの支配下になることは村人一同賛成です」


村長の言葉に2人は唖然とする。それも敵国の支配下に快く入ると言っているからだ。これには、元帝国軍魔女のサーシャも驚く。


「なぜ、帝国軍を追い払って欲しいのですか?」


「彼らは、見てのようにニホンに攻め込んだ敗残兵の集まりです。この村の安全を守ると言いながら、好き放題するわ、みかじめ料をとるわ、村娘を連れて行くわ……もう散々です。我がラクト村は帝国領を今日をもって離反します」


「そ、そんな……」


サーシャが項垂れるのもそのはずだ、サーシャのような真面目な兵士は、命がけで領民を領土を守り、新たな新天地を確保するために全力を尽くした。


しかし、このラクト村に駐屯する帝国軍は、大した戦果も上げず、派遣軍近衛兵のように命を散らすわけでもなく、のこのこと自領土に帰って好き放題している。結局、サーシャが国のためと思ってしたことは、結果的に国民を苦しめている。彼女は心の中で絶望する。


「分かりました。我々第1偵察隊はこれから帝国軍を排除します」


「そのタチカワさんの指揮するダイチテーサツタイと言うのは、3台の鉄馬車と数人しかいないのでは?」


「不覚です、そこまでお見通しでしたか」


「いや、この子たちが教えてくれたのだよ」


コヨーテは横にいた2人の姉弟を撫でる。


「では、村の方は静かに家の中に隠れていて下さい。私たちはこれから敵施設の偵察に行きます」


「分かりました。なら、これをもって行って下さい。これを渡せば施設に入れるでしょう。どうかご無事で」


包み紙を受け取ると、2人は村長の家を出る。そして、少し歩いて帝国軍事施設の正面門へと近づく。案の定、警備兵が槍を向けてくる。


「貴様ら、何しに来た?」


「私たちは行商人です。珍しい商品が入ったので差し入れに来ました」


タチカワは村長から頂いた包み紙を渡す。


「お、オリハルコンじゃないか!?」


オリハルコン、立川もよく知っているファンタジー内での希少金属である。その価値は計り知れない。


「いいだろう、入れてやる」


門番に案内され、施設内を見渡す。ここには剣の鍛錬を行う修練場、兵を休める兵舎、騎兵の足である馬宿があった。立川は胸元に忍ばせていた隠しカメラ搭載のボールペンをノックし、必要な写真を撮り揃える。


「今、ここには何人の兵士たちが駐屯してますか?」


「ざっと150人ほどだな……そう言えば、さっきから気になってたんだが、何で頭にターバンなんか巻いてるんだ?」


「病気でね、直射日光を当てると毛根が死滅しちゃうんだ」


「それに瞳も黒…………まさか!?お前はニホン人じゃないか!?敵襲!ニホン人が侵入している!」


「チッ!ばれたか!?逃げるぞサーシャ!」


「は、はいっ!」


「逃がすか!ぐはっ!?」


警備兵に9mm機関けん銃を乱射する。そして、一気に門まで駆ける。しかし、盾を構えた歩兵が扉を封鎖する。銃撃で退かそうとするが、ミネビアの口径は9mmだ、盾を貫通するに至らず、2人は囲まれてしまう。


「死ねぇ!」


1人の歩兵が切りかかろうとするが、発砲音が聞こえ、腕ごと引き千切られる。おそらく、状況を見守っていたスナイパーのおかげだろう。


『隊長!行きますよ!』


門から高機動車が突撃してくる。後ろからぶつかられた歩兵は跳ね飛び、べちゃりと嫌な音を立てて動かなくなった。


「回収完了!撤退!」


窓を開けて近づいてきた歩兵を銃撃する。高機を運転する市原はアクセルを踏み込み、村を疾走する。施設から騎兵が追って来たが、後部座席からの無慈悲な銃撃によって地面に叩きつけられる。


そして夜、本部に指示を仰いだ第1偵察隊は、帝国軍に対して本格的な軍事行動をとる。

本日の投稿はここまでです、明日もお楽しみください!

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